アテツマンサク 阿哲満作
Hamamelis japonica  阿哲満作
  var. bitchunsis Ohwi (1953)
H. bitchunsis Makino (1916)
科 名: マンサク科 Hamamelidaceae
属 名: マンサク属 Hamamelis Linn.
原産地: 中国地方・四国(愛媛県)・九州
用 途: 植物園などで特別に植えられる
備 考: 初めの命名者 牧野富太郎は「種」としたが、後に変種とされた。

牧野富太郎が、現在の新見市黒髪山にある青龍寺旧本堂近くの株から 1914年に採取して作った標本をタイプとして、1916年に発表したもの。
当時は現在の新見市全体が阿哲郡だったため、和名をアテツマンサクとした。

一方で 学名は、昔の行政区分の名「備中産の」とした。
上図にカーソルを乗せると、備中国のおよその範囲をグレーで示す。


@:花期のアテツマンサク 2株    2015.2.25.
ボダイジュ並木は 10番と20番通りの間にある。来園者がよく歩く道で、アテツマンサクは独立しているのでよく目立つ。
写真は正門方向を見ている。10年前のもので現在はもう少し大きいが、低木であるために 年月が経っても高さは限られる。現在の樹高は 約4m。
2005(平成17)年に、1市4町が合併して新たに新見市が誕生した後、2008(平成20)年に新見市から送られたものだが、植物園での植栽は、これが初めてではないようだ。

初代?アテツマンサク    2001.2.25.
ほぼ同じ位置に植えられていた。株立ちではなく、基部は1本で相当に太い。写真を撮っておきながら、この木を見た記憶が残っていない・・・・。この個体は枯れてしまったものと思われる。
2001.3.4.
とてもよく咲いていた。

A:下の段にもある 2025.5.10.
70番通りの奥のトイレの先、道からはまったく見えず、周りにほかの木も多く、その存在を今回初めて知った。
写真は 2株植えられているうちの大きい方で、高さ3mほど。




.2017.12.16  短枝の花序 長枝につく花序  2017.1.12.
花序の小花の数は2〜4個。 右:マンサクやシナマンサクと違って、前年に長く伸びた枝の腋にも花序がついていた。
満 開        2011.3.13.
マンサク   2002.2.23.
前年に伸びた短枝の花。マンサクよりも黄色い印象。
黄色い萼片       2012.2.28.
その一番の理由は、萼片も同じ黄色だから。
葉が残ることも      2012.2.28.
この写真では 花弁が細いという特徴が表れている。


@:新緑の2株        2025.5.11.
まだ 展葉中       2025.5.10.
明るい色の2葉が 開いたばかりの葉。大きいもので長さ9cm。
@:来年の花の準備       2025.5.10.
伸長した長枝や短枝の葉腋に、小さな花序が成長しつつある。準備が早いからこそ、早くに花を咲かせることができるのか?。
葉 裏        2025.5.10.
マンサクに較べると白く、裏だけでなく表にも毛がある。
アテツマンサクの裏(左)と表
マンサク
マンサクの変種である本種の葉は、マンサクとは大いに異なる。マンサクの葉表は星状毛がなくてビロード状、また 葉裏も艶があってスムースである(右写真、拡大率は異なる)。
A:幼 果       2025.5.10.
一方で、果実の数は少な目。でも マンサクよりは多い。

A:黄 葉    2022.11.20.
11月下旬で、すでに上部の葉はほとんど落ちている。


 
アテツマンサク の 位 置
写真@: B6d ボダイジュ並木通りの左側
写真A:
 
F5ab
 

 
70番通りトイレの先の左側、塀の近
通路からは見えない

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