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科 名: | ツバキ科 Theaceae、チャノキ連 | |||
属 名: | ツバキ属 Camellia、後生ツバキ亜属 | |||
原産地: | 中国中部、安徽省・浙江省・福建省・河南省・江西省・江蘇省 など | |||
中国名: | 毛花連蕊茶 mao hua lian rui cha | |||
用 途: | 矮性ツバキを作出するために栽培されるという。 | |||
備 考: | 本種はヤブツバキなどが属す ツバキ亜属とは異なる、後生ツバキ亜属に属す。 |
植栽場所 2022.3.3. | 樹 形 2022.10.27. |
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左:メインスロープの最初のクランクを過ぎた左側。 こんもりと繁ったヒサカキサザンカの陰に隠れている ▲。 右:道から離れた場所ではないので、近づけばすぐにわかる。 |
樹 形 2001.3.4. | 現在の樹形 2024.3.7. |
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左:20年以上前の姿。植え込みの中に入って、奥からメイン通路方向を見ている。この時は陽が差し込んでいた。右隣がヒサカキサザンカ(別掲)。 |
右写真:撮影方向が90度異なる。左側がメインスロープ。 奥のヒサカキサザンカが太く成長しているのに較べると、本種はほとんど変わらなく見える。フラッシュ使用。 |
幹 2024.3.7. |
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幹の太さは、二叉に分かれた上部で 約5cm。 |
葉 2022.8.25. | |
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枝は細く、葉は小さい。長さは大きいもので5cm程度。 |
花の様子 2001.3.4. |
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頂芽や多くの腋芽に花がつく。ひとつの芽にふたつつくこともある。 |
蕾 | 花 2001.3.4. |
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シラハトツバキの 位 置 |
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E14 d | ● | メインスロープ左側、植え込み内 |
名前の由来 シラハトツバキ Camellia fraterna | |
和名:シラハトツバキ 白鳩椿 | |
小さな花だが、よく開いた姿を鳩に擬えたものだろう。 2001年の時点では、植物園の名札に和名は書かれていなかった。 |
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中国名:毛花連蕊茶 mao hua lian rui cha | |
「連蕊茶」 は カメリア・クスピダタで、本種と同亜属、同じ節である。花弁に毛があるクスピダタのことになるが、本種の花弁が有毛なのかどうかは未確認。 | |
種小名 fraterna: 親近の | |
種の特徴を表すべき種小名に「近親の」は不適当だろう。 ハンスはなぜこの名を付けたのか? |
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Henry Fletcher Hance (1827–1886) はイギリスの外交官。中国各地の副領事、領事を務め、余暇に植物を採取した。 ハンスはフランスの雑誌『Annales des sciences naturelles. Botanique』シリーズ4 第18巻に寄稿した「Plantarum Novarum, potissime Chinensium 主に中国の新植物」218-219ページに記載している。 | Hance |
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当時 ツバキ属は Ternstroemiaceae モッコク科に属していた。 本種を 新種 sp. n. として記載。採取地は 福建省・福州のようだ。 |
219ページに解説があり、 C. caudata、kissi (トガリバサザンカ)、salicifolia (ヤナギバサザンカ)、assimilis (ユカリツバキ)= caudata に似ている。 sed (しかし) 以降にわからない部分があるが、「特に子房に毛がないことで」とあるので、これらとは異なる、ということだろう。 |
この記載から、ハンスが「近親の」を使ったのは、既知の4種(現在は3種)と似ているため、だと思われる。 |
頂芽や腋芽につく蕾が2個なので「兄弟の」の意味で名付けた、という説を見かけたが、蕾はひとつのことも多い。 | |
以下は ハンスが似ている、とした種。 |
参考:トガリバサザンカ C. kissi 、ツバキ亜属 | |
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花が小さくて数が多い点は似ているかもしれないが、葉はサイズ・質ともにまったく異なる。 |
参考:ヤナギバサザンカ C. salicifolia 、後生ツバキ亜属 | |
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本種と同じ亜属。花は杯咲き、葉は細長い。 |
参考:ユカリツバキ C. caudata 、後生ツバキ亜属 | |
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葉は これもかなり細長い。 |
属名 Camellia:人名による | |
キンカチャの「名前の由来」の項を参照のこと。 |
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