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撮 影 : | モザンビーク 、パキスタン 、 日本 沖縄・温室 |
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科 名 : | ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae |
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属 名 : | ソーセージノキ属 Kigelia Dc. (1845) | |||
英 名 : | sausage tree | |||
原産地 : | アフリカに広く分布 | |||
用 途 : | 果実と樹皮が擦り傷・切り傷の薬として使われる。 |
ずっと以前に沖縄の南洋植物園で「ソーセージノキ」は目にしていた。 またパキスタン・ラホールのジーナ植物園にも、葉を茂らせた Kigelia があったが、ともにトレードマークの実は生っておらず、あまり実感がなかった。 上記2件は「ソーセージノキ」 Kigelia pinnata であったが、今回モザンビークの首都マプトの大学付属植物園で、よく似た本種 Kigelia africana を間近に見ることができた。 |
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垂れ下がる花序 | 幹の状態 | |||
木材も利用されるそうで、太い幹は刳りぬいてカヌーにするそうだ。 この木は枝が低いので、花も手に取れる位置にもあった。 モザンビークは南半球であるため、7月の季節は秋から冬へ向かうの時期。乾期で気温もさほど高くなく、一番いい時期であったが、春の花の時期ではないのは仕方がない。 本種は「コウモリ」が花粉を媒介するとのことで、写真を撮ったのは午後3時頃であるが、まだ開いていない。夕方に全開するものと思われる。 一本の房に咲く花の数は少ない。垂れ下がる「花軸」やそこからさらに分岐している「花柄」が異常に太い。 ソーセージを吊るすためであれば、後から徐々に太くなればよい。 コウモリが止まっても折れない様にしているのであろう。 |
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半開き状態 | 花弁の半分を切除 | |||
外側は黄緑に赤が透けて見える |
内側はどす黒い紅色 |
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ソーセージの実 | ||||
この実の形はヒョウタンのようで、ソーセージノキとしては特殊例。 ただし、よく写真に載っているソーセージノキは Kigelia pinnata なので、本種 Kigelia africana の形はソーセージばかりではないのかも知れない。 長さ 30cm弱。 実は硬く、足で踏んでもすぐに割れることはなかった。 中身はジャガイモにココナッツの粉を混ぜたような、ザラザラとした感じで、タネが含まれているはずだが、はっきりしない。 ドライバーに聞くと「普通は」食べることはない、と言っていた。 ということは、「食べる事もある」ということ....。 |
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パキスタン のキゲリア Kigelia pinnata ラホールでの撮影は 10月。 同じく乾期であったがソーセージは生っておらず、「紐」だけがたくさんぶら下がっていた。 もしかしたら、実が落ちてしまったあとだったのかもしれない。 |
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パキスタン、ラホール植物園 | ||||
右下の白い服を着た人と較べると、相当な高さがある。 |
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日本 のキゲリア Kigelia pinnata 撮影は、沖縄の方が10月下旬、京都は11月下旬であった。 |
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沖縄 南東植物園 | 京都植物園 (温室) | |||
複葉の葉の形が少しわかる。 種小名 pinnata は「羽状の」という極めてありふれた形容詞で、まったくおもしろみのない命名である。 |
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名前の由来 ソーセージノキ Kigelia africana | ||||
ソーセージノキ ソーセージの木 : 実がソーセージに似ているため |
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種小名 africana : アフリカの という意味 | ||||
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Kigelia ソーセージノキ属 : | ||||
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ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae : | ||||
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トピックス | ||||
ソーセージノキの効用? |
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参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、 園芸植物大事典/小学館、 週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社、 植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎 |
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