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科 名 : | スイカズラ科 Caprifoliaceae | ||
属 名 : | タニウツギ属 | |||
Weigela Thunb. (1780) | ||||
原産地 : | 北海道西部、東北の主に日本海側、北陸、山陰地方。雪の多い日本海側。 山地の谷沿いや渓流沿い、日当たりのよいブナ林の縁など。 |
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用 途 : | 庭木として植えられる。 若芽は食用になり、救荒植物とされた。 材は堅く、木釘や楊枝として使われる。 |
70番通りの標識74番附近には、数種類のスイカズラ科が植えられている。崖線のすぐ下なので地下水位が高く、谷間に自生するタニウツギには良い環境だろう。 |
樹 形 2011.4.29. |
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標識74番の所にある。新緑ですでにつぼみが大きくなっている。 |
根元の様子 2013.12.4. |
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3m程度にしかならない低木で、幹は長持ちはせず、根際から次々と新しい茎を伸ばす。 |
一年目の若い幹 2013.12.4. | 一番太い幹 2011.4.29. |
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太さ 2センチ。 | 「樹齢」は不明。太さ8センチ。 |
枝振り 2013.12.4. |
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一年間に延びる長さが長いので、重みで湾曲する。その繰り返しで弓なりの茂みとなる。 |
つぼみ と 葉の様子 2011.4.29. |
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開 花 2011.5.3. |
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この木は特に赤味が強いような気がする。 |
満 開 2011.5.11. |
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雨上がりに 園の奥を見ている。高さは3m強。 |
黄 葉 2013.12.4. |
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決して きれいではない。 |
果 実 2013.12.4. | |
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花の落ちあとはたくさん付いているのだが、実が入っているのはわずかしかない。 |
タニウツギ の 位 置 |
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F9 ad | ● | 70番通り右側、標識74番 |
● | 分類標本園 井戸側10列目 右側 |
名前の由来 タニウツギ Weigela hortensis | ||
タニウツギ 谷空木 : |
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種小名 hortensis:庭園栽培の | |
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Weigela 属 :人名による | |||||||
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命名年 | 学 名 | 和 名 | 命名者 | 備 考 |
? | Lonicera | スイカズラ属 | トゥルヌフォール | トゥルヌフォール(1656-1708) が命名していたが、学名規約以前 |
? | Diervilla | アメリカタニウツギ属 | トゥルヌフォール | |
1753 | Lonicera diervilla | リンネ | 『植物の種』では Diervilla と 大文字の種小名となっている |
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1754 | Diervilla | アメリカタニウツギ属 | ミラー | 北アメリカに産する |
1768 | Diervilla lonicera | (仮名 ヤブスイカズラ) | ミラー | リンネの Lonicera diervilla に 基づく。カナダ原産 |
1780 | Weigela | タニウツギ属 | ツュンベリー | 日本滞在中に採取 1784『日本植物誌』にも掲載 |
同 | Weigela japonica | ツクシヤブウツギ | ツュンベリー | |
1830 | Diervilla | ド・カンドル | アメリカタニウツギ属に タニ ウツギ属を含めてしまう |
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1838 | Diervilla hortensis | タニウツギ | シーボルト | 現在は タニウツギの異名 |
1854 | Weigela hortensis | タニウツギ | コッホ | シーボルトの命名を訂正 |
解説:・ ・ ・ ・ |
Diervilla アメリカタニウツギ属の有効な学名としては、1754年にミラーが『Gardeners Dictionary 第4版』で定義していた。 Weigela タニウツギ属は、1780年にツュンベリーが「ツクシヤブウツギ」を記載して有効となった。 ところが、スイスの有名な植物学者 ド・カンドルが、両者をひとまとめにして Diervilla アメリカタニウツギ属としたため、シーボルトはこれを受け入れて タニウツギをアメリカタニウツギ属として命名した。 ドイツのコッホは 早い時期にWeigela属に訂正したが、広く受け入れられるようになったのは、東大教授の中井猛之進(1882-1952)が タニウツギ属を独立させることを唱えてからであった。 参考資料:『植物の世界/朝日新聞社』 |
Caprifoliaceae スイカズラ科 : 保留名 | |
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植物の分類 : | APG II 分類による タニウツギ の位置 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱: | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群: | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
アオイ群: | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱: | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群: | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
マツムシソウ目 | レンプクソウ科、スイカズラ科、 | ||||||
スイカズラ科 | ツクバネウツギ属、スイカズラ属、オミナエシ属、タニウツギ属など | ||||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) |
小石川植物園の樹木 -植物名の由来- 高橋俊一 五十音順索引へ |