アイスクリームノキ
アイスクリームの木
Inga edulis Mart. (1837)
科 名 : ネムノキ科 Mimosaceae
属 名 : インガ属 Inga Miller (1754) 
原産地 :
ベネゼラ、ガイアナ、スリナム、仏領ギアナ、ブラジル、ペルー、ボリビア、コロンビア
英語名 : icecreambean, ice-cream-tree
用 途 : サヤの中の白いパルプ質部分を食用にする
 
撮影地 :
シンガポール
 
 
樹 形
幹がクネクネと曲がっている木で、枝は低く横に広がっている。
後ろに幹が見えるが、それは別のもの。
 
幹の様子
枝が細いためか垂れ下がってくるので、こんな形になるのだろう。
 
葉は一回羽状複葉

 
葉の様子
葉軸に翼があり、吸盤のような腺体がある。
 
枝の先に付く つぼみ

 
ネムノキと同じように萎れた雄しべが茶色く残る所は汚らしい。
 
名前の由来 Inga edulis
 
和名 アイスクリームノキ アイスクリームの木 :
英語名 icecreambean, icecream tree : 
花の時期で実は生っていなかった。
事典によると、果実はヘビのように長く、時には2mに達するそうだ。
 
『朝日百科/植物の世界』のには、同じ属の Inga spectabilis についての記述で 「ソラマメほどもある黒い種子も捨て、薄く白い種衣だけを食べる。さわやかな甘さがあり、口の中でシュワッと溶ける感じがする」 とある。
 
香りがバニラアイスクリームに似ているともいわれる。
参考に Wikipedia の本種の写真をお借りする。
莢には数本の縦筋がある。
 
 
これまでに掲載した植物では、同じネムノキ科の キンキジュ が、黒い種子の周りの白い種衣を食用にするものだった。
参考 キンキジュ Pithecellobium dulce

種小名 edulis : 食べられる という意味
世界で最も食べる部分の効率が悪い果物のひとつ。
『朝日百科/植物の世界』
重量比のことであろう。
白い部分は軽いので、かさの割に重さは小さくなる。
Inga属  インガ属 :
『植物學名辞典/牧野』には「南米植物名」とあり、由来は載っていない。
 
世界に300種があるそうだが、『園芸植物大事典』には項目さえない。
 
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press
        週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社
        MABBERLEY'S PLANT-BOOK/Cambridge Univ. Press
        植物學名辞典/牧野富太郎、清水藤太郎
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