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科 名 : | ショウガ科 Zingiberaceae | |||
属 名 : | ハナミョウガ属 Alpinia Roxburgh (1820 ?) nom. cons. |
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英 名 : | red ginger | |||
原産地 : | 東マレーシア熱帯地域 (スラウェシ島からニューギニア) と推定されている。
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用 途 : | 花 (苞) が美しいため、観賞用に栽培される。 | |||
撮影地 : | ドミニカ共和国 ![]() ![]() |
アルピニア・プルプラタは 葉、花ともに美しいために、国内ではどこの温室でも育てられている。 1976年に開設されたドミニカ国立植物園には日本庭園(のようなもの)もあり、広い園内を案内する無軌道車(トラムカー)が走っている。 ただし、客が10人以上集まるまで発車しない。 |
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ドミニカ国立植物園 | ||||||||
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アルピニアは、入り口からはずっと離れた林の日陰にあった。 |
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高さ 1.5 m程度 | 葉の大きさは 40cm | |||||||
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ショウガ科の花は茎(偽茎)の先に付くことが多い。 下左の写真は花序が出てきたところ。 右の写真は花が咲き進み、花序が伸びきって垂れ下がった状態である。しかも茎の先端から何本もの新芽が出ている。 咲いた花に種子ができ、それが落ちずにその場で芽が出てきたものと考えたが、それは間違いで、『熱帯花木と観葉植物図鑑』に、「先端部に幼芽が生じるのが特徴」 とあった。 10本以上の芽が出ている。これが大きくなると重さで親の茎が倒れ、新芽の元から根が出て新たな株となる、という仕組みであろう。 |
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新しい花序 | 咲ききった花序 | |||||||
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赤い苞の株の隣には、ピンク色のものもあった。 ピンク色の苞の間には白いつぼみが見えたが、咲いてはいなかった。 下右の写真は、京都植物園で咲いていた「白い花」である。 |
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ピンク色の苞 | 京都植物園のアルピニア | |||||||
![]() 園芸品種らしい。 |
![]() この苞の色もまた少し違う。 |
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名前の由来 Alpinia purpurea | ||||||||
和 名 : な し |
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種小名 purpurata : 紅紫色の という意味 | ||||||||
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英語名 red ginger : 赤い花の咲くショウガ | ||||||||
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Alpinia属 : ハナミョウガ属、 ゲットウ属 | ||||||||
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ハナミョウガ 花茗荷 Alpinia japonica Miq. (1867) | ||||||||
← Globba japonica Thunb. ex Mirr. (1784) | ||||||||
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ミョウガ 茗荷 Zingiber mioga Roscoe (1807) |
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← Amomum mioga Thunb. ex Murr. (1784) | ||||||||
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ショウガ科 Zingiberaceae : | ||||||||
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参 考 | ||||||||
フイリゲットウ 斑入り月桃 : Alpinia sanderae hort. Sandder (1903) |
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ゲットウ 月桃 : Alpinia zerumbet B. L. Burtt & R. M. Smith (1972) |
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奄美大島のゲットウ | 福岡植物園 屋外 | |||||||
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垂れ下がる花序 | 花のアップ | |||||||
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果実には筋がある | 黄色から赤へ | |||||||
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キフゲットウ 黄斑月桃 : Alpinia zerumbet 'Variegata' |
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裸名 nomen nudum について | ||||||||
フイリゲットウ Alpinia sanderae の命名者は、hort. Sandder となっており、通常の人名とは異なっている。 この hort. は Hortorum (庭園の) あるいは Hortulanorum (園芸家の) の略で、命名規約に基づかない名前であることを示している。 フイリゲットウの場合は、hort. の後に固有名詞が続いており、horti Sander & Co. (19c.後期〜20c.前期) の略称である。園芸店や種苗園のカタログに載った例などであり、これも正式名称ではない。 |
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国際植物命名規約で有効な名前とするためには、以下のような条件が必要となる。 @ ラテン語で植物の特徴を記載し、ほかの種との違いも明確にする。 A 基準とする標本を伴う。 B 種や属、目などの「分類階級」に対応した学名を付ける。 C 植物学関係の雑誌などで印刷物として公表する。 |
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学名らしい名前は付いているが正式な学名ではないものには、学会用語で「nomen nudum」 (略称 nom. nud. ) が命名者の位置に記載される。 日本語は直訳というか誤訳? した「裸名 (ラメイ)」が使われる。 「名前」という言葉に「nude」が付くのは、nude に「無効な」という意味があるためで、「裸」もわからないではないが やはりちょっと 変? 「無効名」とでもすべきであった。 |
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もし裸名のままの種を探し出して学会誌に正式に発表すれば、例えば |
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Alpinia sanderae hort. Sandder ex Takahashi | ||||||||
などという形で、学名に自分の名前を残す ということができないのだろうか....。 | ||||||||
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参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、 園芸植物大事典/小学館、 週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社、 植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎、 熱帯花木と観葉植物図鑑/誠文堂新光社、 春日健二氏のホームページ「日本の植物たち」 |
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