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科 名 : | モクレン科 Magnoliaceae | |||
属 名 : | モクレン属 Magnolia Linn. (1735) | |||
異 名 : | M. hypoleuca Sieb. & Zucc. (1845) | |||
古 名 : | ホオガシワ | |||
英語名: | Japanese whitebark magnolia | |||
原産地 : | 日本全国 | |||
用 途 : | 材は均質で軟らかく加工しやすい。収縮や反りが少ないため、刀の鞘・ピアノの鍵盤・下駄の歯・製図板・金銀研磨用の炭などに使われた。 葉にミソを塗って火であぶる「朴葉味噌」は、葉の香りを楽しむもの。 |
園内では崖地やその付近に数本があるが、周囲に木が多いために全体像を撮るのは難しい。 また 高く伸びた状態で下枝が少ないために、花を間近に見ることもできない。 ほかの場所で撮影した写真も交えて掲載する。 |
@ : 樹 形 2012.4.18 |
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春の芽吹き。 2012年は平年より遅かったと思われる。 |
2012年6月 台風被害 | |
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6月18日夜中の台風で 上の写真 左側上部の幹が折れ、北側のフェンスを直撃した。 19日 火曜日は臨時休園となって すぐに片付けられ、曲がった金網だけが衝撃を物語っている。 |
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冬 芽 2012.1.18 | 開葉準備 2011.4.17 | |
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青灰色の鱗片。 長さ 約 8cm。 | 鱗片が剥けると次は托葉。 |
落ちている鱗片を枯れ葉に乗せて 2012.4.18. | |
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茶色いのが 鱗片の内側。 鱗片も じつは托葉に由来するもの。 先端が2つに割れているのが それを暗示しており、短い葉柄もある。 葉身は退化していることが多いが、はっきりとした 落ち跡がある。 |
薄い托葉 2011.4.17 | |
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托葉は 次の葉とその次の芽を包んでおり、じきに落ちる。 右の写真でいうと、第一葉の托葉 @’は、第二葉 A と A’に包まれた第三葉以降をすべて包んでいた。 鱗片だけは一定期間落ちずに残る。 |
新葉には白い産毛 |
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枝の先だけに付く葉 2011.6.16 |
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擬 輪 生 2007.5.12 |
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日の光を無駄なく受ける工夫。 9枚の葉が ほとんど重ならずにまるで輪生のように並んでいる。 実際は互生なので、「擬輪生」という。 神戸森林植物園で、ちょうど崖下にあった葉を真上から。 |
A : お互いを生かす「互生」 2012.5.10 |
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弱った木の根際から生えているひこばえの葉。 葉の数は6枚。 |
A : 葉の裏は青白い 2012.5.30 |
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A : 震災記念碑近くのホオノキ 2011.6.11 | |
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ほとんど枯れた幹▲の他に、2本ある。 |
B : 下の段のホオノキ 2012.5.16 |
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島池の右側を通る 40番通り。 標識45番の手前右側に 紅葉が美しいメグスリノキがあるのだが、その隣に生えている。 この木に花が咲いていたが、はるか高い所だった。 |
2012.5.16 |
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筑波植物園の花 2011.6.4 |
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直径20cm程度。 日陰に咲いていたもので写真の露出がうまく合わなかった。 事典によると花弁は 6〜9枚。 この花は8枚。 一番手前のうす茶色のものは 3枚の萼片の一枚。 次の写真では、3枚の萼が垂れ下がっているのが よくわかる。 |
甘いかおり 2007.5.12 | ||
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神戸森林公園。 同じ属のタイサンボクとの大きな違いは、雌しべが赤い事と、花弁の形が細長く、葉が軟らかくて艶がない。 もちろん葉の形も違う。 | ||
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若い実 (筑波植物園) 2012.7.7 |
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2011.7.5 若い実 | 赤くなってきた実 2002.9.14 |
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左は植物園で落ちていたものをベンチに乗せて撮ったもの。 右は長野 戸隠植物園で。 |
大きな落ち葉 2010.12.2 |
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落ちても裏は 白のまま。 |
ホオノキ の 位 置 |
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写真@: | E11 d | ● | 標識51番から上に上る階段の途中、右側 |
写真A: | D6 c | ● | 震災記念碑 標識35番から梅林の上に下りるスロープの左側 |
D7 c | ● | 30番通り 標識34番と35番の 中間左側 | |
写真B: | E8 b | ● | 40番通り 標識45の手前 右手。 メグスリノキの隣 |
名前の由来 ホオノキ Magnolia ovovata | |||||||||||||||||||||
ホオノキ 朴の木 : |
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種小名 ovovata : 倒卵円形の の意味 |
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モクレン科 Magnoliaceae : 人の名前に由来する |
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植物の分類 : | APG II 分類による ホオクキ の位置 |
花の各器官は「葉」が変化したものと考えられている。 モクレン類は 1本の軸の周りに「花弁・雄しべ・雌しべ」が多数付く花の構造が原始的であり、早くに分化した、原始的な植物とされている。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類) : | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、ヘゴ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
モクレン目 | ニクズク科、モクレン科、バンレイシ科、など | ||||||
モクレン科 | モクレン属、ユリノキ属、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、イネ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱 : | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群 : | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
アオイ群 : | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱 : | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群 : | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) |
小石川植物園の樹木 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ |