センダン 栴檀
Melia azedarach Linn. (1753)
科 名 : センダン科 Meriaceae
属 名 : センダン属 Melia Linn . (1737)
中国名 : 楝樹、苦楝
原産地 : 四国、九州、琉球諸島、小笠原
台湾、中国、西南アジア
用 途 : 庭木、街路樹。 材は建築材・家具材に。
根皮・樹皮から採れる薬剤を駆虫剤として用いる。 葉を殺虫剤として利用する。

ニュートンのリンゴの横で 管理地内に植えられているが、フェンス際なので よく見える。  園外の写真も加えて 掲載したい。

              @:樹 形          2010.11.3
高さ 約 6m。 右側から張り出しているのが「ニュートンのリンゴ」。
11月だというのに みな良く葉を繁らせている。

             @:冬の様子        2010.1.5

            自然な樹形 高知城     1999.11.22

ひび割れがはいりはじめた幹
京都植物園

           涼しげな 2回 羽状複葉    2004.5.14
高崎市 染色植物園

               葉の詳細      2009.9.24
小葉には鋸歯があり、部分的に 3回 羽状複葉になっているところがある。
            意外な場所にセンダンが       2010.5.19
花が咲いている。                   千代田区 清水濠

              ものすごい数の花        2009.5.12
  淡い香りがする。                  高知県 足摺岬

             花のアップ        2007.4.7
奄美大島 笠利崎。 さすがに咲くのが早い。

            実は落ちずに残る      2011.1.5
果肉が乾燥してきて、中の種子の形が浮き上がってきている。

             落ちた実を集めて     2011.2.3
中央の6本の稜があるのが、皮を取り去った種子である。

 
センダン の 位 置
写真@ : C13 a ニュートンのリンゴの右奥、柵内

 
名前の由来 センダン Melia azedarach

センダン
古名 : オウチ、アフチ、アウチ  漢名 : 楝(レン)

センダンの由来には2つの説がある。
@ 5・6月に薄紫の花が咲き、秋にたくさんの実が鈴なりになり、落葉後も残って黄色く熟す。これを、連ねた数珠に見立ててセンダマ(千珠)と呼んだものが転訛した、という説。/ 萬葉古今動植正名』/ 山本章夫
A 同じく実を「センダンゴ(千団子)」と呼んだものが短くなった、という説。『木の名の由来』/ 深津・小林
いずれにしても大きな違いは無い。
 
           センダマ の様子     2011.1.5

 
種小名 azedarach : 不明。
 
Melia センダン属 :
センダン科:Meliaceae
センダンに葉の形が似ている「トネリコ属」に対するギリシア名、Melia に由来するという。(ちなみに、トネリコ属の学名は Fraxinus である。)

アジア南部とオーストラリアに約10種が分布する。
日本には「センダン」だけが分布している。

センダン科のひとつ マホガニー属 (Swietenia属)にはマホガニーがあり、高級木材として知られている。
 
中国名 楝樹 :
漢和辞典の「楝」の項には 「レン、おうち」で センダンの事 としか出ていない。
おうち(あふち)はセンダンの古名で、どの植物事典にも出ているのだが、その由来はひとことも書かれていない。 元々日本では おうち と呼ばれていたものに、中国語の 楝 を当てたのであろう。

「楝」の 旁(つくり)は 現代では「東」である。 柔軟という意味の「燗 らん」からきており、「柔らかい物を練る」という意味になる。
  練:ねる
  煉:火で焼きとかしてねる。煉瓦、煉炭、煉塀・ねりべい
  錬:金属を熱して柔らかくして練る。精錬、錬金術、鍛錬
  鰊:ニシン。 練る事との関係は?
  楝:センダン。 練る木とは? これも由来は不明


なお、「栴檀(センダン)は双葉より芳(カンバ) し」という諺があるが、この栴檀はビャクダン科の「ビャクダン(白檀)」のことである。
センダンの花にも芳香がある。



植物の分類 : APG II 分類による センダン の位置
原始的な植物
 緑藻 : アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など
 シダ植物 :  維管束があり 胞子で増える植物
小葉植物 : ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など
大葉植物(シダ類): マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど
 種子植物 :  維管束があり 種子で増える植物
 裸子植物 :  種子が露出している
ソテツ 類 : ソテツ、ザミア、など
イチョウ類 : イチョウ
マツ 類 : マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など
 被子植物 :  種子が真皮に蔽われている
被子植物基底群 : アンボレラ、スイレン、など
モクレン亜綱 : コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など
 単子葉 類 : ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、ツユクサ、ショウガ、など
真生双子葉類 : キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など
中核真生双子葉類: ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など
バラ目 群 :
バラ亜綱: ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など
マメ 群: ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など
アオイ群: アブラナ、アオイ、ムクロジ、など
ムクロジ目 ムクロジ科、トチノキ科、カンラン科、ウルシ科、センダン科、など
センダン科  インドセンダン属、センダン属、チャンチン属、など
キク目 群 :
キク亜綱: ミズキ、ツツジ、など
シソ 群 : ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など
キキョウ群: モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など
後から分化した植物 (進化した植物 )           

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