ギニアアブラヤシ  ギニア油椰子
Elaeis guineensis Jacq. (1763)
科 名 : ヤシ科 Arecaceae または Palmae
属 名 : アブラヤシ属 Elaeis Jacq. (1763)
別 名 : アブラヤシ、 アフリカアブラヤシ
中国名: 油 "木偏に宗" you-zong 、 油子
原産地 : 熱帯アフリカ。 各地で栽培されているため、原産地は特定しにくいそうだ。
用 途 :
 
熱帯地方各地のプランテーション 特にマレーシアで生産され、食用ほか ありとあらゆる用途に使われている。
 
撮影地 :
タイ 、シンガポール
 

アブラヤシは25mにもなり、シンガポールのは見上げるだけだったが、シリキット植物園のアブラヤシはまだ小さく、間近に見ることができた。

残念ながら、花の写真はない。

樹 形 (高さ 5m)
葉の長さが4m近くある。 まだ幹の部分がほとんどない。

高 木 葉の様子
シンガポール植物園 高さ10m以上。 どのぐらいの樹齢なのだろうか。
 
根元 若木の根元
幹の太さは 30cm。 むしろ右の木の方が太い印象だ。

実の様子 葉柄のトゲ
セイタカビロウに較べると大したトゲではないが、それでも長さ 2cm。

シリキットの果実 (長さ 4〜4.5cm) シンガポールの核

果実ははじめオレンジ色だが、日に当たる部分は暗い紫色となる。
外果皮から採れるのがオレンジ色の「パーム油」
中央上が断面で、中は除いてある。

核(内果皮)は繊維状の中果皮に包まれている。
育ちがいいのか 核のサイズで 3〜4cm
掃除が行き届いているためか左のような果実はなく、このような核だけが少し転がっていた。

核の中の 種子
シリキット植物園の作業員が ナタで割ってくれたもの。
中央下が丸のままの「種子」。 右上と中央上が断面で、白い半透明の胚乳は、いかにも油を含んでいそうだ。
「パーム核油」は主に加工食品用として用いられている。 「植物油」と表示のあるものは、ほとんどがヤシアブラから採れる「パーム核油、カーネル油」だそうだ。

今後は バイオ・オイルとしていっそう需要が高まりそうだが、プランテーションを作るために自然林が破壊される可能性も高まる。

名前の由来 ギニアアブラヤシ Elaeis guineensis
 
和名: ギニアアブラヤシ ギニア油椰子
 
種小名 guineensis : ギニアの という意味
単にアブラヤシとも呼ばれるが、油脂を採るヤシはほかにもたくさんあるので、正しい名前として産地名を付けている。
ただしあくまで、ギニアは原産地のひとつである。
ギニア共和国
Wikipedia より
英語ではGuinea であるが、宗主国であったフランス語が正式名で、REPUBLIQUE DE GUINEE であるために、本種小名となった。
Elaeis アブラヤシ属 : オリーブの という意味
ギリシア語の elaia (オリーブの木)に由来する。油が採れることによる。
『園芸植物大事典』より
ヤシ科 Arecaceae : 
ヤシ科の基準属 Areca に由来して ヤシ科は Arecaceae と呼ばれるが、Palmae も使われる。
 
『園芸植物大事典』によると Areca は、インド南西部マラバル地方での呼び名 areec によるといわれている。
 
約 200属 約 2,680種があるそうだ。
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press
        園芸植物大事典/小学館
        植物の世界/朝日百科
        植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎
        Mabberley's Plant-Book/第3版/D.J. Mabberley
        Wikipedia
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