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シンガポール ![]() ![]() 日本 ![]() |
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科 名 : | バンレイシ科 Annonaceae | |||
属 名 : | イランイランノキ属 Cananga Rumph. ex Hook. f. & Thoms. (1855 ) |
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英語名 : | ilang-ilang | |||
現地名 : | Kenanga | |||
原産地 : | 不明 | |||
用 途 : | 香水の原料。 鑑賞樹、公園樹、街路樹 |
シンガポール植物園で見かけたものは、高さ1.5m程度の小さな木で、事典で調べるまでは、15mにもなる木であるとは思ってもみなかった。 |
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シンガポールの木 | |||
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![]() 根本の方には地衣類などが付いており、若木とは言えない。 もしかすると「変種」の チャボイランイランノキ (矮性種) かも知れない。 |
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ドミニカ共和国では ところどころに街路樹としても植えられており、国立植物園のものは高さが10m近くあった。 シンガポールにも街路樹で有名なところがあるらしい。 |
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ドミニカ共和国の木 ( 左右は別の木 ) | |||
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右の木はまだ木肌が若々しく、一気に伸びていった感じが受け取れる。 枝が落ちた跡が まるで「一つ目小僧」のようになっていた。 |
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黄色く色づいたイランイランノキの花には強い香りがあり、『園芸植物大事典』と『植物の世界』で記述に違いがあるが、少なくとも近年までは香水の原料とされていたようだ。 |
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完全なつぼみ ( 奥 ) | たくさん付く花 | ||
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花序には7〜10個程度の花が付く。左の写真の手前のふたつは、まだ「開花」とは言えまい。この状態での花弁の長さは7mm ぐらいである。 |
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成長途中の花 | 成熟した花 | ||
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花の機能として受粉の準備ができた時きに、初めて香りを放ち 虫を誘うことになる。右の写真では、内側の3枚の花弁中央部が茶色くなっている。 中央が雌しべ、その周りを数多くの雄しべが取り囲んでおり、強烈な香りがする。花を小瓶に差しておくだけで、その水に香りが移った。 どんな花でも つぼみの時は小さく、開花するまで あるいは 開花してからも大きくなるのが普通である。 しかし イランイランノキの花は、開花時に1cmぐらいの花弁が、最後は7〜9cmにまで伸びてしまう。 |
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つぼみの状態と 開花後 時間が経った花。 ようやく 黄色くなってきているが、この程度では まだ香りはそれほどではない。 |
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シンガポール植物園の花は、先端がカールする傾向がある。 咲き始めは完全に黄緑色の花が、黄色く色付くまでに、少なくとも2週間はかかりそうだ。 |
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3月22日 夕方 | 4月3日 朝 (11日後) | ||
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すでに開花した花が 10日以上経っても まだ色づいたとは言えない状態である。 |
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ひとつの花に複数の実が生る「集合果」が、バンレイシ科の特徴である。果床には短い柄で付いている。 バンレイシなどのように合生 (合着) していないので、花がたくさん咲いた後のようにも見える。 熟すと黒くなり、各果実には 茶色の平たい種子が複数はいっている。 |
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名前の由来 イランイランノキ Cananga odorata | |||
和名?: イランイランノキ |
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種小名 odorata : 芳香のある という意味 | |||
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Cananga イランイランノキ属 : ? | |||
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バンレイシ科 Annonaceae : ハイチの地名に由来する | |||
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参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、 園芸植物大事典/小学館、 週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社、 植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎 |
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