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科 名 : | バラ科 Rosaceae | |||
属 名 : | サクラ属 Prunus Linn. サクラ亜属 バクチノキ節 |
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異 名 : | Laurocerasus officinalis M. Roem. | |||
原産地 : | 南西アジア(イラン、トルコなど) から 東南ヨーロッパ(ブルガリア、セルビアなど) | |||
英語名 : | cherry-laurel | |||
用 途 : | ヨーロッパでは 刈り込んで生垣や 境栽にされることが多く、比較的耐寒性の強い常緑樹として、遮蔽目的に使われる。 『園芸植物大事典/小学館』 葉が大きいので 住宅の生垣には適さない。 |
サクラ類の学名は 各所各人でまったく違うため、サクラ属に関しては、米国農務省のデータベース『GRIN Germplasm Resources Infor. Network』 の学名で統一する。 |
GRINでは サクラ類、ウメ・スモモ類、モモ類を、すべて「サクラ属」として統一している。花序の構成や果実の形状などには違いがあっても、遺伝子的には変わりが無い
というのが、その根拠だと思われる。 その結果、サクラ属 Prunus の中を、次の3つの亜属に分けている。 |
サクラ亜属 Cerasus、スモモ亜属 Prunus、モモ亜属 Amygdalus |
さらに分類を判りやすくするために、亜属は多くの「節」に分けられ、セイヨウバクチノキ や バクチノキは、サクラ亜属 バクチノキ節 Laurocerasus に属す。 |
サクラ属の中を 以下の5つに分ける考え方もある。 | |
ウワミズザクラ亜属、サクラ亜属、スモモ亜属、モモ亜属、 バクチノキ亜属 |
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さらには、これらの亜属を 5つの属として独立させる考え方もあり(大場秀章 など)、その場合は、属名だけでなく種小名まで変わる例もある。(異名 参照) |
樹 形 2011.4.15. |
画面の右半分がセイヨウバクチノキ。20番通りのユリノキの大木を過ぎて、常緑樹林が始まった場所の右側。奥に見える看板が 標識25番である。 |
開花時期に 2013.4.4. |
高さは3mぐらいしかなく、枝が地面に着いている。本来は6mになる常緑低木だが、この木は風で倒されたためにこのようになってしまった。通り側からはわからないが、裏に回ると異常な樹形が見える。 |
幹の様子 2007.3.31. |
枝が地面に食い込んで、たくさん生えているように見える。バクチで打ちのめされても またよみがえる、西洋の博打の木。 |
幹の様子 | 参考:バクチノキ |
太さ 約 40センチ |
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← 太さ 約 14センチ |
バクチノキと同じ属だが、幹が細いせいか 樹皮は剥げ落ちていない。園内にあるバクチノキも、若い 直径15センチの幹では剥がれていない。 |
葉の様子 と 冬芽(花芽) 2012.2.21. | |
葉は皮質で細長く 先端附近に浅い鋸歯がある。全縁のこともある。 |
膨らんだ花芽 2012.3.11. |
前年に延びた枝の葉腋に、たくさんの花芽を付ける。 |
伸びた花序 | 花序の詳細 2013.3.17. |
ひとつひとつの花(小花)は 早落性の苞に包まれている。 |
つぼみのまま 2012.4.9. |
小苞がすっかり落ちても、なかなか咲かない。 |
開 花 2007.3.31. |
当然のことながら、開花は年によって違う。長さは15~20センチ。 |
2011.4.15 |
花の詳細 2012.4.22. | |
ひとつの花は 1センチ程度。萼筒の内部はパパイア色、星形の萼は 淡い黄緑。長い雄しべは中央部にたたまれていて、バネ仕掛けのように広がるのはこの属に共通している。 |
若い果実 2013.5.15. |
実の付きは非常に悪く、ほとんどできない。右側は花後に伸び出した今年の枝。2枚の托葉がある。 |
この後 実の観察を怠って、熟した実、種子の写真がない。 |
黄葉、落葉 2013.5.15. | |
落ちるのは2年前の葉と思われる。 |
新 葉 2013.5.15. |
スペースがあれば 適宜枝分かれする。 |
セイヨウバクチノキ の 位置 |
C 6 a | ● | 20番通り、標識25の手前 右側 |
名前の由来 セイヨウバクチノキ Prunus laurocerasus | |
セイヨウバクチノキ : 外国産のバクチノキ |
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← バクチノキ : 博打の木 の意味 | |
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小石川植物園 | 京都植物園 |
京都植物園の写真は離れた位置から撮っているが、幹のサイズは同じぐらいである。全体的に落ちるためか、真っ赤になる。 |
種小名 laurocerasus : 月桂樹桜 | ||
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セイヨウバクチノキ | ゲッケイジュ 2011.5.31. |
若葉だと 鮮やかな緑色に惑わされて、似ているように思えるかも知れないが、成葉では葉の厚みや色艶なども変わってくるし、サイズが数倍となる。写真は ノン・スケール。 |
セイヨウバクチノキ 2013.4.4. | ゲッケイジュ 2009.4.22. |
Prunus サクラ属 : スモモ から | |
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植物の分類: | APG II 分類による セイヨウバクチノキ の位置 |
バラ目であるバラ科サクラ属、クロンキストの分類では当然のように「バラ亜綱」に分類されていた。 ところがAPG分類ではさらに後から分化した「マメ群」に位置付けられた。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、イネ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱: | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
以前の分類場所 | バラ目 | アジサイ科、ベンケイソウ科、ユキノシタ科、バラ科、など | |||||
マメ 群 : | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
バラ目 | バラ科、グミ科、クロウメモドキ科、ニレ科、アサ科、クワ科、など | ||||||
バラ科 | カナメモチ属、サクラ属、ヤマブキ属、バラ属、キイチゴ属、など | ||||||
アオイ群 : | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱 : | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群: | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) |
小石川植物園の樹木 -植物名の由来- 高橋俊一 五十音順索引へ |