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科 名 : | ホルトノキ科 Elaeocarpaceae | |||
属 名 : | ホルトノキ属 Elaeocarpus Linn. (1760) | |||
中国名 : | 薯豆 shu dou | |||
原産地 : | 近畿地方以西、四国、九州 | |||
用 途 : | 同属のホルトノキは街路樹にも使われるが、コバンモチの利用はないのではないか。 |
上の段奥の 10番通りと 20番通りの間の常緑樹林。下枝はあるものの、梢は高くて 花や果実は見たことがない。トップの写真は紅葉して落ちた葉を並べた、苦肉の策。 |
①:樹 形 2012.4.24. |
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右側には木があり 左側が西なので、光を求めて斜めに生えている。 上部の枝は、周囲のタラヨウ・ヤマモモ・モッコク・カゴノキの枝と交錯しているため、下から順に追っていかないと コバンモチの部分がわからない。 |
根 元 2013.5.15. | |
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斜めになったためかどうかはわからないが、下部から根を出して、高くなった木を支えている。右側には 20センチ以上の2本の枯れた幹が残っている。 |
樹皮の様子 |
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縦の筋が少しだけ強いが、網の目のような割れ方をする。ある事典は これを「縮緬状」と表現している。 |
常緑樹 2013.4.24. |
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ひこばえが切られずにそのままになっているので、葉だけは手に取って観察できる。 |
紅葉して落ちる葉 2012.4.24. |
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新芽が伸び出す前から、古い葉が落ちる。真っ赤になるものばかりでなく、くすんでいるものもある。葉裏は橙色。落ちるのが前年に出た葉なのかどうかは確認していない。紅葉は一時期に集中するのではなく、少しずつ 長期間にわたる。そのため、樹上に赤い葉が点在していて美しい。 |
芽だしの様子 2013.5.15. |
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枝の先端の冬芽から 枝が伸び出す。 |
軟毛が付く 2013.5.15. | |
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極めて浅い鋸歯のある葉には、わずかに産毛が付いているが、すぐに落ちる。葉そのものには光沢がある。 |
展開して成葉となった葉 2012.6.5. |
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事典によると、花序は前年枝の先端附近の葉腋から出る。同属のホルトノキは両性花が咲くが、『樹に咲く花』には「雌雄異株」とあるので、この木が雄株の可能性もある。 果実が落ちているのを見たことがないのは、そのためかも知れない。 |
花の写真がないので、ホームページ「おきなわカエル商会」を主催している 小原祐二さん に了解を得て、お借りした。沖縄本島北部の やんばるの森 で4月上旬に撮影したもの。 |
花序の様子 |
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花の詳細 |
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前掲2枚の写真撮影、著作権は 小原祐二氏。コピー・転載禁止。 ホルトノキに較べると萼が丸く、花弁が小さめで黄緑色が強い。 |
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コバンモチ の 位 置 |
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写真①: | B5 cd | ● | 10番通り左側 |
名前の由来 コバンモチ Elaeocarpus japonicus |
和名 コバンモチ : 小判 + 黐 ? | |
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![]() モチノキ |
+ | ![]() |
コバンモチ | |
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参考 : コバンノキ 小判の木 | |||||||
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種小名 japonicus : 日本の | |
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ホルトノキ属 : ポルトガルの木 | |
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ホルトノキ 花 | ホルトノキ 実 |
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Elaeocarpus 属 : オリーブの実 | |
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植物の分類 : | APG II 分類による ホルトノキ の位置 |
クロンキストの分類で、バラ目よりも前にあった ツバキ目・アオイ目・ツツジ目・カキノキ目 などは、APG分類では大幅に位置が変更になった。なかにはキク亜綱にまとめられて「目」が無くなったものもある。 ホルトノキ科も 以前はアオイ目にあったが、APGではカタバミ目に入れられている。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
以前の分類場所 | アオイ目 | ホルトノキ科、シナノキ科、アオギリ科、パンヤ科、アオイ科 | |||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱: | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群: | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
カタバミ目 | カタバミ科、マメモドキ科、ホルトノキ科、ブルネリア科、など | ||||||
ホルトノキ科 | ホルトノキ属、プラティテカ属、テトラテカ属、など | ||||||
アオイ群: | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱: | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群: | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) | ||
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