ホンコンツバキ ? 香港椿
Camellia hongkongensis Seem. (1859)

ホンコンツバキを
まだ見たことがなく
使える写真が無い

 
科 名: ツバキ科 Theaceae、チャノキ連
属 名: ツバキ属 Camellia、ツバキ亜属
中国名: 香港山茶 xiang gang shān chá
原産地: 中国 広東省
備 考: GRIN でも種として扱われている。


10番通りの右手、園路から少し離れていたためにこれまで見逃していたので、名札を見つけて勇んで調べたのだが、残念ながらホンコンツバキではなかった。
一番の特徴である
  ・子房に毛がある
  ・花柱が元から3裂している
の どちらも違っていた。
真っ直ぐな柱頭 毛の無い子房 原図
右が ジーマンが 1859年に記載した論文の図である(図では花柱が4裂)。
花弁の形状や雄しべの状態も異なっている。
筒咲きの花 記載された原図
また、ホンコンツバキの葉はもっと細長く、鋭脚である。
「Synopsis of the Genera Camellia and Thea」
記載論文の図と、信頼できそうな『APG 原色樹木大図鑑 /北隆館』の花や葉の図を頼りに、検索した結果をチェックしたところ、岩手県大船渡市の「世界の椿館・碁石」の温室など、国内数カ所に ホンコンツバキがあることがわかったが、著作権の観点から使える画像はなかった。

 
ホンコンツバキの名札が付いているツバキ の 位 置
B9 c トイレの先、10番通り右側、塀際


名前の由来 ホンコンツバキ C. hongkongensis
 ホンコンツバキ:香港椿
和名、種小名、中国名とも、本種が香港島で発見されたため。発表論文には3株しかなかった と書かれている。
GRIN の野生地分布は「広東省」となっているので、香港以外でも見つかっているのだろう。
1859年、ドイツの植物学者 ジーメン (1825-1871) が『Transactions of the Linnean Society of London』第22巻に「Synopsis of the Genera Camellia and Thea」というタイトルの論文で記載した。

(後略、図は全出)
ジーメン自身も別の何人かの学者も、一度は ヤブツバキと考えたのだが、新たにたくさんのヤブツバキの標本などで検証した結果、新種として記載したもの。

小石川植物園の樹木 -植物名の由来- 高橋俊一 五十音順索引へ