キバナキョウチクトウ 黄花夾竹桃
Thevetia peruviana K. Schum.(1895)
← Cerbera peruviana Pers.(1839)
SENEGAL , 日本 沖縄
科 名 : キョウチクトウ科 Apocynaceae
属 名 : キバナキョウチクトウ属
 Thevetia Linn. (1737) nom.cons. (保留名)
英 名 : yellow oleander , bestill tree ,
lucky nut
原産地 : 熱帯アメリカ。
用 途 : 観賞用として栽培される。
日本では温室栽培となるが、沖縄では露地栽培が可能である。
白い樹液は有毒であるが、生薬として利用されるという。

常緑の小低木。写真の樹高は 2.5m マキのような葉



地方都市ティエスの病院の中庭に植えられていたもの。樹形は整えられている。

キョウチクトウ科の特徴 ねじれて咲く花

ダカール大学構内
幹 と 落下した花 キバナキョウチクトウの実

名前の由来 キバナキョウチクトウ Thevetia peruviana
 
キバナキョウチクトウ
: 黄色い花の咲くキョウチクトウの意味。
 
種小名 peruviana : 「ペルーの」という意味。
初めに本種を命名した C. H. Persoon(1761-1836)が、ペルーで採取したためであろう。
Thevetia テヴェティア属 / キバナキョウチクトウ属 :
16世紀の中頃に、ブラジルからタバコの種を持ち帰ったといわれている、フランスの修道士テヴェ (A. Thevet 1502-92) を記念して名付けられた名称である。
命名者はリンネであるが、nomina conservanda (conserved name) 保留名となっている。     →「保留名について」を参照
キバナキョウチクトウ ←
 
 キョウチクトウ (夾竹桃) : Nerium oleander var. indicum
竹よりもさらに狭いほどの葉を持ち、桃のような花を咲かせるため。
和名 キョウチクトウは漢名の音読み。インド原産で、江戸時代に日本に渡来した。
以前は地中海原産のセイヨウキョウチクトウ(西洋夾竹桃) Nerium oleanderとは別種とされていたが、新しい分類では、セイヨウキョウチクトウの「変種」とされている。
花の色にはピンク、うすいピンク、白などがある。



シロバナキョウチクトウ
参考
 セイヨウキョウチクトウ : Nerium oleander Linn. (1753)
アジアの「キョウチクトウ」に対して、地中海沿岸地方原産のものを「セイヨウキョウチクトウ」と名付けた。
種小名 oleander の由来は不明。

ワシントン国立樹木園

小石川植物園
 セイヨウキョウチクトウ属 : Nerium Linn. (1735)
アジアおよび地中海沿岸地方に分布する。
1種のみであるが、様々な園芸品種がある。
属名 Nerium は、セイヨウキョウチクトウに対する、古代ギリシア名を採用したものである。
それだけ古い時代から名前が付いていたわけであるが、Neriumの意味は不明。
 
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、
        園芸植物大事典/小学館、
        週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社、
        植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎
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