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科 名 : | クロウメモドキ科 Rhamnaceae | ||
属 名 : | ナツメ属 Ziziphus Mill. (1754) | |||
園の名札: | Zizyphus jujuba Mill. | |||
中国名 : | 棗 zao | |||
原産地 : | 中国 あるいは インドといわれているが、はっきりしない。 | |||
用 途 : | 果実を生食し、乾燥したものを菓子や料理に使う。 漢方では利尿、滋養強壮のために、ほかの薬に混ぜて処方される。 薬用酒は冷え性、不眠症、病後回復に。 材は非常に硬く、かつては 車軸、印材、家具材として使われた有用な樹木。 |
ナツメは分類標本園に植えられている。上の段の奥には 看板商品のひとつである 「サネブトナツメ」があり、ナツメの「変種」とされている。 ナツメやサネブトナツメ の学名は事典によって異なるので、その詳細は後半で検討することにして、まずは 分類標本園の木を ナツメ として掲載する。 ただし標本園の木は常に小さく剪定されているので、園外の写真も多用する。 |
ナツメ 2000.7.1. |
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10年以上前の写真だが、剪定されるために 今と大きさは さほど変わらない。 この木には棘があるので、本来の ナツメ である。 |
落葉樹 2014.1.21. |
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前掲写真とは反対側から 売店方向を見ている。 |
筑波植物園 2012.9.1. |
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『植物の世界/朝日百科』によると、高さ 10mになるという。この木の名札は Ziziphus jujuba var. inermis(トゲのない) となっているので、「トゲ無しナツメ」のはずである。 確かにトゲは少ないのだが、よく見ると小枝の所々に小さなトゲがある。 |
幹の様子 2014.2.1. |
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筑波のナツメ 3年目の若い枝 2011.4.24. |
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前掲写真とは別の「ナツメ」の木。 ナツメには長枝と短枝がある。短枝にはトゲはできない。この枝はまだ若いので 短枝はできていない。長枝にできるトゲは托葉が変化したものだろうと思っていたら、『図解植物観察事典/家永ほか』には 枝が変化したもの、とあった。トゲには長短があり、短い方は反転している。 |
壮年の 枝 |
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枝振り 2014.2.1. |
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この写真では 短枝の様子はよく分からない。 |
短枝から出た落枝 2014.2.1. |
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薄茶色の細い枝が、昨年短枝から出て葉を付けていた 細い枝である。枝ごと落ちるはずなのだが、年を越してもまだ残っている。 |
短枝 ▼ の詳細 2014.2.1. |
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黒く太い部分が 短枝。ほぼ同じ所から、毎年複数または一本の細い枝を出しては落ちる事を繰り返すために、短い太い「枝」ができる。 |
冬芽 と トゲ 2014.2.1. |
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短枝の周囲には、目立ったトゲはできない。 |
小石川植物園 分類表本園の トゲ 2014.1.21. |
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小石川の写真が少ないが、確かに「トゲ」がある。 |
落枝(仮称) と 葉の様子 2012.9.1. |
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葉は 短枝から出た細い枝に「互生」で付いている。一見、羽状複葉のように見えるが、葉腋に花が付き実が生るので、そうではないことがわかる。葉は左右のサイズが微妙に異なり、対称形ではない。 |
花の付き方 2000.6.25. |
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葉腋に複数の花が付く。 |
花の詳細 2011.6.14. |
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五数性。黄緑で目立つ三角形のものは萼で、その間に位置する花弁▼は小さく、開花後は後ろに反り返る。 |
若い果実 2009.8.2. |
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形は「ナツメ型」。ナツメの実の方が先で、ナツメの実の形に似ているものを「ナツメ型」「ナツメ」と呼ぶようになった。ひとつの葉腋に 複数の実が生ることはまれのようだ。 |
落下して乾いた果実 2012.9.1. |
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筑波植物園 |
ナツメ の 位置 |
井 戸 側 |
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売 店 側 |
分類標本園: | 売店側から 14列目 右側 |
名前の由来 ナツメ Ziziphus jujuba | |
和名 ナツメ : 夏芽の意 |
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漢名 棗 : 棘のある |
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種小名 jujuba : | |
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属名 Ziziphus : 意味は わからない | |
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