名前の由来 フウ Liquidambar formosana |
和名 フウ : 中国名の音読み |
中国名 : 楓 または 楓香樹 |
発音は Feng 、 または Feng - xiang - shu
「楓」をカエデと読むのは日本でのことで、葉の形が似ているうえに紅葉するところからか、「カエデ(意味は蛙手)」に 楓 の字を当ててしまった。
中国故事や漢詩に出てくる「楓」は本種 「フウ」のはずである。 |
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種小名 formosana : 台湾の の意味 |
原産地のひとつ を表す。
では、なぜ台湾のことを「Formosa」と呼ぶか。
英語の辞書『英辞郎』によると、
「15世紀に船から台湾を見たポルトガル人が イラ・フォルモサ!( Ilha Formosa !=美しい島 ) と叫んだことから」ということである。
植物の学名では、多くの種小名に使われている。 |
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Liquidambar フウ属 : |
ラテン語 liquidus 流体の + アラビア語 ambar 琥珀 の合成。フウ属の ある種から、芳香のある樹脂が採れることから。 |
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マンサク科 Hamamelidaceae : |
花の形や実の形が異なる属が含まれる科で、フウ属、マンサク属のほかに、トサミズキ属、マルバノキ属、イスノキ属などがある。
APG分類の考え方以前から、マンサク科の中の「フウ亜科」を独立させて、「フウ科 Altingiaceae」とする考え方があった。 |
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マンサク Hamameris japonica |
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2月25日 小石川植物園 |
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折りたたまれていた花弁に 皺が残っている。
マンサク属はフウ属とは違って、ひとつの花に雄しべと雌しべがあり、4枚の花弁もある。
マンサクの由来には2つあって、
@ まず咲く の意味
A 満作 の意味
と、まるで異なる説である。 |
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「まず咲く」説は、開花が現在の暦で2月〜3月、つまり旧暦では正月を迎えてから「真っ先に咲く」、あるいは 葉が出る前に「まず 咲く」ところから名付けられた、というものである。
花に関しては「ウメ」の方が 早いように思うし、葉が出る前に咲く花と言えば「サクラ」だと思うのだが・・・。 |
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「満作」説は農民の「忌み言葉」によるものである。
春の山に早くから咲く花は美しいかも知れないが、マンサクはあまり実を付けないために、「シイナ花」と呼ばれた。「シイナ・粃」は実の入らないモミのことで、「凶作」に通じるということから嫌われて、反対の言葉である「満作」になった、というものである。
イネとは直接関係がないが、「アシ」が「悪し」に通じることから、「ヨシ」という別名が付けられている例もあるので、十分にあり得ることである。 |
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参考 トウカエデ |
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フウの葉の形は、カエデ属の中ではトウカエデがよく似ている。
こちらも、中国東部 と 台湾が原産である。 |