名前の由来 ハナニラ Ipheion uniflorum |
ハナニラ : 花の美しいニラ |
葉や鱗茎に、同じユリ科の「ニラ」のような臭気があり、花は大型できれいなところから名付けられた。
ただし、ニラはネギ属で別属である。
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種小名 uniflorum : 一輪の花の という意味 |
一つの花茎に一つだけ花を付けるため。 ニラはネキ゜属で多くの花を付ける事との対比かも知れない。
まれに2花が付くことがある と事典にあるが、見たことがない。
種小名を尊重すると、「ニライチゲ 韮一華」となろうか。
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Ipheion 属 : |
ギリシア語ということであるが、意味は不明。
「イフェイオン」 という語感からは、ギリシア神話の女神の名前がイメージされる。
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ハナニラを Tristagma属に含めて、学名を Tristagma uniflorum Traub. (1963) とする考えがあるが、参考にしている3つの事典にならって、Ipheion属とする。
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ユリ科 Liliaceae: |
ユリ といえば 白。 でも 「カサ・ブランカ」が由来ではありません。
世界でもっとも古くから栽培されていて、キリスト教のマリアのシンボルでもある、マドンナ・リリー (Lilium candidum) に付けられたギリシア名 leirion と同じ意味を持つ、ラテン古名が lilium であったことによる。 |
『園芸植物大事典』 |
ケルト語で li が白の意味を表す。
ユリはかなり寒い地方も含めて、広く世界中に分布しており、日本では 古事記や日本書紀にも登場している。
ところが、百合の花の色は、白のほかに 黄・橙・朱・赤・ピンクなどがあり、人によっては「白」というイメージではないかも知れない。 |
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ハナニラ |
← ニラ 韮 Allium tuberosum Rottl. ex Spreng. |
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パキスタンから印度、東南アジア、中国に分布し、日本にも古くから伝えられて、体に良い おいしい野菜として利用されている。 |
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ニ ラ (写真 : Wikipedia より) |
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ニラ は古代には「ミラ」、「カミラ」、「ククミラ」、「コミラ」などと呼ばれており、「ミラ」 が 「ニラ」に転訛したものである。
残念ながら「ミラ」の意味は不明である。 |
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韮の葉は長く、また立ち上がるのに対して、ハナニラの葉は黄味がかっていて柔らかく、地面を這うように伸びる。
ニラと違って毒があるために、食べると下痢をするそうだ。
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ハナニラの葉の様子 |

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