ネパールハンノキ ネパール榛の木
Alnus nepalensis D. Don. (1825)
科 名 : カバノキ科 Betulaceae
属 名 : ハンノキ属 Alnus Mill. (1754)
中国名:
英語名: Himalayan alder , Nepal alder
原産地 : ネパール、インド、ブータン、バングラデシュ、中国:雲南省、貴州省、四川省、広西壮族自治区、西蔵自治区(チベット)、ミャンマー、タイ、ベトナム
用 途 : 薪炭材、木材
撮影地 : 中国

中国雲南省 楚雄近郊の「紫渓山」自然保護区で見たもの。

紫渓山では、落葉広葉樹林の構成樹種のひとつで、針葉樹林の雲南松や貨山松とともに、よく目に付く。

樹 形
        高木 : 高さ 10m 弱
小木 : 高さ 4m 中木 : 高さ 7m

幹の様子
青かった幹は次第に割れ肌となる。 どのぐらいの年数で変化するのかは不明。

葉 の様子
葉の長さは 大きなもので約 8cm。 不定形の鋸歯があり裏面は少し白い。 
茶色い枝は前年のもの。

果実 と 雄花
楕円状の鱗片(雌花の苞が木質化したもの)のサイズは小さく、ひとつの長さが1〜1.5cm。 7月だったが、すでに熟していた。

右側に見えるのが次回の雄花で、早い場合は年内に咲く。

果実 と 種子
鱗片の間にできていた種子は、2mm程度。 切手のサイズは 21×25 mm。
種子の回りに、わずかだが翼がある。

名前の由来 ネパールハンノキ Alnus nepalensis

和名 :ネパールハンノキ: ネパール原産のハンノキ の意味
種小名 : nepalensis
原産地のひとつを示している。
 
ハンノキ属 : 不明
「ハリノキ」が転訛したものということであるが、ハリノキ 榛の木 の語源は不明。 榛 は「ハシバミ」とも読む。

一説に「ハリ(墾)」が由来とある。 開墾する低地に多く生えている木であるためだが、「定説」とはなっていないようだ。
 
Alnus 属 :
『園芸植物大事典』には、「英語名alder の ラテン古名に由来する。」としか書かれていない。
『植物學名辞典』には、「ケルト語 al (近い)+ lan (岸)」とあり、やはり湿地を好むことが伺える。
 
カバノキ科 : 不明
カバ 樺 の古名「カニハ」が「カンバ」に転訛したもの。
  カニハノキ → カンバノキ → カバノキ
カニハの語源は不明。
 
 
ネパールハンノキ
  ← ハンノキ Alnus japonica Steud. (1840)

小石川植物園 ハンノキ並木 冬のハンノキ
日本では北海道から琉球諸島まで、湿り気のある低地に生える。
小石川植物園でも、本郷台地の崖線の下、水辺に並木があるが、自生なのか 植えられたものなのかはわからない。

幹 の 様子

直径45cm
葉 の 様子
ネパールハンノキよりも細長く、先端も鋭い。

雄花 と 雌花
垂れ下がる雄花の元、写真の一番上にある赤いものが 雌花である。
撮影 : 2002年1月26日。

参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press
        園芸植物大事典/小学館
        週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社
        植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎
        GRIN Taxonomy for Plants/アメリカ合衆国農務省
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