![]() |
|
|||
科 名 : | アスパラガス科 Asparagaceae | |||
植物園の名札 | ユリ科 | |||
属 名 : | ナギイカダ属 Ruscus Linn. (1735) | |||
英 名 : | butcher's-broom, Jew's myrtle, box holly | |||
原産地 : | ヨーロッパ南部、ハンガリー、トルコ | |||
用 途 : | 観賞用 かつては血行促進の薬用として利用した |
ナギイカダ属は、一見 葉の中央に花が咲いているように見える、珍しい植物。 大西洋のアゾレス諸島・マデイラ諸島と、地中海から黒海沿岸にかけて 6種が分布する。 |
ナギイカダ▲ と 甘藷試作跡 |
![]() |
園路からは見にくいが、甘藷の石碑を探せば その左隣である。 |
雌 株 2009.4.7. |
![]() |
雌雄異株で、手前の部分には赤い実が生るので 雌株。しかし、ほとんどに雌花が付いていて、雄株を探しても見つからない。一緒になってしまっているのだろう。常緑の低木で、高さは 40センチ程度。 |
![]() |
白くなった枯れ枝や 枯れ葉がつまっていたりして、見た目が悪い。 しかし、トゲが鋭いために手入れが厄介だ。 |
地面からの生え方 2000.6.4. |
![]() |
枝 と 葉 ? 2012.12.12. |
![]() |
枝には多数の溝がある。葉?の先は鋭く尖って 手に突き刺さる。 |
葉 ではなく 枝 |
![]() |
大きな枝分かれは一回まで。そして、葉のように見えるものも、枝が変化したもの (葉状枝) 。 |
枝の先端 |
![]() |
先端にも 葉状枝が付く。葉状枝は付け根で 30〜90度ねじれ、軸に対して斜め あるいは横向き(地面に対して垂直)になる。 |
ほころびた 雌花 2012.4.7. |
![]() |
葉状枝の厚みは 0.5〜1約ミリ、長さは3センチ程度。もちろん もっと小さなものもある。 花の下部に薄い膜状の鱗片があるが、これが葉あるいは苞葉が退化したものと考えられている。シュートの出始めには、各 葉状枝の基部にも付いている。 |
雌 花 2009.4.7. |
![]() |
花は軸側(枝側)に付く。通常は1個、時に2個。花被片は6枚で、外側の3枚は大きい。12月になっても咲いているが、ほとんどが雌花のような気がする。 |
若い実 2009.4.7. |
![]() |
赤くなった実 2012.12.12. |
![]() |
実の直径は 6ミリ弱。葉状の枝に直接付くのではなく、短い曲がった柄の先に生る。2012年には 大きくてきれいな実がたくさん付いた枝があった。他のほとんどは 小さく 少ない。 |
![]() |
ナギイカダ の 位置 |
![]() |
D10 d | ● | 甘藷試作記念碑に向かって 左側 |
名前の由来 ナギイカダ Ruscus aculeatus | |
ナギイカダ 梛筏 : |
|
|
ナギ | ハナイカダ | |
![]() |
+ | ![]() |
種小名 aculeatus : 針のある という意味 | |
|
|
英語名 butcher's-broom : 肉屋の箒 | |
|
英語名 Jew's myrtle : ユダヤ人のギンバイカ (直訳) | |||||
|
Ruscus 属 : | |
|
アスパラガス科 Asparagaceae : | |||||||
|
旧 ユリ科 Liliaceae : | ||
|
植物の分類 : | APG II 分類による ナギイカダ の位置 |
APG分類で最も変化したのが 単子葉植物である。これまでは、植物の中で最後に分化した とされ、ランなどは「進化の頂点に位置する」などと言われてきた。 APG分類では 被子植物の中で早い時期に分化した とされ、しかも、科・属の位置も大幅に入れ替わった。例えば、ユリ科だったスズラン属・ギボウシ属・ナルコユリ属や、リュウゼツラン科だったリュウゼツランも アスパラガス科になった。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
キジカクシ目 | ラン科、アヤメ科、ヒガンバナ科、ネギ科、キジカクシ科、など | ||||||
キジカクシ科 (アスパラガス科) |
リュウゼツラン属、アスパラガス属、スズラン属、センネンボク属、ギボウシ属、ヒアシンス属、ナルコユリ属、ナギイカダ属、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱: | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群: | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
アオイ群: | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱: | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
キキョウ群: | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | ||||||
以前の分類場所 | ユリ目 ユリ科 | ナギイカダ属、ほか 多数 | |||||
↓ | |||||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) |
小石川植物園の樹木 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ |