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古 名 : | ミヤツコギ | ||
APG分類: | レンプクソウ科 Adoxaceae | |||
旧科名 : | スイカズラ科 Caprifoliaceae | |||
属 名 : | ニワトコ属 Sambucus Tourn. ex Linn. (1735) |
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中国名 : | 接骨木 jie gu mu | |||
原産地 : | 本州、四国、九州 朝鮮半島南部 |
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用 途 : | 庭木。 漢方で半開の花を干したものを「接骨木花」と呼び、発汗・利尿剤に用いられる。茎・根・葉は打撲骨折などの消炎やリューマチに効くとされる。 |
APG分類で スイカズラ科から 「レンプクソウ科」に移された ニワトコ属。連福草は 別項のガマズミを書くまで、全く知らなかった植物である。科についての記述は重複するが、再掲する。 |
昔 カワセミ池の西側に一本あったが 10年前から勢いがなく、いつのまにか枯れて無くなってしまった。その生まれ変わりか、カワセミ池のふちに実生と思われる若木が生えている。 |
@:カワセミ池のニワトコ 2011.4.17. |
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高さ4m弱の落葉樹。低木で 枝先が湾曲して円弧を描くのは、旧スイカズラ科に共通した樹形だ。 |
A:60番通りのニワトコ 2011.4.17. |
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園の奥から入り口方向を見ている。斜面に生えているので 少し大きく見えるが、高さは3m強。奥の木立はメタセコイヤ。 |
@ : 幹の様子 2011.3.27. | |
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太さは根元で6センチ程度。もっと太くなるとコルク質が目立つようになる。 |
枯れてしまった木の樹皮 |
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2000.3.18撮影。幹の太さは 20センチ弱だったと思う。 幹には白い随がある。 |
@:細い枝にも随がある 2011.3.27. |
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この枝の直径は3センチ。この程度の太さでは コルク層はほとんどできていない。真ん中の白い随は、植物学の実験で 顕微鏡用の切片を作る時に、この随に試料を挟んで薄く切るのだそうだ。柔らかく しかも崩れない ということだろう。 |
B:分類標本園 2012.2.16. | |
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花を含んだ冬芽が 大きく膨らんできた。右の芽は花が無い。 |
すぐに花序が見えてくる 2012.3.6. |
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新葉の裏は赤紫色。ブロッコリーのような花の集合 (花序) 。 |
大きくなってきた花序 2011.3.27. |
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葉は、旧スイカズラ科では極めて珍しい 奇数羽状複葉。 |
前図の部分拡大 |
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伸びた新枝と花序 2001.3.18. |
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満開の様子 2001.4.8. |
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黄緑だった蕾は 咲くと淡い黄色がかった白 となる。雌しべの先端(柱頭)は暗い赤色。 ↓ 2011.4.10 |
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花の詳細 2011.4.10. |
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花は合弁花で、5つに裂け 全体に反り返る。雄しべは5本。 |
赤い実 あおい実 2011.5.24. |
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花序・果序の様子 |
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二股 ふたまたに分かれながら広がる 二出集散花序。軸には毛があるように見えるが、乳状の突起だそうだ。 |
熟した実 2011.6.11. |
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実は疎らにしか付かないこともあるが、これは多い方だ。鳥が好むという。 フラッシュ使用。 |
ニワトコ の 位置 |
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写真@: 写真A: 写真B: |
F8c-9a F12 a |
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カワセミ池のほとり 60番通り 標識62の先 右側 分類表本園 |
名前の由来 ニワトコ Sambucus racemosa L. subsp. sieboldiana |
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和名 ニワトコ 庭常 : 古名から変化したもの? |
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古名 ミヤツコギ 造木 | |
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中国名 接骨木 : | ||
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亜種名 ssp.(=subspecies) sieboldiana : 人名による | |||||||||||||||||||
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年号 | 学名 | 命名者 | 和 名 | 備 考 |
1753 | Sambucus racemosa | リンネ | 西洋赤実ニワトコ | ニワトコの基本種 |
1823-28 シーボルトの滞日 | ||||
1835-41 『日本植物誌』第1巻 シーボルトとツッカリーニの共著 | ||||
1842-44 『日本植物誌』第2巻 1-5分冊 刊行 シーボルトとツッカリーニ | ||||
1848 | ツッカリーニ 死去 | |||
その後はミクエルが遺稿を整理し、シーボルトの死後の1870年に第2巻後半を刊行 | ||||
1859-62 シーボルト 再来日 | ||||
1866 | シーボルト 死去 | 10月18日 | ||
1866 | S. racemosa var. sieboldiana | ミクエル | ニワトコの元の学名 | GRIN*による |
S. racemosa var. sieboldiana | ブルーメ ex ミクエル | IPNI* による | ||
1870 | 『日本植物誌』第2巻 6-10分冊 ミクエルによって刊行 | |||
1956 | S. racemosa ssp. sieboldiana | 原 寛 | ニワトコ | 現在の正名 |
* GRIN:Germplasm Resources Information Network、IPNI:The International Plant Names Index |
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種小名 racemosa : 総状花序の | ||||||||||
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属名 Sambucus属 : | |
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科名 レンプクソウ科 連福草科 : | |
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レンプクソウ Adoxa moschatellina |
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(C)福岡教育大学 福原准教授の HP、植物形態学テキスト より |
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レンプクソウの 超アップ写真 | |||
頂生花 は 四数性 |
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花冠:4裂、 雄しべ:2裂 計8本、 花柱:4裂 |
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側生花 は 五数性 |
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花冠:5裂、ときに6裂 雄しべ:2裂 計10本、 ときに12本 花柱:5裂 |
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写真の花弁は6裂。(C)福岡教育大学 福原准教授のホームページ、植物形態学テキスト より |
科名 Adoxaceae科 : | |
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植物の分類 : | APG II 分類による ニワトコ の位置 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱: | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群: | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
アオイ群: | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱: | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
キキョウ群: | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | ||||||
マツムシソウ目 | レンプクソウ科、スイカズラ科 | ||||||
レンプクソウ科 | レンプクソウ属、ニワトコ属、ガマズミ属 | ||||||
↓ | 以前の分類場所 | スイカズラ科 | ツクバネウツギ属、スイカズラ属、オミナエシ属、タニウツギ属、 ニワトコ属、ガマズミ属、など |
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後から分化した植物 (進化した植物 ) |
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