アカミノキ 赤身の木
Haematoxylum campechianum Linn. (1753)
科 名 : ジャケツイバラ科 Caesalpiniaceae
    (マメ科 Fabaceae)
属 名 : ハエマトシクルム属
    Haematoxylum Linn. (1737)
英語名 : logwood , bloodwood tree ,
campeachy wood
原産地 : メキシコ南部、熱帯アメリカ、南アフリカ
用 途 : 赤褐色から血のような紅色の材が家具に使われる。 心材からは赤の染料を採る。
花は蜜源となる。 樹皮や葉は薬用に使われる。
撮影地 : ドミニカ共和国

首都サントドミンゴの植物園は名札がほとんどないのだが、この木には珍しく説明板があった。 ドミニカも原産地にはいっていて、染料や薬用など有用な植物だからであろう。

しかし当然のことながら、スペイン語である・・・・。


タイトルは「カンペチェ または stick of color 染料の木」とでも訳せばよいでしょうか。

樹 形
3本の木があり、手前のものが高さ 約 6 m。大きくなると8mを越えるという。

幹の様子

葉 と 花 の様子
葉は羽状複葉だか 小葉の数は少ない。 葉の先がへこんでいる。 小葉の数は通常6枚。 葉の際に小さなトゲがあるのだがよく見えない。
花は小さく、1cm程度。 つぼみは赤茶色をしている。

実の様子
同じ日に撮ったものである。 中には 1〜2個の種子があるようだが、未チェック。

名前の由来 Haematoxylum campechianum

アカミノキ 赤身の木 :
心材が赤く、黒褐色や赤の染色原料とされたため。

現在でも その染料「ヘマトキシリン」は、顕微鏡検査をする時の細胞核染色に使われる。
 
種小名 campechianum : 地名による
Champeche は、原産地のひとつであるメキシコ南東部にあるカンペチェ州の州都である。
カンペチェ州
Wikipedia より
リンネが記載した『植物の種』(1753)を見ると、参考文献としてスローン や ケイツビー の本があげられており、そこにはすでに Lignum campechianum の名称が書かれている。 リンネは新しい属をおこして記載した。
 
英語名 logwood : 丸太の木
メキシコからの輸出は16世紀以来ということだか、その際に丸太のまま輸出されたために logwood となった。
中央アメリカの 旧英領「ベリーズ」は、17世紀以来 アカミノキの切り出し基地として発展した。
ベリーズ
Wikipedia より

 
Haematoxylum アカミノキ属 : 血の木 の意味
属名はギリシア語の「haima 血」+「xylon 木」で、心材やそれから採れる染料の色にちなんでいる。  アカミノキ属は3種のみ。
 
ジャケツイバラ科 :
ジャケツイバラについては別項を参照のこと。
 
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、
        園芸植物大事典/小学館
        週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社
        植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎
        Wikipedia
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