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科 名 : | モクレン科 Magnoliaceae | ||
属 名 : | モクレン属 Magnolia Linn. (1735) | |||
英語名: | bull bay , southern magnolia (タイサンボク) |
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原産地 : | 北アメリカ東南部。アメリカ合衆国のノースカロライナ州からフロリダ州にかけて。 ルイジアナ州とミシシッピー州の州花。 |
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用 途 : | 庭木。 |
やはり! と言うべきか。 APG分類では、葉が細長いだけでは 変種や品種とはならず、遺伝子に違いのない場合は同一種となる。 |
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左 : タイサンボク と 右 : ホソバタイサンボク |
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見た目は 明らかに細長い。 |
@ : ホソバ 3兄弟 2011.6.16. |
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タイサンボクのすぐ隣に植えられている。 |
@ : 樹 形 |
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例によって、狭い間隔のために上に伸びた形。 左側に 下向きの枝があり、タイサンボクとは違って間近に観察できる。 |
毛に包まれた冬芽 2011.2.3. |
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花を含まない 葉芽。 前年の葉柄や葉の裏側の毛は 残ちずに残る。 |
常緑樹の美しい葉 2011.6.16. |
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つぼみができなかった枝は、主軸がそのまま延びる。 もちろん枝分かれすること (複数の芽が成長すること)も多い。 葉の長さは タイサンボクと変わらず、通常20cm前後。 |
できたばかりの冬芽 2014.6.17. |
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花が付かない場合は、来年もそのまま伸びる。 このあと、前掲の冬芽のように大きくなる。 |
つぼみ 2014.6.17. |
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花は枝の先端に付く。 花が付いた枝では、そのすぐ下の葉腋にいくつかの芽ができる。 この枝の場合には、2つの芽が付いていた。 |
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枝振り 2012.1.11. |
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周辺の枝では、延びた枝のうち 下側が次々と主軸になっていく。 枝は3本が多いが、2本のこともある。 |
開ききった花 2011.6.16. |
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トップの写真が咲き始めで、この状態は終末期。 落ちた大量の雄しべが、スプーン状の花弁にたまっている。 |
終わった花 2011.6.16. |
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同じ日に撮った別の花。 平らに広がった葉が、花被片を支えている。 |
落ちた花被片 2011.6.19. |
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大きなものは 丁度ボールペンと同じくらい、14センチ前後。 9枚の花被片のうち、内側の6枚は細長く柄が付いた「匙状」になっている。 |
2011.6.16 実の様子 2012.9.15 | |
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モクレン科は早くに分化した(原始的な)植物で、ひとつの軸の周りに大量に付く雄しべ(赤いのがその落ち跡)と、同じく多数の雌しべ(子房)にその特徴が表れている。 毛に覆われた子房にはそれぞれ種子ができる。 |
赤い種子 2013.10.19. |
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赤い色は種子の「外種皮」で、白い糸でぶら下がることもある。 |
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白い糸は 珠柄(種子の元である胚珠と胎座をつなぐもの)の中の、道管が伸びたものだとか。 |
花の落ち跡 2014.6.17. |
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花が大きいだけに それを支える枝も太く、落ち跡はハサミで切ったみたいだ。 側枝の基部の色が濃いので、昨年の内に 2・3枚の葉を出していたことがわかる。 |
ホソバタイサンボク の 位 置 |
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写真@: | B6 b | ● | 10番通り 左側、標識15番のところ。 3本 |
名前の由来 ホソバタイサンボク Magnolia grandiflora | |||
ホソバタイサンボク 細葉泰山木 : |
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タイサンボク 泰山木 : 再掲 |
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種小名 grandiflora : 大きな花の の意味 |
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モクレン科 Magnoliaceae : 人の名前に由来する |
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植物の分類 : | APG II 分類による タイサンボク の位置 |
花の各器官は「葉」が変化したものと考えられている。 モクレン類は 1本の軸の周りに「花弁・雄しべ・雌しべ」が多数付く花の構造が原始的であり、早くに分化した植物とされている。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類) : | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、ヘゴ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
モクレン目 | ニクズク科、モクレン科、バンレイシ科、など | ||||||
モクレン科 | モクレン属、ユリノキ属、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、イネ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱 : | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群 : | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
アオイ群 : | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱 : | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群 : | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) |
小石川植物園の樹木 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ |