|
||||
科 名 : | ヤマモモ科 Myricaceae | |||
属 名 : | 新ヤマモモ属 Morella Lour. (1790) | |||
異 名: | Myrica nana A. Chev. (1901) | |||
中国名: | 雲南楊梅 yun nan yang mei | |||
英語名: | yun nan yang mei | |||
原産地 : | 中国 ・ 雲南省 ・ 貴州省、 日本、台湾、南韓国、 フィリピン |
|||
用 途 : | 特になし | |||
撮影地 : | 中国 |
中国雲南省 楚雄近郊の「紫渓山」自然保護区で見たもの。 遊歩道横の土手に生えていた。 |
樹 形 |
低木で、高さは 30cm。 |
葉 と 実 の様子 |
葉の大きさは 約 4cm。 小さな鋸歯が先の方だけに数個ある。 実の大きさは 直径 2cm強。 中には核がある。 雌雄異株なので、この木は雌株となる。 |
|
中国 大理 物売りのヤマモモ | |
|
ヤマモモの分類について |
ヤマモモ科は約30種の小さい科である。 長い間 3つの属に分けられるとされ、基準属の Myrica属に多くの種が分類されて ヤマモモもはいっていた。 最近は、以前から定義されていた4つ目の属 Morella 属が「復活」し、むしろ Myrica 属は2種だけ、という考え方が出ている。 ヤマモモは 通常の事典ではこれまでの分類に従った Myrica rubra Sieb. et Zucc. (1846) と表記されている。 じつは小石川植物園には ヤマモモがあるだけでなく、ヒメヤマモモも 分類標本園に植えられていて、 Myrica nana となっている。 |
ヒメヤマモモ 小石川植物園 | |
今回 掲載するにあたって、最近まず参考にしている 『 Mabbrley's Plant-Book 』 を見て、分類の変化に気が付いた。 アメリカ合衆国農務省のデータベース『 GRIN 』も、これを採用しているため、ヒメヤマモモ、ヤマモモの分類を Morella属とした。 |
両属の命名の経緯 |
年号 | 和名 | 学名 | 命名者 | 備考 |
1735 | ヤマモモ属 | Myrica | Linne | ヤマモモ属 |
1790 | モレラ属 | Morella | Loureiro | 和名:新ヤマモモ属(仮称) |
1790 | ヤマモモ | Morella rubra | Loureiro | 現在は 正名として復活 |
1846 | ヤマモモ | Myrica rubra | Sieb. & Zucc. | 150年間採用されていた |
1901 | ヒメヤマモモ | Myrica nana | A. Chev. | 現在は 異名となる |
2005 | ヒメヤマモモ | Morella nana | J. Herb. | 現在の正名 |
通常は、新しい名前が認められると 過去の名前が「異名」となる。 ヤマモモは、一度 異名となって、約150年後に復活するという 希なケースである。 |
トピックス | ||||||
雌雄異株 |
||||||
|
歩道・車道に落ちた ギンナン | |
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press 週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社 植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎 雲南天然薬物図鑑/雲南出版集団公司 Mabbrley's Plant-Book/G.J.Mabberley GRIN Taxonomy for Plants/アメリカ合衆国農務省 |
世界の植物 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ |