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科 名 : | ニシキギキ科 Celastraceae | |||
属 名 : | モクレイシ属 Microtropis Wall | |||
(1831) | ||||
原産地 : | 日本 | |||
備 考 : | 雌雄異株の常緑低木 |
初登場のニシキギ科、目の醒めるような赤い種子。ツルレイシ(ニガウリ)との関連で付けられたという和名、その由来の謎に迫る・・・。 |
@ : 樹 形 2012.1.25. |
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看板商品のひとつである サネブトナツメ (右の柵内) のすぐ隣。地際でふたつに分かれ、扇形となっている。高さ3メートル程度で、恐らく 雄株。 |
A : 奥の2本 2012.3.30. |
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名札の後ろが雄株、右側が 雌株。高さは3mぐらい。 |
A:雌株の幹の様子 2013.3.12. |
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地面から80センチの所、斜めになった雌株の太さは10センチ弱。 |
A:雌株の枝の様子 2013.3.12. |
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メインの枝は 水平に出ている。 |
葉の様子 2012.1.31. |
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ニシキギ科の中では一番シンプルで 艶やかな常緑の葉。つぼみが付いている。葉の長さは 5センチ前後。 |
つぼみの様子 2012.1.31. |
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花はの出方は「二出(二岐)集散花序」。二股に分かれるとともに 二股の中央部分にも付く。 |
花序の付く位置(雄花) |
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花芽は前年の枝 (赤茶色の枝) に付くが、一般的な葉腋 (写真の中央と右) のほかに、芽鱗の落ち跡 (▲印) からも出る。 |
雄 花 2007.3.2. |
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雌 花 2013.3.12. |
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雄しべもあるが退化している。 |
雌 花 2013.3.12. |
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この花の雄しべは 花弁化している。 |
青い果実 2012.8.9. |
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熟した果実 2003.12.27. |
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果皮は緑のままで裂け目ができ、やがてふたつに開いて落下する。 ▼は 落ちかけている果皮。赤い種子は翌年まで残る。すでに来春の花芽が大きくなっている。(開花は2月頃) |
モクレイシ の 位 置 |
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写真@: | B5 b | ● | 10番通りと20番通りの間、サネブトナツメの先 |
写真A: | B4 ac | ● | 10番通り右側 塀際の目立たない場所 |
名前の由来 モクレイシ Microtropis japonica | |
和名 モクレイシ 木茘枝 : |
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← ツルレイシ 蔓茘枝 Momordica charantia | ||
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ツルレイシ | レイシ(ライチ) |
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ツルレイシ 熟して落下した果実 | 赤い種皮 と 種子 |
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モクレイシの 赤い種子 2010.2.20. |
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ツルレイシのような 赤い種子が生るので、モクレイシ。 もう花が咲いている時期で、赤い種皮は水分がなくなりつつある。 ニシキギ科では 仮種皮が付く種が多いが、モクレイシの赤は「種皮」だそうだ。 |
種小名 japonica : 日本産の | |
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属名 Microtropis : | |
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ニシキギキ科 Celastraceae : | ||||||
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2007.5.19 葉 ツルウメモドキ 実 2008.11.2 | |
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植物の分類 : | APG II 分類による モクレイシ の位置 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱: | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群: | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
ニシキギ目 | ニシキギ科、カタバミノキ科 | ||||||
ニシキギ科 | ツルウメモドキ属、ニシキギ属、モクレイシ属、クロヅル属、など | ||||||
アオイ群: | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱: | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群: | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) |
色々な 仮 種 皮 |
モクレイシの赤い部分は 仮種皮(かしゅひ、かりしゅひ)ではないが、ニシキギ科や その他時々現れる言葉「仮種皮」とは何か? |
受精後、種子が完成するまでの間に、珠柄または胎座などが肥大して、種子全体を覆うまでに成長した構造。種衣(しゅい)とも。 |
糖質や油質成分があることが多く、動物による種子散布に役立っている。(胎座:子房の中の胚珠の付く壁面。側膜胎座や中軸胎座など、様々な型がある) |
・液質の仮種皮の例 |
イチイ 2000.9.17. | イヌマキ 2012.12.23. |
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種子を取り囲んでいる。 | 花床が肥大したもので 甘くて食べられる。 |
・肉質の仮種皮の例 |
ツルウメモドキ 2008.10.5. | トベラ 2011.11.5. | ||
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ヒゼンマユミ 2012.1.4. | |||
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種子は落ちやすく、果皮が残る。 | 丸い種子を包んだ橙色の仮種皮 | ||
ライチ | ニクズク | ||
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白い果肉状の部分を食べている。 | 赤い仮種皮を乾燥させたものがメース。 |
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