ビワバアオキ 枇杷葉青木 
Aucuba eriobotryifolia 
       Fa Tsuan Wang (1949)
科 名 : ミズキ科 Cornaceae
APG分類: ガリア科 Garryaceae
  または アオキ科 Aucubaceae
属 名 : アオキ属 Aucuba Thunb. (1783)
中国名 : 琵琶叶珊瑚 pi pa ye shan hu
原産地 : 中国雲南省西部 海抜1,300-1,600 (-2,400)m
用 途 : 庭園、公園に植栽

正門を入って少し坂を登った右手、ロウバイが植えられている場所の右奥である。 植えられてから10年あまりであるが、木が混んできてしまって目立たず、ほとんど見る人がいない。

            樹 形      2007.3.11
この時点では3m強だった。 全部で4本あるが、別の木の方が成長が早い。                 フラッシュ使用。

根元 直径       枝振り 2010.12.25
アオキ属は以前 ミズキ科に分類されていたので、枝振りがミズキに似ている、としていた。  ところが遺伝子分類では別の科 あるいは独立してアオキ科としてもよいことになり、ミズキとは関わりが無くなってしまった。

枝振りの写真では 下から見上げているので、白っぽい葉の裏が写っている。

              葉の様子        2000.3.18

              表 と 裏        2000.3.18

               雌 花         2007.3.11
    ↑鋸歯の先端がトゲ状になっている。
アオキ属は雌雄異株なので、雄株もあるはずだ。
 
           若葉 と 出来たての実     2007.4.10
枝の先端に花が付くので、新芽はその脇から出てくる。

        成長した実  2010.10.17         色付いた実  2010.12.26
理学部による人工授粉の実験のお陰か 多くの実が生っているが、「アオキ」と掛け合わせた可能性も・・・・。  12月になって ようやく色付いてきた。


 
ビワバアオキの 位 置
F15 c ロウバイの奥

名前の由来  ビワバアオキ Aucuba eriobotryifolia

ビワバアオキ : ビワに似た葉を持つアオキ の意味
お世辞にもビワの葉に似ているとは言えない。「リーフパイ」のイメージである。
敢えて類似点をあげるならば、@表の葉脈が凹んでいる A裏が白い ぐらいであろう。
 
ビワバアオキの葉 ビワの葉

裏返しの葉は、手で押さえながら撮影したものである。

表の葉脈は凹み、裏側は出っ張っている。

種小名 eriobotryifolia : ビワ属のような葉の という意味
和名がビワバアオキとなった理由は、学名に「ビワバの」という種小名が付いていたためと思われる。

それがなければ、中国原産なので「シナアオキ」としたいところだが、これはAucuba chinensis という別種があり、すでに命名済みである。

Aucuba chinensis の一品種、という考え方もあるようだ。
 
Aucuba : アオキ( 青木 )属
1775年に長崎出島の商館医として来日し、江戸へ参府して将軍にも謁見したツュンベリーが命名したものである。
当時の呼び名 アオキバ(青き葉)に基づいているが、意図的にか、あるいは聞き違えたものか、「アオキバ」と「アウクバ」では綴りがかなり違う。

アオキ属はヒマラヤから中国、日本に3〜4種あり、A. japonica Thunb.
「アオキ」は日本固有の種である。
 
中国名 : 琵琶叶珊瑚  ビワバサンゴ
「叶」は、「葉」の簡略体。
中国でのアオキ属は「桃叶珊瑚属」で、Aucuba chinensis シナアオキを
桃叶珊瑚 と呼んでいる。 珊瑚は赤い実を指しているのだろう。
それに対して 本種は「ビワバ」であり、和名と同じ。 ビワバアオキは中国原産であるから、むしろ 中国名に倣って和名を付けた可能性もある。

ちなみに、
中国名「珊瑚樹、別名 早禾樹」は、和名「サンゴジュ」でこれも同じ。
 
ミズキ科 Cornaceae:cornu (角) に由来するといわれている
クロンキストの分類による。

一般的に角(ツノ)は硬いものであるが、ミズキの材は白くて柔らかく、東北地方のこけしをはじめとして細工物に使われる。
なぜ 「ツノ」に由来するのか、不明である。

ミズキ(水木)の名は、ミズキが地下からの吸水作用が強く、枝を切ると水がしたたり落ちることから名付けられた。
ミズキ ミズキの花と葉

 


毎年1段づつ背を伸ばし、枝は横に広がる。

別名 : ダンダンノキ、段々の木
 
ビワバアオキ ←
 アオキ Aucuba japonica Thunb. (1783)
日本原産で、北海道から沖縄まで広く分布している。

青い葉の色から 「青き葉」の名が付けられたが、現在の名は「葉」が省略されたものが「アオキ」となった。  葉だけでなく、枝や幹まで緑色をしているので 「青木」の漢字とも合っている。 中国名も「青木」である。

青木の葉は 皮質で薄くてツヤがある。

ビワバアオキ と アオキの葉を較べると、ビワバアオキの方が
  ・色が灰色を帯びている。特に裏は白い毛が多い。
  ・葉に厚みがある
  ・厚みがあるだけに歯牙の先端部分も硬く、刺状である。
  ・葉の大きさにもよるが、葉脈の数が多い
といえる。
 
アオキ 葉の様子 根元の様子


アオキは根元から何本もの枝が生える、叢生の傾向がある。

 
     アオキの花 2000.4.8 アオキの実

実の写真
コピーライト:春日健二
春日健二氏のホームページ
「日本の植物たち」から
 
左の写真は暗紫色の雌花が咲いているところである。赤い実が生るところから雌株が好まれるようだが、私はアオキは「パス」....である。
 
小石川植物園の樹木 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ