名前の由来 ギンコウボク Michelia x alba |
ギンコウボク : |
現地では 単に「ギンコウボク」と教えられたので、「銀香木」だと思っていたら、意外にも「銀厚朴」であった。
本種は交雑種で、その片親である「キンコウボク」の花が 黄色であるのに対して、花の色が白色であるところから 名付けられた。 |
|
種小名 alba : 白色の の意味 |
種小名の前にある 「x」 は、交雑種(交配種)であることを示している。
Michelia champaca Linn. と M. montana Blume との雑種ということだ。
|
|
← キンコウボク 金厚朴 Michelia champaca Linn. (1753) |
|
キンコウボク |
Top Tropical のホームページから
同ページは、商業利用でなければ
写真の利用が可能である。 |
 |
写真の花は赤みが掛かっているが、黄色を「金」。「厚朴 hou pu」は、「シナホオノキ Magnolia officinalis」 の中国名であり、花が黄色いホオノキを意味する。
ホオノキの葉は薄手だが、中央脈がしっかりしていて、垂れることはない。葉の形を調整して、それぞれがしっかりと日の光を受けている。 |
|
ホオノキ Magnolia hypoleuca |
 |
 |
中国名 : 銀蘭 |
モクレン の中国名が「木蘭 mu ran」であるため、白いモクレンの意味で使われている。
キンコウボク は 金蘭 。 なお現在 中国で使われている「蘭」の字は、「羊」から「縦棒」を取った略字である。 |
|
Michelia 属 : 人名による |
イタリアの植物学者 ミケーリ Pier Antonio Micheli (1679-1737) を顕彰したものである。
フィレンツェに生まれて後にピサ大学教授となった。 キノコの研究で大きな業績を残した人物である。 |
|
|
|
Michelia属は、近年の分類では モクレン属 (Magnolia属)に統合されているが、クロンキスト・エングラーの分類では独立させている。 |
|
オガタマノキ属 : 招魂(オキタマ)の木 の意味 |
オガタマノキ Michelia compressa Sarg. は、神事で サカキ(ツバキ科)、シキミ(シキミ科)とともに用いられて、境内にも植えられている常緑高木である。
そこで、「魂を招く木」、招魂:オキタマ・オギタマ が転訛して「オガタマ」になったという説がある。
ほかにも、小香玉:オガタマ、拝魂:オガミタマ から、という説も。
小さな花だが さわやかな芳香がある。 |
|
|
モクレン科 Magnoliaceae : 人の名前に由来する |
17世紀フランスの植物学者で、地中海に面するモンペリエの植物園園長であった、ピエール・マニョール(1638-1715)
を記念したものである。
|
|
|
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、
園芸植物大事典/小学館、
週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社、
植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎
神戸市立森林植物園の説明板
GRIN Taxonomy of Plants/アメリカ合衆国農務省
Top Tropical のホームページ |
|
世界の植物 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ |