ヤマビワ 山枇杷
Meliosma rigida Sieb. & Zucc (1843)
科 名 : アワブキ科 Sabiaceae
属 名 : アワブキ属 Meliosma Blume (1823)
原産地 : 日本
(本州伊豆半島以西、四国、九州、沖縄)
別 名 : スノキ、スゴ、スゴノキ、オンジビワ
用 途 :
材が道具の柄、傘の柄、天秤棒などに使われた。
 
撮影地: 日本
←Copyright:福岡教育大学 福原達人

ヤマビワは実物を見たことがなく、ヤマビワの写真は、福岡教育大学 教育学部 環境教育教室の福原助教授が主宰するホームページの写真を、許可をいただいて掲載していた。 その後 2007年に小石川植物園植物園で「発見」し、自分の写真も追加した。

ヤマビワの葉 ビワの葉
←Copyright:福岡教育大学 福原達人

2007.7.1                        樹 形                       2010.10.17
常緑樹林のはじ(道の脇)にあるので、日陰側には枝がない。 花は上部にだけ咲く。 高さ 約 5m。

小学館のフィールド・ガイド『樹木』によると、ヤマビワは常緑樹林に生える常緑の小高木で、高さは6〜8m。 葉の大きさは20 cm。

幹の様子 直径 95 mm

                   新葉の展開           2012.4.30
下から順に展開するのではなく、複数の葉が同時に大きくなっていく。 葉柄から先は垂れ下がっているのが特徴。
  2011.5.13                          2011.5.15
同じ枝の観察ではないが、次第に葉が伸びていく様子を。 表面の毛はすぐに落ちるようだ。

                    花は枝先に付く            2011.5.30
低い所には咲かないのでわからないが、まだ開花前のようだ。 総状花序の形は「アワブキ」と同じであるが、香りがあるのかどうかは不明。

                   大きくなった葉            2007.7.1
                  枝には毛が残る           2007.7.1

                    秋の葉             2010.10.17
アワブキとは違って常緑のヤマビワ。 
葉の大きさが小さく、水平またはやや垂れ下がって付くために印象は異なるが、葉の形や鋸歯、表面の光沢と裏面に毛が生えているところなどは、少しだけ ビワに似ている。

名前の由来 ヤマビワ Meliosma rigida

ヤマビワ
 : 「山に生えるビワ」の意味。
葉は確かにビワに似ているが、山に生えるものなのかどうかは確認できていない。
 
種小名 rigida : 「硬直した、固い」という意味
ヤマビワの材が固いために名付けられたものであろう。
 
Meliosma アワブキ属 泡吹属 :
Meliosma はラテン語の mel (蜂蜜)+osme (臭い)で、アワブキの花に甘い香りがあることに由来している。

和名 アワブキは、この枝を火にくべると、小口(切断面) から泡を吹くためである。それだけ、枝の中の樹液が多いということである。
アワブキの花 アワブキの葉

小石川植物園

東大附属植物園 日光分園

種小名の通り、アワブキの花の香りはすばらしい!
甘くて、しかも嫌みがない。

小石川植物園の売店近くにありますので、5月末の花時に、是非一度 嗅いでみてください

下から見上げると、薄くてしなやかな葉が透けてきれいだ。
アワブキの葉はビワモドキの葉によく似ている。
 
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、
        週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社、
        植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎、
        日本の樹木/小学館、
        樹木/山と渓谷社、
        樹に咲く花/山と渓谷社、
        福岡教育大学 福原達人助教授のホームページ
世界の植物 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ