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科 名 : | マメ科 Fabaceae | |||
属 名 : | クララ属 Sophora Linn. ( 1742 ) | |||
英語名 : | Chinese scholar tree , Japanase pagoda tree |
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中国名: | 槐樹、 槐 huai | |||
原産地 : | 中国北部 | |||
用 途 : |
街路樹、公園樹として植えられる。 蕾は止血・消炎、高血圧の薬用に、また黄色の染料に使われる。樹皮は茶色の染料に。材は床柱や床框などの建築材や、家具・工芸品に使われる。 |
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備 考 : | エンジュの分類を Styphnolobium 属 とする見解がある。 |
植物園には3本のエンジュがある。 下の段 中島池のほとりのものは昔名札が付いていなかったのだが、2010年頃にエンジュとなった。 上の段の1本は背が高く、花が咲いているのにも気が付かないほどである。 もう1本 「イチョウトイレ」のすぐ近くの大きな木は、幹が腐ったために近年に切られ、切り株から生えてきたものが5mほどになっている。 |
① : 島池のほとりのエンジュ 2011.8.4 |
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① : 島池のほとりのエンジュ 2010.9.20 | |
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名札が付いていない時に一度根元から切られたので、雑種なのかと思っていたが、判定作業が行われたのか 晴れて「エンジュ」の名札が付いた。 |
昔の様子 2002.8.17 | |
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たくさんのひこばえが出て株立ち状態となったが、若い幹は真っ青だった。 |
2010.10.11 ② : シマサルスベリの近くのエンジュ 2007.3.18 | |
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この木の手前にあった大きなココノエギリが枯れ死してしまったため、全景を撮れるようになった。 右隣は これも大きなヒトツバタゴ。 |
③ : トイレの前のエンジュ 2011.7.17 | |
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ひょろ長い木だったのだが、いつの時か伐採された。 切り株の中央部が空洞になっているので、倒壊の危険があったのだろう。 新たな枝はすでに4m以上になっている。 |
幹の様子 | 羽状複葉 の 葉 |
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蕾の状態 2011.7.17 |
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花 のアップ 2011.8.4 | |
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同じ花を 斜め上からと横から。 花弁の中央の大きな「旗弁」は後ろに反り返る。 ひとつひとつの花は小さい。 |
シダレエンジュの花 | 花 と 若い実 2010.9.20 |
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花の写真のよいものがないので、ひとまずWikipediaから借りておく。 果実は数珠状になり、長い果柄にぶら下がる。 |
種子 |
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長さ 8~10mm。 |
エンジュの 位 置 |
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写真① : | E7 d | ● | 標識75番の先 池のほとり |
写真② : | C5 a | ● | シマサルスベリ並木の左側 |
写真③ : | B9 d | ● | トイレの近く |
名前の由来 エンジュ Sophora japonica | |||
和名: エンジュ : 昔の名前「エニス」が変化したもの |
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種小名 japonica : 日本の という意味 | |||
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ケンペル著 『廻国奇観』 841ページ | |
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エンゲルベルト = ケンペル | |||||||||
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Sophora 属 クララ属 : | ||||||||||
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( Styphnolobium 属 エンジュ属 ) : | |
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英語名 Chinese scholar tree : 中国の学者の木 | ||||
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マメ 科 : Fabaceae , ( Leguminosae ) | |
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ジャケツイバラ亜科 Caesalpinioideae |
ネムノキ亜科 Mimosoideae |
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トピックス 街路樹としてのエンジュ |
街路樹に多く使われているのは「イチョウ」と「プラタナス」であるが、現在ではバラエティに富んだ樹種が使われるようになってきた。 ただし、どんな木でも OK というわけではなく、以下に挙げるようなさまざまな適性条件の中のいくつかはクリアする必要がある。 |
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東京区部の街路樹は1995年4月の古い資料によると、約 25万2千本、延長 1,776km であるが、区民一人あたりにするとわずか 0.03本であり、大阪市の半分、札幌市と比べると10分の1であった。 植裁本数でのベストテンは、イチョウ、プラタナス、サクラ類、ハナミズキ、トウカエデ、エンジュ、クスノキ、ケヤキ、マテバシイ、ヤマモモとなっている。ベスト5を覚えれば区部の街路樹の50%、10種類を覚えれば73%をカバーできる。 エンジュは6位にはいっているが、先の条件に○印を付けたものが エンジュに当てはまる長所である。 その主な街路をあげると、長いところでは山手通りの豊島区要町から渋谷区代官山まで、環7通りの足立区部分、環8通りの田園調布から矢口まで、などである。 ほかに靖国通りの曙橋付近、内堀通りの一ツ橋付近、銀座電通通り、春日通りの茗荷谷付近などと区部中央から西部方面に多い。 |
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植物の分類 : | APG II 分類による エンジュ の位置 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類) : | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、ヘゴ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、イネ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱 : | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
マメ 群 : | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
マメ目 | キリァイア科、マメ科、スリアナ科、ヒメハギ科 | ||||||
マメ科 | アカシア属、ネムノキ属、エンジュ属、 など多数 | ||||||
アオイ群 : | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱 : | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群 : | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) |
小石川植物園の樹木 -植物名の由来- 高橋俊一 五十音順索引へ |