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科 名 : | トウダイグサ科 Euphorbiaceae | |||
属 名 : | パラゴムノキ属 Hevea Aubl. (1775) | |||
原産地 : | アマゾン川 流域 | |||
用 途 : | 採取した樹液から 天然ゴムを作る ゴムの採取が終わった木の材は、チップボード・合板や家具材として使われる |
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撮影地 : | 中国 ![]() ![]() マレーシア、日本(温室) |
中国南部、雲南省の西双版納 (シーサーバンナ)タイ族自治州に出かけ、最南部の勐腊(モンラー)県で目にした栽培状況である。 |
勐腊(モンラー)県の位置 | |
左上は中国全図。その中の雲南省の位置を示している。 中央は雲南省。黄色の部分が西双版納タイ族自治州である。 右下、ピンク色が勐腊県。 勐腊県の東側と南側のほとんどはラオス、西側一部がミャンマーと接している。 |
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地図はWikipediaのものを加工 |
パラゴムノキの植林の様子 | |||
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最南部のこのあたりは山が多い。 左側の稜線は30度まではいかないが、正面の斜面はもっときつい。 | |||
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斜度にもよるが、幅60cm程度の水平歩道を作り、4m以下のピッチで木を植えていく。 ここでは 上下方向(傾斜方向)には空間があるので、木が大きくなってもこれでよいのかもしれない。 | |||
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谷あいの平らな部分は「コメ」、平地部分は「バナナ畑」、その他の 人が歩ける山という山は、パラゴムの木が植えられている。 昔の日本のスギ植林のような、一種の自然破壊である。 | |||
水田 | 一部にトウモロコシ畑 | ||
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植える間隔が狭いだけに、ひょろ長い形となる。 原産地では 高さ30m、幹の太さ50cmを超えるという。 | |||
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国道脇の比較的緩い斜面なので、古くに植栽されたものだろう。 ここでも植栽間隔は小さい。 とにかく本数を植えて、採取の箇所を増やす方針だ。 この木の太さは 20cmぐらい。 螺旋状の黒いプラスチックのシートは、「雨よけ」と思われる。 |
マレーシアのゴム畑 2014.7.5. |
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ここの間隔(縦方向)は 前掲写真(横方向)の倍ぐらいある。 |
樹液の採取状況 | |
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タッピングのガイドとして、幹に縦の筋が入れられている。 それ程太い木ではないので、このケースでは樹皮を剥ぐのは幹の1周分。 始まり部分は上部はほぼ水平に、最後は45度ぐらいの角度を付ける。 木が生長するための「形成層」は傷つけないように、表面の1センチ弱を掻き取る。 | |||||||||||||||||||||||||
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以下の写真は、国内の温室で撮影したものである。 | |||||||||||||||||||||||||
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細い葉柄の先に、尖った楕円形の葉が3枚ずつ付く複葉で、出始めはツヤのある焦げ茶色である。 | |||||||||||||||||||||||||
新葉の色の変化 | |||||||||||||||||||||||||
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フラッシュ 使用 | |||||||||||||||||||||||||
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名前の由来 パラゴムノキ Hevea brasiliensis | |||||||||||||||||||||||||
和名 パラゴムノキ : 積み出し港の名前から |
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ブラジル パラ州 | ベレン市の位置 | ||||||||||||||||||||||||
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種小名 brasiliensis : ブラジルの |
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Hevea ヘウェア属 : | |||||||||||||||||||||||||
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Euphorbiaceae トウダイグサ科 : | |||||||||||||||||||||||||
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トピックス 1 | |||||||||||||||||||||||||
主力は合成ゴムに代わられたとはいえ、パラゴムノキは今でも重要な栽培植物の一つで、東南アジアを中心にプランテーションが多い。 『朝日百科/植物の世界』では、3ページを割いて「ゴム物語」を載せている。 その一部を紹介したい。 | |||||||||||||||||||||||||
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イギリスの極秘計画 |
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ブラジルからの持ち出しが禁止されていたパラゴムノキの種子。 19世紀後半に、イギリスはこれを持ち出して ついには東南アジアでの栽培につなげた。 | |||||||||||||||||||||||||
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シンガポール植物園の パラゴムノキ | |
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冊内の木が 21世紀を記念して、ロンドン市からシンガポール市民に送られたパラゴムノキで、立て札に簡単な説明が書かれている。 植栽は 2001年10月。 |
トピックス 2 | |||||||||||||||||||||||||||||||
ある ハニ族農民の ゴム採取 |
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西双版納タイ族自治州の勐腊(モンラー)県で、パラゴムノキの栽培とゴム採取をしている、ハニ族の男性 白 文勇さん(36歳)に話を聞く機会があった。 |
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なお、トウモロコシは主に酒を造るために栽培しているようだ。 自家栽培だけで足りない場合は購入し、120キロのトウモロコシから、60キロの酒を造るそうだ。 |
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参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press 園芸植物大事典/小学館 週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社 植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎 |
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