ビワバアオキ 枇杷葉青木 
Aucuba eriobotryifolia   
       Fa Tsuan Wang (1949)
旧科名: ミズキ科 Cornaceae
APG分類: ガリア科 Garryaceae
  または アオキ科 Aucubaceae
属 名: アオキ属 Aucuba Thunb. (1783)
中国名: 琵琶叶珊瑚 pi pa ye shan hu
原産地: 中国雲南省西部 海抜1,300〜1,600
  (〜2,400)m の林内
用 途:

以前は、現在の「ガビアオキ」に「ビワバアオキ」の名前が付いていたが訂正された。新設された温室内に植えられた個体には、以下の主旨の説明板がある。

アオキ属 Aucubaは、かつてはミズキ科に分類されていたが、最近ではガリア科とされ、中国を中心に15〜20種がある。ほとんどの種は、アオキと同様に低木で濃紫色花弁をもつが、高木で淡黄色の花弁をもつ種がある。そのひとつが中国雲南省の希少種ビワバアオキ A. eriobotryfolia である。この樹は、1980年6月に東京大学 原 寛教授が持ち帰り、長らく日光植物園で鉢植えで栽培されてきたが開花せず、雄株か雌株かも不明である。新温室に地植えをすることで、開花するのを期待しているところである。

樹 形    2021.12.11.
高さ約3m。40年も育てているのに、幹の直径は約25mmしかない。移植して間もないため、生育はこれからだろう。

葉の様子   2021.12.11.

         表 と 裏 (右はガビアオキ)
両者を比べると、両面ともに色が違う。形はほぼ同じだが、ガビアオキは鋸歯の切れ込みが深く、その先端が鋭い。
なお、裏返しの葉は手で押さえながら撮影したもので、採取などは行っていない。



名前の由来  ビワバアオキ Aucuba eriobotryifolia
中国名:琵琶叶珊瑚 pi pa ye shan hu ビワバサンゴ
「叶」は、「葉」の簡略体。
A. chinensis シナアオキ を桃叶珊瑚 と呼んでいおり、中国でのアオキ属は「桃叶珊瑚属」である。「珊瑚」は、赤い実をもつ植物と海のサンゴを表す共通名称である。
本種が日本に伝えられた時に、中国名に倣って和名を付けたものと考えられる。
ビワバアオキ : ビワに似た葉を持つアオキ の意味
ビワ Eriobotrya japonica の細長い葉と比べる限りでは、とても似ているとは言えない。
敢えて類似点をあげるならば、
  @表の葉脈が凹んでいる
  A表よりも裏が白い
ぐらいだろう。 
ビワの葉

表の葉脈は凹み、裏側は出っ張っている。またビワの裏面には褐色毛があり、表よりは白く見える。

ビワは中国が原産といわれているが、それ以外にも多くのビワ属の種があるので、中には本種の葉に近いものがあるのかもしれない。
種小名 eriobotryifolia:ビワ属のような葉の という意味
和名がビワバアオキとなったもう一つの理由は、学名にも「ビワバの」という種小名が付いているためである。
それがなければ、中国原産なので「シナアオキ」も可能なところだが、これは Aucuba chinensis という別種があり、和名も命名済みである。シナアオキは、メインスロープを少し上った右奥に、ガビアオキの名称で植栽されており、毎年、開花・結実する。別項を参照のこと。
Aucuba:アオキ( 青木 )属
1775年に長崎出島の商館医として来日し、江戸へ参府して将軍にも謁見したツュンベリーが命名したものである。
当時の呼び名 アオキバ(青き葉)に基づいているが、意図的にか、あるいは聞き違えたものか、「アオキバ」と「アウクバ」では綴りがかなり違う。
アオキ属はヒマラヤから中国、日本に3〜4種あり、A. japonica Thunb. 「アオキ」は日本固有の種である。
 
ビワバアオキ ←
 アオキ Aucuba japonica Thunb. (1783)
日本原産で、北海道から沖縄まで広く分布している。
青い葉の色から 「青き葉」の名が付けられたが、現在の名は「葉」が省略されたものが「アオキ」となった。  葉だけでなく、枝や幹まで緑色をしているので 「青木」の漢字とも合っている。 中国名も「青木」である。
青木の葉は 皮質で薄くてツヤがある。
ビワバアオキ と アオキの葉を較べると、ビワバアオキの方が
 ・色が灰色を帯びている。特に裏は明るい
 ・葉に厚みがある
 ・厚みがあるだけに歯牙の先端部分が硬い
 ・葉の大きさにもよるが、葉脈の数が多い
といえる。
アオキ 葉の様子 根元の様子

アオキは、根元から何本もの枝が生える叢生の傾向がある。
アオキの花 2000.4.8 アオキの実

実の写真
コピーライト:春日健二
春日健二氏のホームページ
「日本の植物たち」から 
左の写真は暗紫色の雌花が咲いているところである。赤い実が生るところから雌株が好まれるようだが、私はアオキは「パス」・・・である。
アオキについても別項を参照のこと。
小石川植物園の樹木 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ