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科 名 : | バンヤ科 Bombacaceae | |||
属 名 : | パンヤモドキ属 (仮名) Pseudobombax Dugand (1943) |
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英語名 : | shaving brush tree | |||
原産地 : | メキシコからグアテマラ | |||
用 途 : | 鑑賞樹 | |||
撮影地: | ドミニカ共和国 ![]() ![]() |
通いなれた植物園の場合は、1年に何度も同じ木をながめるので問題ないが、出張先で1日だけ訪れる場合に初めて目にする木、しかも名札がないとなると、以前に別の場所で見たことに気がつかないことがある。 さらに季節によっては落葉していたり、葉だけで、特徴を示す花や実がないことも多い。 |
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また、管理者の見解で「名札」の学名が、ほかの植物園や事典のものと違っていることもある。 この木の名札は Bombax ellipticum となっていたが、どうやら Pseudobombax ellipticum と同じもののようだ。 |
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この木は乾期の終わり、葉が出てくる前に花を咲かせる。 花が開く時間はわからないが、昼前には、あらかたの花が落ちてしまう。 もしかすると、コウモリが飛び交う夜に咲くのかも知れない。 サントドミンゴの植物園には名札がないが、「遊覧トレイン」(有料) が 園内を一周しており、スペイン語と必要に応じて英語の解説がある。 1日目にまずトレインに乗った。 案内の途中で満開のピンクの花をトレインから眺め、後でゆっくり撮影しようとほかで時間をかけていたところ、「確かこのあたり」と思しき場所にピンクの花が見あたらない! 午後1時近くであったが、とっくに花が落ちてしまっていたのである。 |
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落ちてしまった花 (夕方の状態) | |||||||||||
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次の回は「早めに」と思いながらも、ついつい時間を取られて11時過ぎに辿り着いたところ、やはりかなりの花が落ちていた。 3回目にして なんとか「満開の」木を撮ることができた。 |
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新葉 | シンガポールの葉 | ||||||||||
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枝振り | 幹は緑色が残る | ||||||||||
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生え際 | シンガポールの根元 | ||||||||||
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地際から枝分かれする性質があるようだが、ドミニカのものは落ち葉に埋もれて、寄せ植えのようにも見える。 シンガポール植物園の方は、葉の色で写真全体が緑がかっている。 萼?から頭を出したつぼみが、ドングリのような状態からぐんぐんと細長く伸びてくる。 開花前の薄茶色の花びらは艶があり、まるで磨いた革製品のようだ。 |
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開花前日にはバックスキンのような、毛羽立った感じになる。 そして開くと、花弁は くるくるり と反転する。 |
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『朝日新聞社/植物の世界』にはピンクの花ではなく、白くて、雄しべがあまり開いていない、この花よりも「髭剃りブラシ」の形に近い写真が載っていた。 ピンクでも種は区別されていない。 |
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落ちた花 | |||||||||||
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落ちても花びらは丸まったままだが、翌日?になると 雄しべの色は濃くなり、花弁も萎れて伸びてしまう。 花弁が開くのは、内側の細胞が大きくなるためだから、水分がなくなって、元の状態になったのであろう。 |
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広島植物園の温室で、『朝日百科/植物の世界』に載っていた「白花種」を見かけたが、花は逆光の状態でしか撮れなかった。 この木も、白いひび割れが美しい幹をしていた。 |
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白花の プセウド・ボンバックス | |||||||||||
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名前の由来 シェービング・ブラシノキ Pseudobombax ellipticum | |||||||||||
和名: シェービング・ブラシノキ (仮名) |
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種小名 ellipticum : 楕円の という意味 | |||||||||||
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キワタモドキの葉 | インドキワタ (Bombax属) | ||||||||||
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Pseudobombax属 キワタモドキ属 (仮名) : |
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Pseudobombax属 |
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← Bombax属 : キワタノキ属 Linn. (1735) | |||||||||||
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パンヤ科(キワタ科) Bombacaceae : 絹の糸 の意 | |||||||||||
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参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、 園芸植物大事典/小学館、 週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社、 植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎 |
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