コレクション

科 名 : ツバキ科 Theaceae
属 名 : ツバキ属 Camellia Linn. ( 1735 )
サザンカ Camellia sasanqua Thunb. ex Murr.

10番通り もみじのトンネルを抜けた右手の「ツバキ園」内には、各種サザンカや サザンカの園芸品種がある。 
また 2011年10月から始まった道路の拡張工事に伴って、御殿坂沿いにあったサザンカが西側(下の段)の塀沿いに、多数移植された。

サザンカもツバキ属の一種。 ヤブツバキやツバキの園芸種との大きな違いは、それぞれの 花弁 と 雄しべ が独立している(合着していない)事。 このため バラバラになって散る。 子房に毛があるのも ツバキとの違う点である。

子房の毛 (自宅のサザンカを切ってみた)


ツバキの園芸品種は別に取り上げている。
 
サザンカ の 位 置
B10 b 〜 C10 a ツバキ園奥、 精子発見のイチョウ横
 西側道路沿い 御殿坂の木が、広範囲にわたって移植された

園内にはほかにも、「サザンカ」の学名が付いているものや、名札のないものが多数ある。 ここでは 園芸品種の名前と「葉・つぼみ・花」のリストを掲載する。  スケールは一定していない。

サザンカ の 園芸品種
ツバキ園 内    五十音順
名称 葉・つぼみ・花
歌 枕
ウタマクラ

2011.11.15
雪月花
セツゲッカ

2011.11.15
雪 山
セツザン

2011.11.10
開くと 全体に花弁
が後ろに反り返る
千代鶴
チヨヅル

2011.11.15
つぼみの
淡いピンクがきれい
鳴海潟
ナルミガタ

2011.11.24
薄暗く高い所にしか
咲いていない
根岸紅
ネギシコウ

2011.1.29
富士の峰
フジノミネ

2011.1.25
『園芸植物大事典』によると、カンツバキの園芸品種


西側 道路沿い
2011年10月末から 11月にかけて、御殿坂沿いにあったものが移植された。

範囲が広いので 正門から奥に向かって の順とする。 場所はヤナギ池の手前から ユズリハまで と、間をおいて トイレの先から奥まで。 すべて塀に沿った位置である。 フリガナがないので、読みは暫定。 重複するものの写真は省略する。 名称欄にある日付は 花の撮影日。
結果的に移植が失敗したものが何本もあるが、2012年の夏の暑さにやられたのだろう。

名称 葉・つぼみ・花
沖縄山茶花
オキナワサザンカ

2011.12.22
場所はヤナギ池の
手前あたりから

バックが黄色いのは、イチョウの落葉
不二雪
フジノユキ

2011.11.24
2011.12.22
2013年のつぼみは極少ない
三国紅
ミクニコウ

2011.11.10
2012.12.9
佐保姫
サホヒメ

2014.2.26
開花は遅い

平開しない
花弁が反り返る
久留米白寒椿
クルメ
シロカンツバキ

2012.1.18
三国紅  前掲
名札無し
稲 妻
イナヅマ

2011.11.24
 ヤナギ池
 ラクウショウあたり
田子の月
タゴノツキ

2011.11.24
 フサザクラの隣

 2013年11月
 つる植物のために
    瀕死状態
藤 衣
フジゴロモ

2011.11.24
 2012年12月時点で
   衰弱気味
 2013年11月
 つる植物のために
    瀕死状態
雪月花  ツバキ園にもある
三国紅  前掲
快童丸
カイドウマル

2014.3.12
 ユズリハの隣
 2013年は
   つぼみ無し
 2014年開花
 なかなか良い
    この間 あいだが空く
鳴海潟
ナルミガタ

2011.11.30
   トイレの先


 ツバキ園にもある
三国紅  前掲
快童丸  2012年12月時点で
   枯れ死
日出の海
ヒノデノウミ

2012.1.18
2012年12月時点で
   瀕死状態
 1974年10月導入

 2013年11月時点で
   枯れ死
 
花大臣
ハナダイジン

2011.11.24
田子の月  2013年1月時点で
   瀕死状態
 2013年11月時点で
   枯れ死
明月 メイゲツ  2012年12月時点で
 枯れ死
雪月花  ツバキ園にある
桃 園
モモゾノ

2011.11.24
 1974年6月導入
御美衣
オミゴロモ

2011.11.24
旭の海
アサヒノウミ
 2012年12月時点で
   枯れ死
燭光錦
ショッコウニシキ

2014.1.21
 ハルサザンカ
銀 龍
ギンリュウ

2012.2.21
斑がはいってる葉は
 一部のみ
竜 光
リュウコウ

2012.2.21
斑がはいってる葉は
 一部のみ


名前の由来  サザンカ

サザンカ : Camellia sasanqua Thunb. ex. Murray
日本特産にもかかわらず、ツバキの中国名「山茶」の音 shan cha、あるいは サンサに「花」を付けた 「山茶花 サンサカ」 が転訛した名である。

サンサカ が発音しにくいために、山茶花 を 茶山花 に変えて サザンカとした という説もあるが、発音の変化が先で、文字は後からではないか?
 
Camellia 属 : 人名による
17世紀後半 チェコに生まれ、フィリピンで宣教活動と動植物の研究を行った Georg J. Kamel (1661-1706)を顕彰したものであるが、リンネは頭文字の K を としている。 ラテン語では K を使うことがほとんどないためであろう。
 
ツバキ科 Theaceae : 
ツバキ科の基準属は Camellia属であるが、科名は ツバキ属の チャ 茶 tcha から生じた thea が使われている。

中国ではツバキ属は 山茶属 あるいは茶属である。

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