| 山手線 が 渡る橋 ･くぐる橋 |  |
| 原 宿 → 代々木 |
| 番外. 宇田川アーチカルバート |
| 日本鉄道の建設当初にはあった、渋谷川支流の宇田川のアーチカルバート。渋谷の街の発展は著しく、早くから暗渠化されたようだ。 |
| アーチカルバート の 歴史 |
| 1885(明治18)年：日本鉄道 品川 - 赤羽間 単線開通(現埼京線部分） | |
| 甲州街道方面から流れ出した何本かの支流が集まった渋谷川の支流のひとつ、宇田川が渋谷川に合流する場所である。 渋谷の谷の最も低い場所を築堤して、線路を通した。 | |
| 縦断面図Ａ：日本鉄道品川線 |
 『日本鉄道会社線路平面図及縦断面図』1894(明治27)年 に加筆 |
| 宇田川の位置は▼。現在の宮益架道橋のすぐ横で、開通時の幅は 6'-0"、約 1.83 ｍ。当時の駅はかなり南寄りにあった。 |
| 地図Ｂ：単線時代の品川線 と 渋谷川上流部 (1897 明治30年) |
 1880(明治13)年測図、1897(明治30)年修正の２万分の１地図 内藤新宿に加筆 |
| 本図発行の 1897(明治30)年では品川線は単線。赤い枠は後半に掲載する 写真Ｉの範囲を示している。 |
| 石造りの 宮益橋 1901年（明治34年） |
 |
| ヒカリエ工事現場の展示より/出典は『渋谷の記憶』渋谷区教育委員会 |
| 下流から新宿方向を見ているが、川幅は意外に広く、垂直の土手が高い。宇田川は橋のすぐ上流で左側から合流していた。 | |
| 撮影した1901年は日本鉄道 品川線開通から 15･6 年、いまだ単線の時代で、左端が踏切と思われる。 | |
| 1905(明治38)年10月：品川線 渋谷 - 新宿間 複線化 |
| 地図Ｃ：複線化後 1909(明治42)年 | ||
| 南 |  1909(明治42)年測図 １万分の１ 四谷に加筆 / 国土地理院 |
北 |
| 線路付近の一角に まだ宇田川が残っているが、上流部(水色の点滅)には川の記号が無く、早くも暗渠化されたものと思われる。青山通りは川の手前まで拡張されているが、線路は踏切のまま。 | |
| ところが、1921(明治44)年発行の地図『東京府豊多摩郡渋谷町』逓信協會 では、開渠の状態で渋谷川に注いでいる。 | |
| 地図Ｄ：まだ複線 踏切状態 1911(明治44)年？ |
 |
| 宮益橋のすぐ南側に 新しく市電の橋が架かっているので、地図Ｃよりも後であることは間違いない。 |
| 地図Ｅ：暗渠化が進む 1916(大正５)年 | ||
| 南 |  １万分の１ 四谷 / 1916(大正５)年 第１回修正測図 / 国土地理院 |
北 |
| 地図Ｄとはスケールが異なる。以前にあった水路は無くなり、線路部のカルバートの跡(= ○)と、道路の両脇の川の名残が残るのみ(○の場所)。 |
| 1920(大正９)年８月：渋谷駅が現在地に移動 (Wikipedia) 又は 1921(大正10)年：『渋谷の記憶』(2007) による この時までには 踏切が架道橋となる。 |
| 地図Ｆ：新渋谷駅、複々線化の過渡期 1921(大正10)年 |
 １万分の１ 四谷 / 1921(大正10)年 第２回修正測図 / 国土地理院 |
| 渋谷駅が今の位置に｡「川の名残｣(○印)は無くなった。 | |
| 架橋に際しては道路が掘り下げられた。図中の宮益橋の標高が 16.8m (現在は15.2m)、架道橋付近の現在の標高は 14.6m である。 |
| ○は以前カルバートの跡があった所だが、新しい架道橋の橋台を造るにあたって、この地中にあったはずの暗渠が障害物になりそうだ。 |
| 1922(大正11)年７月：山手線 渋谷 - 原宿間 複々線化。 | |
| 1923(大正12)年９月：関東大震災 |
| 1924(大正13)年12月：原宿 - 新大久保間の複々線化 完了 山手線代々木駅 高架に移動 |
| 1925(大正14)年11月：山手線環状運転 | |
| 山手線と貨物線が分離された。 | |
| 写真Ｇ：昭和初期 1936(昭和11)年 | ||
| 南 |  1936(昭和11)年６月11日撮影 / B8-C1-17 / 国土地理院 |
北 |
| 現在の｢井の頭通り｣が整備されると、宇田川はその下に暗渠として通された。渋谷川には、川下に向けた立派な合流口が整備された。それが次の写真である。 | |
| 写真Ｈ：合流口 撮影は1951(昭和26)年 | ||
| 山手線 貨物線 |
ヒカリエ工事現場の展示より/出典は『渋谷の記憶』渋谷区教育委員会 |
|
| 合流口 ↑ ↑ 渋谷川 |
| 戦後６年を経て、多くの建物が建っている。暗渠は中渋谷架道橋の下を通っていた。 |
| 写真Ｉ：敗戦後の焼け野原 1947(昭和22)年 |
 |
| 写真の撮影年が前後する。まだかなりの地区が焼けてしまったままの状態だが、ワシントンハイツには進駐軍の住宅が並んでいる。水色の点線････がこの時点での暗渠を示している。黄色の点線は、昔のおよその流路。 | |
| 現在は下水の宇田川幹線(汚水･雨水合流式)が埋設されている。 | |
| 西 |  東京都下水道局下水道台帳 に加筆 |
東 |
| 大雨時のオーバーフロー水は、線路をくぐった所、ほぼ昔の合流場所と同位置で、暗渠化された渋谷川につながれている。 |
| Top Menu へ 山手線が渡る橋・くぐる橋 高橋俊一 中渋谷架道橋へ |