Eucalyptus sp.
名札 無し
科 名: フトモモ科 Myrtaceae
属 名: ユーカリノキ属 Eucalyptus (1788)
原産地: オーストラリア ?
備 考: トップの写真は折れて落下した大枝で真冬に咲いていたもの。
小石川植物園で名札が無い、ということは雑種の可能性もある。
 青いタイトルの写真は 10年以上前に撮影したもの。


①:樹 形     2024.2.28.
70番通り、74番杭の手前から。中央奥の上部に緑葉がついている高木がユーカリの木。高さ 約28m。
左の落葉樹はイタリアヤマナラシで、これも背が高く 約33m。

     雪 害          2013.1.17.
2013年1月14日に都心で8センチの降雪があり、植物園は大きな被害を受けた。ここでも大枝のほかに幹の前に中枝、道の奥には別の木の枝も落ちている。右が仮称「カワセミ池」。
右写真の、大枝の基部には紐状に剥離した樹皮が残っているが、先の方では完全に剥がれ落ちている。材が捩れている印象がある。

切断面
中枝の心材は多少 ピンク色を帯びていた。

樹 冠             2024.2.28.
真上を見上げる。圧倒的な高さ。
堅皮性 ironbark
枝先では剥がれるものの、幹はかなり高いところでも樹皮が残って縦にひび割れている。上の段の セキザイユーカリ とは異なり、樹皮が剥がれにくい ironbark 堅皮性のようだ。
なお、左右の写真で見ている向きが異なる。


幼 葉 成 葉          2013.1.17.
左:



中、右:
地際から伸びている柔な枝(ひこばえ)を手で持って撮ったもの。実生時と同じ対生葉序で無柄。葉腋から同時枝(側枝)が出ているが、実生時に同時枝を伴うかどうかは未確認。
折れた大枝の成葉で、通常の互生葉序。有柄で上の段の「セキザイユーカリ」よりも葉が長く、基部は楔形が顕著。

花序のつく位置 と 花
花序のつく枝           2013.1.17.
撮影は1月で年を越したため、花序のつく枝は前年枝となる。
前年枝には花序と葉があるので、冬芽は「混合花芽」だったことになる。3年生枝の多くの枝で、茎頂付近から4本の花序枝を出していた (印)。頂芽が伸び出しているか、それとも茎頂脱落かは未確認。
勢いのある枝では、少し下(枝垂れているため写真では上)の節からさらに2本が伸びている(部)。
その長い花序枝の先の方では普通葉の腋に花序がつくが、基部寄りでは葉がついていない (次の写真 右側)。
花序のつく位置            2013.1.17.
左:
右:
花序枝の先のほうでは普通葉の腋につく。
枝の下位の花序には普通葉がない。恐らく微少の低出葉の腋についたもので、脱落痕と思われる跡が わずかに残っている。カリプトラ(萼片と花弁が合着したキャップ)の形状は、低い円錐形。

蕾 と 開花 展 開
左:
右:
蕾内では雄しべは内側にたたみ込まれている。
キャップが外れて雄しべが開くと、中央の雌しべが見えるようになる。


 
ユーカリ sp. の 位 置
写真①: F8 c 70番通り、ラクウショウを過ぎた右側
別掲載: D15 a セキザイユーカリ、裏門への道の管理地内


名前の由来 ユーカリノキ Eucalyptus
 属名 Eucalyptus: ギリシア語 eu + kalyptos
euは「よく well」あるいは「よい good」、kalyptosは「覆う、隠す」で、well covered の意味。
ユーカリ類の蕾は、萼と花弁が癒合して蓋(キャップ)の形になっていることにちなむ。
 和名 ユーカリノキ属
学名 エウカリプツス が変化した「ユーカリ」に「木」を付けたもの。「 ~ノキ」とつく和名は数多くあり、通常は「の木」を付けないとほかのものと混同してしまうケースが多く、「タコノキ」、「タラノキ」、「ハナノキ」、「ベニノキ」と、枚挙にいとまがない。その点ユーカリは、単独でもよさそうに思えるのだが・・・。

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