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科 名: | モクレン科 Magnoliaceae | |||
属 名: | モクレン属 Magnolia Linn. (1735) | |||
英語名: | bull bay , southern magnolia | |||
中国名: | 洋玉蘭、荷花玉蘭 | |||
原産地: | 北アメリカ東南部。アメリカ合衆国のノースカロライナ州からフロリダ州にかけて。 ルイジアナ州とミシシッピー州の州花。 |
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用 途: | 庭木。 |
常緑樹が混んだ所に3本 かたまって植えられている。下枝が無いために、花を間近に見られることは少ないが、いくつも咲いていると香りが漂ってくる。 新宿御苑などで撮影した写真も交えて掲載する。 |
@:樹 形 2012.1.11 |
@:タイサンボク 3兄弟 2011.6.16 |
高さ 20m以上になる常緑樹で、本来は枝が横に張る樹形であるが、森の中で下枝が無い状態となっている。 |
樹 形(高さ 約9m) |
常緑樹の美しい葉 2003.6.8. |
葉のサイズは通常20cm程度。 裏には赤茶色の毛が残る。 |
アップの写真は1月撮影なので、新葉時に較べると毛の量は少なくなっている。 |
つぼみ と 開きかけの花 2003.6.8 |
2000.7.1 甘いかおり 2001.6.12 | |
9枚の花弁のように見えるが、外側の3枚は萼が花弁化したもの。そういわれて見ると 中心の6枚とは離れて輪生しているし、形状も異なる。花弁は「匙(さじ)型」であるが、萼の方はくびれがほとんど無い。下図は落ちた花弁。 |
丁度開花時に 茶色くなった古い葉が落ちる。 |
大量の雄しべ 2000.6.25. |
役目が終わると バラバラと落ちてくる。 |
2000.7.27 若い実 | 膨らんできた実 2000.11.11 |
ひとつの軸の周りに大量に付く雄しべと雌しべ(子房)、モクレン科は早くに分化した植物のひとつである。子房には毛が生えている。 |
熟した実 2009.10.1 |
赤い種子は 白い糸でぶら下がることもある。花が枝の先端に付く(頂生する)ために真っ直ぐには伸びられず、新しい枝は花の直下から湾曲しながら伸びる。 |
タイサンボク の 位 置 |
写真@: | B6 b | ● | 10番通り 左側、標識15番のところ。3本 |
名前の由来 タイサンボク Magnolia grandiflora | |||
タイサンボク 泰山木: | |||
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種小名 grandiflora:大きな花の の意味 | |||
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モクレン科 Magnoliaceae:人の名前に由来する | |||
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トピックス グラント玉蘭 | |
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左 : グラント玉蘭、 右は グラント檜 | |
第18代アメリカ合衆国大統領 グラント将軍は、大統領を二期務めた後に世界を周遊し、日本にも立ち寄った。 将軍が記念植樹した ローソンヒノキは弱ってしまっているが、婦人が植えたタイサンボクは元気である。 上野東照宮の参道入口脇という一等地が当てられた。 植樹は
1879年(明治12年)8月25日なので、樹齢は140年近くということになる。 説明板にも植え替えられたとは書かれていないので、オリジナルであろう。 当時 タイサンボクは渡来して日が浅かったために 現在の名は付いておらず、ハクモクレンの中国名「玉蘭」に グラントを付けて「ぐらんとぎょくらん」とした。 ちなみにタイサンボクの中国名は「洋玉蘭」。 植樹5年後の1884年(明治17年)に測量された測量の 5千分の1地図に、はっきりと2本の木がプロットされていた。 |
グラント檜 と グラント玉蘭 |
1884年(明治17年)測量 1886年発行 東京五千分之一 東北部 / 参謀本部陸軍部測量局 |
上図左上には、当時開園した上野動物園も出ているがまだ規模は小さく、入口は離れた所だった。正門は一時 都美術館の裏に移されたが、最終的に現在の位置となり、来園者はすぐ左手にタイサンボクを見ながら入場している。 50年後の 1929(昭和4)年 には、将軍の来日と記念植樹を永く後世に伝えるために、渋沢栄一 と 益田 孝 が立派な記念碑を建てている。 |
グラント将軍植樹の碑 |
神社仏閣のみならず、各地の公園などには多くの記念碑・歌碑が建てられていて、参考になることも多い。石で作れば数百年は自分の名前が残る。 人に見てもらうためには目立つ所に と考えるのは当然で、個人的な句碑・歌碑などには 時に目障りなものもあるが、この碑は由緒あるもので、長く保存してほしい。 |
植物の分類: | APG II 分類による タイサンボク の位置 |
花の各器官は「葉」が変化したものと考えられている。モクレン類は 1本の軸の周りに「花弁・雄しべ・雌しべ」が多数付く花の構造が原始的であり、早くに分化した植物とされている。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類) : | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、ヘゴ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
モクレン目 | ニクズク科、モクレン科、バンレイシ科、など | ||||||
モクレン科 | モクレン属、ユリノキ属、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、イネ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱 : | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群 : | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
アオイ群 : | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱 : | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群 : | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) |
小石川植物園の樹木 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ |