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科 名 : | エゴノキ科 Styracaceae | |||
属 名 : | エゴノキ属 Styrax Linn. (1818) | |||
別 名 : | オオバジシャ | |||
中国名 : | 玉鈴花 yu ling hua | |||
原産地 : | 日本全国。 朝鮮半島、中国 | |||
用 途 : | 庭木、公園樹として植えられる。 器具材。 |
ずっと以前には 売店近くの管理地横に大きな木があった。枝が枝垂れて園路に張り出していたが、いつの時か伐採されてしまった。弱っていたようには見えなかったのだが・・・。 現在は その管理地内に二本と 分類表本園(トップの写真)にある。 |
かつての光景 2001.4.28. |
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こんなすてきな光景と香りが楽しめた・・・。右奥が売店。 |
①:管理地内 2011.10.12. |
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白い名札が付いているのがハクウンボクで、奥のイロハモミジ側は枝が少ない。手前は剪定されているようだ。 |
①:冬の姿 2013.1.9. |
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前掲写真とは 90度違う角度から。 |
②:もう一本のハクウンボク | |
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![]() 50番通り。売店下の標識51番から、管理地の柵に沿って北方向へ。 柵のすぐ近くで、岩にへばり付いている。 |
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落ちた種からの実生が大きくなったものだ。幹は20センチぐらいの太さがあるが、周囲に木が多いので苦戦している。 |
自然樹形 2013.1.5. |
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筑波植物園。高さ10m弱で、もっと大きくなりそうだ。 |
幹の様子 2000.6.11.. |
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北大植物園、太さの記憶はなくなってしまった。 成長の度合いが少ない場合は全体に灰色だが、急に幹が太ると細かな割れ目ができる。 |
枝の様子 2013.1.8. |
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対生に付く葉ごとに 枝がジグザクになっている。 |
様々な 幹・枝の表情 2013.1.5. |
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筑波植物園の冬。 まず 太い枝の樹齢はわからないが、まだ若くて平滑、黄土色。↑ 次に 細い枝に付けた符号、①は 昨年伸びた一年目の枝、②は ▼より下が二年目の枝を示す。 一年目の枝は赤い樹皮に包まれている(①a)。一年目の樹皮だけは特別で、冬にそっくりはげ落ちる。(①b)が剥げかけた状態で、すべて取れたのが (①c)である。 |
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二年目以降はこのようなことはなく、枝が太ると表面に細かな割れ目ができる。 |
葉の様子 2011.7.1. |
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若 葉 2013.4.8. |
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粗い毛は すぐに落ちる。つぼみも同時に出てくる。 |
つぼみ 2013.4.8. |
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花は 初めは均等に四方に向いているが、後で下向きになる。 |
葉の裏は白い 2009.5.8. |
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詳しく観察をしていないが、星状毛があるそうだ。大きい葉は 長さ20センチ以上となる。部分的に尖る(歯牙状と呼ぶ)。 |
重なり合う葉 2001.4.28. |
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晴れた日に見上げると 薄手の葉が重なった部分が色が濃くなり、丸い葉に模様ができる。 |
花の様子 2011.5.4. |
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花序は 新しく出た枝の先端に付き、水平から少し下を向いて湾曲する。花の数は通常 20程度で下向きに咲くが、写真の花序には 23個の花が付いている。花弁は合弁花だが、深く5つに切れ込んで離弁花のように見える。 |
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雄しべは 10本。割と果実ができやすく、花は下向きに咲くのに 果実は上向きとなる。 |
若い実 2011.5.31. | |
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ふくらんだ果実 2011.7.1. |
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葉の裏と同じように、びっしりと短い毛が付いている。 |
たくさん落ちる種子 2008.2.8. |
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琵琶湖水生植物園で拾ったもの。果皮ごと落ちるものが多い。 希に ひとつの果実に2個の種子がはいる。 |
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複 芽 について | |
ハクウンボクの葉柄は基部が広がっていて (▼部)、冬芽を完全に包んでいる。 |
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落葉すると冬芽が見えるが、特徴的な「複芽」となっている。 |
側 芽 | 茎頂直下の側芽 |
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大きいものを主芽、小さい二つを「複芽」と呼び、枝に対して縦に並んでいるので「縦生複芽」である。なお、茎頂は毎年脱落する。 主芽が痛んでしまった時に、代わりに複芽が伸び出す。 |
伸びた複芽 |
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▼が 折れてしまった主芽。 ↓枝の先方向 |
複芽で有名?なのが、ジャケツイバラである。 |
ジャケツイバラの縦生複芽 2012.4.6. |
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とても「葉腋」とは言えないような離れた場所。両方ともこれから咲く花芽だが、まず大きい方が伸びて咲く。 |
ケヤキの小枝 2013.1.20. |
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並生複芽 | |
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ハクウンボク の 位 置 |
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● | 過去に生えていた木 | ||
写真①: | E11 b | ● | 管理地内 |
写真②: | F10 c | ● | 50番通り 右側 管理地内すぐのところ |
写真③: | E10ac | ● | 分類標本園 井戸側 4列目 左端 |
名前の由来 ハクウンボク Styrax obassia |
ハクウンボク 白雲木 : 花の咲く様から | |
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種小名 obassia : 大葉萵苣 に由来 | |||||||
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← チシャノキ(エゴノキの別名) | |
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エゴノキの 花と葉 2004.5.13. | |
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属名・科名 Styrax 属 : はっきりせず | ||
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植物の分類 : | APG II 分類による ハクウンボク の位置 |
エゴノキ科は、クロンキストの分類ではバラ亜鋼よりも前に位置付けられた「カキノキ目」にあったが、APG分類では ずっとあとから分化した場所に変更された。分類された「ツツジ目」そのものも、以前はエゴノキ科と近い位置にあった。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
以前の分類場所 | カキノキ目 | アカテツ科、カキノキ科、エゴノキ科、ハイノキ科 | |||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱: | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群: | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
アオイ群: | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱: | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
ツツジ目 | サガリバナ科、ツバキ科、サカキ科、カキノキ科、エゴノキ科、など | ||||||
エゴノキ科 | ヘイルジア属、アサガラ属、エゴノキ属 | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群: | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) | ||
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