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APG分類: | バラ目 ニレ科 Ulmaceae | |||
旧科名: | イラクサ目 ニレ科 | |||
属 名 : | ケヤキ属 Zelcova Spach (1841) | |||
nom. cons.(もとはイラクサ科に定義) | ||||
英 名 : | Japanese zelkova, Japanese elm | |||
別名、古名 | 槻 ツキ | |||
原産地 : | 本州、四国、九州。 朝鮮半島、台湾、中国 |
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用 途 : | 広葉樹として日本の代表的な有用樹。 防風林として屋敷に植えられ、街路樹としては東京の表参道、仙台の青葉通りが有名。建築構造材、仕上げ材、家具、椀、太鼓などに使われる。 |
植物園には色々な場所に何本かのケヤキの大木があるが、それが植えられたものなのか、樹齢がどのくらいなのかはわからない。 大木には およその樹齢を表示しておいてくれるとありがたい。 メインの坂を上って、上の段から園を一周する順で掲載する。 |
①:折れた ケヤキの大木 | できた空間 2012.6.26. |
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2012年6月19日の台風4号。場所は41番通り 薬園保存園の手前左側で、目通り長径90センチもある大木である。写真を撮ったのは台風の一週間後だったので、ほとんど片付けられた後である。 |
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この木は 高さ3mぐらいの所が腐って空洞になっていたために折れてしまったもの。枝が1本残っているので枯れ死はしないが、幹の腐れが進むだろう。 夏前だというのに、この台風で ほかにも何本かの被害があった。 |
2011.1.5 ③②:10番通りの大木 2012.10.20 | |
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精子発見のイチョウを過ぎてすぐの所。ほぼ同じサイズの姿の良い2本が並んでいる。中央 (②)の高さは 約 22m。 右端はフクロミモクゲンジ。 |
③:別の角度から 2012.3.30. |
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10番通りの奥から トイレの方を見ている。高さは 約 23.5m。 |
④:日本庭園 2011.4.9. |
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日本庭園西側の塀沿いに、12本のケヤキが並んでいる。博物館の敷地の4本を加えると、全部で16本。大木 とは言えないかもしれないが、17~19mと
かなり大きい。芽の出始めは赤褐色。 |
④:新緑の様子 2011.4.9. |
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④:道路から 2011.9.27. |
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敷地削減準備で 道路側の枝が剪定された。写真は剪定前。 |
⑤:美しい新緑 2012.4.18. |
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ケヤキの葉はしなやかだが、新しい葉が出てくる時はさらに柔らかく、優しい雰囲気だ。 |
⑥:70番通りの大木 2012.3.13. |
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右手前の裸木が 早春の姿。正門近くのトイレから間もないところ。 |
幹の様子 2011.1.25. |
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幹は かなり太くなるまで平滑だが、さらに大きくなると 樹皮が部分的にはげ落ちるようになる。 |
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赤茶色の部分が 新しく剥げた部分。 |
ケヤキの花に関しては 植物園では高いところにしか咲かないため、福岡教育大学の福原先生の教材写真から4枚を お借りする。先生からは利用許可をいただいている。 |
ケヤキの開花状況 2011.4.11. |
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雄花群 と 雌花 (右) 2011.4.11. |
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新しい枝の元の方に雄花が付き、その先に雌花が付く。 |
雄しべの葯 | 雌花の柱頭 |
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どうやってこのようなクローズアップ写真を撮るのだろうか。 絞り込んでシャッタースピードを長くする。それだけでできる話ではない。 |
韓国 東大邱の街路樹 2011.10.14. |
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ケヤキの果実 2011.10.14. |
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旅行中 しかも雨模様だったが、偶然に 初めて実を見ることができた。フラッシュ使用。サイズは小さく4ミリ程度。扁平でいびつな形である。 |
落ち枝と 果実 2012.11.14. |
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植物園の大木の下を探しても、なかなか果実が落ちていない。家の近くの小公園で、落ちていた枝に果実が付いているものを見つけた。 もし 早くに落ちた枝だと、実が入っていない可能性がある。 |
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乾燥して サイズはわずか5ミリほど。突起は柱頭の跡だろうか。 |
ケヤキの 位 置 |
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写真①: | E12 d | ● | 40番通り左側、林の中 |
写真②: | B8 b | ● | 10番通り左側 |
写真③: | B8 b | ● | 10番通り左側 |
写真④: | F3-4 | ★★ | 西側塀沿い 計14本 |
写真⑤: | E11 d | ● | 標識51番から上る階段の左側 |
●● | コクサギ坂の右手に 合計6本ほどのケヤキがある | ||
写真⑥: | F14 b | ● | 70番通り 左側(塀側) |
名前の由来 ケヤキ Zelcova serrata |
和名 ケヤキ : | ||
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和名 欅 : | ||||||||
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古名 ツキ 槻 : |
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種小名 serrata : 鋸歯のある という意味 |
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Zelcova 属 : | ||
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ニレ科 Ulmaceae : |
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トピックス 樹皮さまざま |
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ケヤキの幹は 左側に伸びている壮年の枝 (基部で約25センチ) のように、少しぐらい太くなっても平滑だが、大木は鱗状に樹皮が剥がれる。ところが ⑤のケヤキと近くのもう一本は 剥げにくい性質を持っており、部分的に樹皮が厚く残っている。 |
⑤:まだらに残る樹皮 | |
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全体的に残るのならまだしも、黒くて汚らしい。 マツやクスノキに代表されるような幹の表面が割れるタイプは、樹皮が落ちずに長く残るためである。割れが生じるのは幹が太くなるに従って、細い時にできた樹皮が裂けるためだが、その大きさ・割れる方向・形、樹皮が落ちる頻度で、様々な模様になる。 |
大きく深いクロマツ | 細かなクスノキ |
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一般的には 形成層▼で 内側と外側の両方が成長して、内側は「材」、外側は「靱皮」となる。日本では 四季の影響で材に年輪ができるように、靱皮側にも「層」ができる事が多い。靱皮が死んだものが「樹皮」である。 |
クロマツの切り株 | 樹皮の「年輪」 |
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筑波植物園のクロマツ。直径45センチ、樹齢 約50年。 右の写真では14層が剥がれずに残っている。毎年剥がれるのがサルスベリであり、比較的短いサイクルだと思われるのがスズカケノキやカゴノキである。 |
モミジバスズカケノキ | カゴノキ |
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まだらになる原因は、「サルスベリのように均一な樹皮ができず、部分的であるため」だそうだ。 |
植物の分類: | APG II 分類による ケヤキ の位置. |
クロンキストの分類でのケヤキは、マンサク亜綱・イラクサ目・ニレ科 に位置していたが、APG分類では全く違う位置、「マメ群・バラ目」の中に移っている。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
以前の分類場所 | イラクサ目 | イラクサ科、アサ科、クワ科、ニレ科、など (イラクサ目はなくなる) |
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ニレ科 | ケヤキ属、ニレ属、エノキ属、ムクノキ属 (バラ目に移動↓) | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱 : | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群 : | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
バラ目 | バラ科、クロウメモドキ科、ニレ科、アサ科、クワ科、など | ||||||
ニレ科 | ケヤキ属、ニレ属 | ||||||
アオイ群 : | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱 : | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群: | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) |
小石川植物園の樹木 -植物名の由来- 高橋俊一 五十音順索引へ |