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科 名 : | バラ科 Rosaceae | |||
属 名 : | キイチゴ属 Rubus Linn. | |||
原産地 : | 本州、中部地方以北 | |||
用 途 : |
実は生で食べられておいしいので、昔は 子供たちのおやつだったそうだ。 |
崖の下に沿った 60番通り右側、メタセコイアの反対側。 崖下の側溝に沿って、いくつかの株が生えている。 |
@ : 春の60番通り 花が咲いている 2007.3.27. |
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左から伸びる木の影が メタセコイア。 木の高さは どれも 1m 50センチ ぐらい。 ほかに 分類表本園にも植えられている。 キイチゴ属は、ひとつのシュートに注目すると、その寿命は二年未満で、樹木としては極めて短い。 一年目に主軸と側枝を伸ばし、二年目に花を付けて その冬には枯れてしまう。 年輪もできない。 |
伸び出した新梢 2015.3.25. |
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長さ 約 20センチで アスパラガスのようだが、どんどんと伸びるのだろう。 |
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一番下が 2年前に出た枝で、冬の間に枯れたもの。▲は新梢。 |
新 緑 2014.5.24. |
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垂直に1メートルほど伸びた後はカーブを画く。 |
A : 分類表本園 2014.5.24. |
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右の畝の一番奥が モミジイチゴで、その手前に「ホソバモミジイチゴ」が並んでいる。 場所は売店側から9列目、養生所の井戸に向かって左側。 |
A : 根元の様子 2014.5.24. |
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黄緑色が今年出た枝で、茶色いのが昨年のもの。 それ以前の枯れた枝が見あたらないのは、毎年剪定されるためだろう。 |
@ : 枯れた 3年目の枝 2014.5.24. |
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A : 一年目の新梢 2014.5.24. |
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この個体の幼葉は真っ赤、枝も赤味が。 枝にはバラのような刺がある。 |
葉のサイズの違い 2014.5.24. |
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大きい葉が 一年目の枝に付くもの。 長さ 10 〜 13センチ程度。 二年目にその腋から出る葉は とても小さいが、形状は ほぼ 相似形。 |
一年目の枝の上部には 引き続き 多数の側枝 が出る 2014.5.24. | |
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主軸がまだ伸び続けている時期に側枝が出るので、「同時枝」である。 |
二年枝の芽出し 2012.3.12. |
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ほとんどが花芽となり 一箇所に ひとつの花が付くが、ここでは つぼみはまだわからない。 別の枝では はっきりと見えていた。 葉の数は 2 ・3枚。 |
つぼみ 2012.3.12. |
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ぶら下がる 花 2011.3.27. |
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バラ科の花 2011.3.27. |
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キイチゴ属の場合は、花弁 萼は5枚、雄しべ 雌しべは多数、イチゴ類と違って花床は肥大せず、集合果となる。 |
A : 実の様子 2014.5.24. |
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以前に 郊外で見かけた時に食べたことがあるが、甘かった。 しかし育ちが悪く、皮と種子がたくさん残った。 斜面にある @の数株には、実が生らない。 いつも萎れた花がいくつも残っているだけ。 |
2014.5.24. |
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モミジイチゴ の 位 置 |
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写真@ : | F12 c | ● | 60番通り右側、メタセコイアの所。 数株。 |
写真A : | ● | 分類表本園。 売店側から9列目、井戸に向かって左側 |
名前の由来 モミジイチゴ Rubus palmatus var. coptophyllus | ||
和名 モミジイチゴ : 葉の形状による |
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モミジイチゴ(一年目) | イロハモミジ | ミネカエデ |
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変種名 coptophyllus : 分裂葉の | |||||
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種小名 palmatus : 掌状の |
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キイチゴ属 : |
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Rubus 属 : | |
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キイチゴ と イチゴ |
草本のイチゴ と 一応 木本(もくほん)のキイチゴ。 バラ科バラ亜科の中では少し離れた位置に分類され、ほかにも違いがある。 |
部位 | キイチゴ | イチゴ | 備考 |
形態 | 木本 低木 | 多年生 草本 | イチゴは蔓(ほふく枝)を出して増える |
刺 | 刺のあるものが多い | 刺は無い | |
萼 | 5枚 | 副萼がある | 5数性であることは 同じ |
胚珠 | 各心皮に2個の胚珠 | 各心皮に1個の胚珠 | 胚珠が二つあっても、最終的にできる種子は 各 1個ずつのようだ |
果実 | 花床は肥大しない 真果の集合体である |
花床が肥大する 偽果である |
イチゴの赤く熟して食用になる部分は「花床」 果実の大部分が果皮でないものを「偽果」と呼ぶ |
モミジイチゴは集合果 | イチゴの萼▼ と 副萼 | 花床の周囲に付く痩果 |
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外側の大きいものを萼とした。 下側の一枚は先が2裂している |
一見 種子に見えるが・・・ |
モミジイチゴの枝の伸び |
2015年春に、新梢3本の伸長の様子を およそ3日おきに計測した。 数値は地面からの長さ。 一日の伸びの量は、4月の平均で 約 4 cm 、5月になると急に遅くなった。 |
観察枝 | 3月 26日 |
4/4 | 4/15 | 4/21 | 4/30 | 5/4 | 5/12 | 5/19 | 6月 2日 |
一日平均の伸び量 | 備 考 単位:cm |
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3〜4月 | 5月 | ||||||||||||
A | 35 | 74 | 109 | 143 | 181 | 190 | 206 | 221 | 239 | 4.3 | 1.8 | 側枝は第40節 からの同時枝 |
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側枝 | - | - | - | - | 15 | 28 | 49 | 60 | 85 | 3.3 | 2.0 | ||
B | 21 | 60 | 91 | 118 | 159 | 170 | 184 | 189 | 200 | 4.1 | 1.3 | ||
C | - | 72 | 108 | 138 | 181 | 196 | 211 | 220 | 231 | 4.2 | 1.6 | ||
植物の分類 : | APG II 分類による モミジイチゴ の位置 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | ||||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | |||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | |||||||
大葉植物(シダ類) : | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、ヘゴ、オシダなど | |||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | |||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | |||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | |||||||
イチョウ類 : | イチョウ | |||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | |||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | |||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | |||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | |||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、イネ、ツユクサ、ショウガ、など | |||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | |||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | |||||||
バラ目 群 : | ||||||||
バラ亜綱 : | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | |||||||
以前の分類場所 | バラ目 | トベラ科、ベンケイソウ科、ユキノシタ科、バラ科、など | ||||||
マメ 群 : | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | |||||||
バラ目 | バラ科、グミ科、ニレ科、アサ科、クワ科、イラクサ科、など | |||||||
バラ科 | モモ属、サクラ属、リンゴ属、カリン属、バラ属、キイチゴ属、など | |||||||
アオイ群 : | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | |||||||
キク目 群 : | ||||||||
キク亜綱 : | ミズキ、ツツジ、など | |||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | |||||||
↓ | キキョウ群 : | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | ||||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) | ||
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