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科 名 : | ミズキ科 Cornaceae | |||
旧科名: | ウリノキ科 | |||
属 名 : | ウリノキ属 Alangium Lam. (1737) | |||
中国名: | 八角楓 | |||
原産地 : | 中国、台湾、東南アジア諸国、インド、ブータン、ネパール、パキスタン だけでなく、熱帯アフリカの 東部・西部・南部と分布域が広い | |||
用 途 : | ウリノキ同様 植物園に植えられるぐらいで、一般には流通していないようだ。 |
シナウリノキは園内の二箇所、正門を入ってすぐ右の自転車置き場と、20番通り中程、オオムラサキツツジの生け垣附近の左側に植えられている。 |
@:樹 形 2013.7.19. |
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高さ 約 7m。細いのに 上にも横にもよく枝を伸ばす。そのため樹形的には極めて散漫な形で整わない。 |
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主幹が傾いているのは、恐らく 大昔の風のせい。 |
A: 20番通り 標識23番から見た景色 |
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Y字路のコーナー、オオヤマザクラの黒い幹の後ろに たくさんのシナウリノキが生えている。 |
A:樹 形 2013.7.19. | ||
標識23番 |
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シナウリノキを通り過ぎて、正門の方向を振り返って見ている。ここには直径25センチほどの太い木があったが、2012年6月19日の台風4号の風で、根元から倒れてしまった。枝の伸びが早い上に 大きな葉を付けるので、根の張り具合とのバランスが取れないのだろう。現在 高さ 約6m。 |
根元で割れた Aのシナウリノキ 2012.6.26 撮影. | |
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2013.7.19.![]() |
上に伸びている二本の幹が 少し太くなっている。周りには実生苗と思われる若木が無数に。 |
B 幹の様子 2001.3.4. | A 幹の様子 |
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Aの木のすぐ隣に生えていたもの。かなり前に完全に横倒しになってしまい、現在はひこばえが出ている状態である。 |
2007.5.2 枝振り 2001.3.4 | |
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勝手な方向に細長く伸びる。いうなれば 滅茶苦茶。 |
枝葉の出始め 2013.4.4. | |
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葉の元に「托葉」はないので、最初に出る2枚の小さい葉は 恐らく「前出葉」 あるいは 「低出葉」だろう。葉柄が無く 2枚のうち片方は長く残る。 |
残った一枚 2013.7.19 落ち跡 | |
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展開したての若い葉 | 成熟した葉 |
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初めは葉の表にも産毛が付いているが、すぐに落ちる。写真は葉の裏側で、特に葉脈の分岐点に少量の毛が残る。 |
枝は水平 ジグザグに伸びる |
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葉のサイズは様々 2013.7.19. |
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枝が伸び始める頃の葉は小さく、先では大きくなる。葉柄が赤くなることも。葉は浅く切れ込むが、一般に小さな葉では少なく 大きな葉では多い。切れ込みがないこともあるので、その数は0〜9。 |
切れ込みがない葉 2013.7.19. |
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左下の葉は 0.5 あり。白いジクザグは花が落ちた後の花柄。 |
左右 非対称 |
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葉の一番の特徴は 左右が対称形ではなく、枝の先端側が広くなる事。この葉はシナウリノキの標準的なもので、右側の側脈(そくみゃく)が一本多く▲、主脈と合わせて 計4本。切れ込みの数は6〜7。 |
この葉は 葉脈 6本 |
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この葉は 長さ 約27センチと大きくて、葉脈は6本、切れ込みは10もある。 |
花序 2011.6.16. |
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今年伸びた枝の葉腋から花序が 下向きに出る。 |
つぼみ 2007.6.3. |
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萼は極く小さく 分かりづらい。小さなおくらの実のようだ。長さは2センチ程度。 |
開 花 2011.6.16. |
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一度に咲くことはなく、枝に近い花から順次 咲いていく。大きくカールする花弁と 黄色い雄しべとの対比がおもしろい。雌しべは長く突き出る。 |
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若い実 2013.7.19. |
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疎らにしか結実しない。 |
黒く 艶のある実 2013.7.19. | |
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大きさは 長さ7ミリ程度。中には ラグビーボールの形の褐色の核が1つある。 |
始まった黄葉 2013.10.19. |
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一斉に色付くことはない。 |
2013.10.19 | 冬芽 2014.1.21. | |
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「冬芽」は葉柄の中(枝の中)に隠れていて、葉が落ちるまで見えない。 両方の写真とも 上側が主幹。 |
シナウリノキ の 位 置 |
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写真@ : | F16 b | ● | 自転車置き場 道路寄り |
写真A : | C8 d | ● | 20番通り オオムラサキのY字路 左側 |
名前の由来 シナウリノキ Alangium chinensis | ||
和名 シナウリノキ、種小名 chinensis : 中国原産のウリノキ の意味 |
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← ウリノキ Alangium platanifolium var. trilobum | |
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ウリノキ | |
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福岡教育大学 福原教授のテキスト より | Wikipedia より |
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中国名 八画楓 :フウの葉に似ているが 八つに裂けている | ||||
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Alangium 属 : | および 旧 Alangiaceae ウリノキ科 |
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ミズキ科 Cornaseae | |
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植物の分類 : | APG II 分類による シナウリノキ の位置 |
ミズキ目 ウリノキ科やミズキ科の位置は APG分類で大きく変わった。 |
原始的な植物 |
↑ | 緑藻 : | アオサ、アオミドロ、ミカヅキモ、など | |||||
シダ植物 : | 維管束があり 胞子で増える植物 | ||||||
小葉植物 : | ヒカゲノカズラ、イワヒバ、ミズニラ、など | ||||||
大葉植物(シダ類): | マツバラン、トクサ、リュウビンタイ、ゼンマイ、オシダなど | ||||||
種子植物 : | 維管束があり 種子で増える植物 | ||||||
裸子植物 : | 種子が露出している | ||||||
ソテツ 類 : | ソテツ、ザミア、など | ||||||
イチョウ類 : | イチョウ | ||||||
マツ 類 : | マツ、ナンヨウスギ、マキ、コウヤマキ、イチイ、ヒノキ、など | ||||||
被子植物 : | 種子が真皮に蔽われている | ||||||
被子植物基底群 : | アンボレラ、スイレン、など | ||||||
モクレン亜綱 : | コショウ、モクレン、クスノキ、センリョウ、マツモ、など | ||||||
単子葉 類 : | ショウブ、サトイモ、ユリ、ヤシ、ツユクサ、ショウガ、など | ||||||
真生双子葉類 : | キンポウゲ、アワブキ、ヤマモガシ、ヤマグルマ、ツゲ、など | ||||||
中核真生双子葉類: | ビワモドキ、ナデシコ、ビャクダン、ユキノシタ、など | ||||||
バラ目 群 : | |||||||
バラ亜綱: | ブドウ、フウロソウ、フトモモ、など | ||||||
以前の分類場所 | ミズキ目 | ウリノキ科、ニッサ科、ミズキ科、ガリア科 | |||||
マメ 群: | ハマビシ、ニシキギ、カタバミ、マメ、バラ、ウリ、ブナ、など | ||||||
アオイ群: | アブラナ、アオイ、ムクロジ、など | ||||||
キク目 群 : | |||||||
キク亜綱: | ミズキ、ツツジ、など | ||||||
ミズキ目 | ミズキ科、ヌマミズキ科、シレンゲ科、アジサイ科、など | ||||||
ミズキ科 | ウリノキ属(←ウリノキ科 より)、ミズキ属 | ||||||
シソ 群 : | ガリア、リンドウ、ナス、シソ、など | ||||||
↓ | キキョウ群: | モチノキ、セリ、マツムシソウ、キク、など | |||||
後から分化した植物 (進化した植物 ) | ||
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小石川植物園の樹木 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ |