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科 名: | ツバキ科 Theaceae、チャノキ連 | ||
属 名: | ツバキ属 Camellia、チャノキ亜属 | |||
異 名: | Camellia assamica W. Wight(1962) ほか多数 |
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中国名: | 普洱茶 pu er cha | |||
原産地: | 中国南部、インド(アッサム)、東南アジア | |||
用 途: | 中国茶・紅茶の原料 | |||
備 考: | 花は芽鱗の腋につく |
チャノキの変種でとにかく葉が大きい。樹高も、より高くなるそうだ。 |
樹 形 2022.8.23. |
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ツバキ園の奥、この右後ろに「精子発見のイチョウ」、左側にトイレがある。高さ約 2.4m。 |
幹 |
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株立ち状になったのには 訳がある。 |
2011.1.5 → 2012.4.24 | |
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かなり大きく育っていたものが、風が原因なのか倒れ掛かり、上部が枯れてしまったもの。その後に根元から多くの芽が出て、復活を果たした。 |
冬 芽 2016.3.12. | |
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冬芽は典型的な「苞芽」である。 第三の冬芽 と言われる 苞芽 については 別途アップの予定。 |
春の同じ日に、異なる枝を撮ったもの。 左:前年の最後の高出葉として形成された「苞芽鱗片」が、全体を覆って冬芽を保護している。Aは最後の普通葉。 右:まるでサカキの冬芽(苞芽)のように、高出葉が弓なりになってついている。これは左のAに相当する最後の葉が、成長のタイミングで開くまでに至らなかったもの。その中に左と同様の鱗片がある。 |
チャノキとの葉の比較 2022.8.23. |
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黄色いのがチャノキの落ち葉で 長さ 6.5cm。アッサムチャの葉には大小があるが、写っている葉で16cm程度、大きいものは 20cmもある。葉腋に蕾が見える。 |
花のつく位置 2022.8.23. | |
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ツバキ属の花は、一般的に冬芽の芽鱗の腋に単生する。注意して見れば、すぐに葉腋ではないことに気が付く。 特に 蕾が2個つく場合が分かりやすい(左写真)。もし葉腋に2個つくのなら「花序」になるが、実際には「側芽の第1芽鱗と第2芽鱗の腋」にそれぞれ単生している。 |
葉裏 と 蕾 2017.12.16. | |
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特に中肋が突出し、側脈も凹む。蕾は成長すると花柄を曲げて、下向きになる。萼片は5個、花弁は小さなものから次第に大きくなる。 |
花 2017.12.16. |
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周囲(外側)の花弁は緑や茶色を帯びている。花弁や雄しべが脱落すると、子房は萼に包まれる。 |
『植物の世界』によると、チャノキ C. sinensis と変種アッサムチャ C. s. var. assamica との主な違いで分かりやすいのは、 ・葉のサイズ ・雌しべの形状: 本種:太い花柱で先端は短く3裂 チャノキ:先端は深く3裂したり直角に曲がったり |
アッサムチャ | チャノキ |
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苞背裂開蒴果 2011.1.5. | |
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ほぼ1年後に熟すため、新たな花が咲いている。 子房は3室だが、右写真の果実では、成長した種子はひとつだけ。萼は最後まで残る。 |
アッサムチャの 位 置 |
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①: | C9 c | ● | 精子発見のイチョウの右、トイレの手前 |
名前の由来 アッサムチャ | |
アッサムチャ Thea assamica:最初の名称 | |
命名者 John William Masters (1792頃-1873) についての詳しい経歴は不明だが、1855年を中心に主にインドで植物の採取を行った。 本種の記載は 年刊誌『Agricultural & Horticultural Society of India』第3巻に寄稿した 「The Assam Tea Plant, compared with the Tea Plant of China」という9ページにわたる論文で。 |
別のページに「1839年に自身でアッサムに出かけた」と書かれている。当時すでに中国やアッサムで茶の栽培が盛んに行われており、中国茶とは明らかに異なる本種への命名を、「アッサム茶」としたのは極めて自然な成り行きだった。 |
属名 Camellia:人名による | |
キンカチャの「名前の由来」の項を参照のこと。 |
中国名 普洱茶 pu er cha: | |
プーアル茶は大昔から中国南部を中心に作られていた。 『Hojo』のホームページによると、その利用は主に少数民族によるもので、漢民族は飲まなかったそうだ。 つい最近の 2007年になって、雲南省の思茅市の名称が「普洱市」に改名された。その南が西双版納(シーサンパンナ)州で、共にプーアル茶の産地である。 |
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なお、チャノキの中国名は単に「茶 cha」。 |
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