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科 名 : | トウダイグサ科 Euphorbiaceae | ||
属 名 : | シラキ属 Neoshirakia Esser (1998) | |||
旧属名 : | シラキ属 Sapium Jacq. (1763) | |||
中国名 : | 白木烏桕 bai mu wu jiu | |||
原産地 : | 山形・岩手県以南の山地 朝鮮半島、中国 |
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用 途 : | 白い材を細工物に、また薪炭材に使われる。以前は 種子から採れる油(シラキ油)を、灯油・塗料・頭髪油として利用した。 |
小石川植物園の名札は Sapium 属であるが、『植物分類表/大場秀章』、 「GRIN」ともに、Neoshirakia属という 15年ほど前に立てられた新しい属に分類している。 |
紅葉するシラキ 2011.11.15. |
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斜面に生えているため、夏の写真だと周囲の緑に重なってわからないため、まず紅葉の写真を掲げた。トウダイグサ科のシラキは、以前はナンキンハゼと共に Sapium属に分類されていた。花や実の形が似ており きれいに紅葉するなど、ナンキンハゼと共通点が多い。 |
シラキ の位置 | ||
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60番通り |
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仮称 シラキ坂。直接上の段にはつながっていない。 |
こんな場所に植えるわけはないので、実生だろう。人通りがほとんどない道なので、踏みつけられずに生き残ったものだ。 |
シラキの幹 | |
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日が当たると銀白色に見えるが、実際は灰色。近くにあるクロキよりは明るい色である。胸高の直径は 約11センチ。 |
クロキの幹 |
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展開した新葉 2011.4.29. | ナンキンハゼ |
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柔らかい葉で 形はナンキンハゼとは違う。 |
花 序 2012.5.5. |
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新しく出た枝の先に付く。 |
成 葉 2012.5.23. |
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葉の色が濃くなっている。 |
雌雄同株 2011.5.24. | ナンキンハゼ |
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![]() ナンキンハゼも 同じ |
花序の基部に 数個の雌花が付き、雌花が先に熟す。 |
雌性先熟 2012.5.18. | ナンキンハゼ |
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![]() 共に花弁は無く柱頭は3裂 雄花は全く開いていない |
カミキリムシの一種? 2012.5.23. |
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雄花はまだ花粉を出していないようだが・・・・。 |
雄花の開花 2013.5.28. | ナンキンハゼ |
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![]() ナンキンハゼには たくさんのハチが来る |
雄花が咲く頃には雌しべの柱頭は枯れていて、すでに子房が膨らんでいる。雌雄の花に時間差があるのは、自家受粉を避けるため と言われている。しかし両者とも、植物園には1本しかないし、近所に植わっている樹種ではない。 |
薄手の葉 2002.6.1. |
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幼果がたくさん生っている。 |
シラキの若い果実 2013.6.18. | |
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果実には3裂した柱頭が残っている。子房は3室で 各室に1つの種子。雄花の枯れた花序も まだ付いている。 しかし この後の観察を忘れ、熟した状態は見逃してしまった。 |
まずは黄葉 2010.11.13. |
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美しい紅葉 2011.11.16. |
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シラキの 位 置 |
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F13 a | ● | 60番通り メタセコイア林の横から右に登る坂の途中 この坂を「シラキ坂」とする |
名前の由来 シラキ Neoshirakia japonica | |
シラキ 白木 :材が白いため |
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種小名 japonica : 日本原産の | |
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シラキ属ほど 何度も属名が変更された例は 珍しい | |||||
西暦 | 属名・学名 | 命名者 | 備考・命名の由来 | ||
1756 | Sapium | パトリック・ブラウン | 粘る の意味から。属名だけで 種は記載していない | ||
1759 | Excoecaria | ジーン・ミューラー | めくらにする、枝を燃やした時の煙で目を痛めるため | ||
1767 | Stillingia | リンネ | 英国の植物学者 B.Stillingfleet氏(1702-1771)を顕彰 | ||
1790 | Triadica | ローレイロ | 三数性の構造による | ||
1846 | Stillingia japonica |
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1858 | Triadica japonica | バイロン | |||
1863 | Excoecaria japonica | ミューラー | |||
1912 | Sapium japonicum | パックス、ホフマン | 近年は この学名が使われていた | ||
1954 |
Shirakia Shirakia japonica |
古沢潔夫 | シラキ に由来 それまでの Sapium 属との相違点などは不明 |
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1998 |
Neoshirakia Neoshirakia japonica |
Bingtao Li & Hans-Joachim Esser |
新しい シラキ属 の意 中国の研究者による命名 |
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Neoshirakia シラキ属 : 新しいシラキ属 | |
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カナダ ブリティシュ・コロンビア大学のホームページより |
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Sapium サピウム属 : 粘る の意味から | |
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Triadica ナンキンハゼ属 : | |
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トウダイグサ科 灯台草科 Euphorbiaceae : | ||
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植物の分類 : | APG II 分類による シラキ の位置 |
以前、植物の外観や構造などの形態学的な解析で分類していた時には、よくわからない植物が トウダイグサ科に入れられていたという。葉緑素の核酸の塩基配列などを分析する手法の研究が進み、APG
II 分類では、トウダイグサ目は キントラノオ目にまとめられた。 APG分類では、科 や 属 もまとめられることが多いが、トウダイグサ科の中から新たにコミカンソウ科が分けられたり、トウダイグサ科の中で新たな属が作られるなど、研究が進んだ。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物 (シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ヘゴ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、イネ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱 : | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
以前の分類場所 | トウダイグサ目 | ←消滅。ツゲ科、シムモンドシア科、トウダイグサ科 | |||||
トウダイグサ科 | コミカンソウ属、トウダイグサ属、アブラギリ属、など | ||||||
マメ 群 : | ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
キントラノオ目 | ヤナギ科、スミレ科、トケイソウ科、トウダイグサ科など | ||||||
トウダイグサ科 | トウダイグサ属、トウゴマ属、シラキ属、など | ||||||
アオイ群 : | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱 : | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群 : | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) | ||
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