ストロファンツス・プレウシー
Strophanthus preussii Engler et Pax. (1892)
科 名 : キョウチクトウ科 Apocynaceae
属 名 : ストロファンツス属
Strophanthus DC. (1824)
原産地 : 西熱帯アフリカ(ギニアなど)から 中央熱帯アフリカ(カメルーンなど)を経て、東熱帯アフリカ(タンザニア)まで
アンゴラ
用 途 : 観賞樹として栽培される。
この属のある種は、心臓の薬として利用
 
撮影地 :
シンガポール
 
シンガポール植物園正門をはいって、丘に登っていく階段には小川が配されている。
 
木々の間に植えられた灌木のひとつであるが、花弁の尖端が長く紐状になる珍しい植物である。
名札が見つからなかったために問い合わせをして、学名を教えてもらった。
 
花盛り

 
葉の長さ、約8cm。
 
葉は対生なのだが、水平に伸びる枝では、すべての葉が太陽の光を受けるべく 「平行」に同じ方向を向いている。
 
多少は「枝」もねじれて対応しているようだが、主には「葉柄」が角度を変えたりねじれたりして、調整している。

生え初めは、確かに前の葉と直交した「対生」である。
 

 
花の様子
花弁の内側には、付け根から、茶色の別の花のような飾りがある。
 
「副花冠」のように見えるが、『園芸植物大事典』では、「10個の爪状鱗片」となっている。
花のサイズは幅4cm程度だが、「長い紐」は 40cmぐらいある。
 
名前の由来  Strophanthus preussii
 
和名 : なし
良い和名を思いつかないので、仮名はとりあえず、「ヤギノヒゲ」。
なんとか、「ネジレ」を入れたいところだ・・・。
 
種小名 preussii : 人名による
確定情報ではないが・・・
 
ドイツ あるいは オーストリアの植物採取者 Paul Rudolf Preuss (1861- ? ) を顕彰したものと思われる。
 
プレウスは世界各地の植物採取を行っており、本種が発見されたと思われる、カメルーンにも行っている。
 
命名者のエングラー(1844-1930)、パックス(1858-1942) はともにドイツ人である。
Strophanthus ストロファンツス属 : ねじれた紐状の花 の意味
ギリシア語の 「strophos ねじれた紐」と 「anthus 花」を合成したもので、つぼみの時に花弁の先(合弁花の花冠裂片)がよじれていることに由来する。
 
捻れた花はキョウチクトウ科の特徴である。
 
花(つぼみ)が若いうちは、「ヒモ」はごく短い。
つぼみが成長するにつれて、ヒモが急速に長くなり、紫色に色付く。
 
開花時には色が明るくなって、おおよそ「ねじれ」は取れている。
 
完全に開くと花弁は反り返るので、「前髪」を垂らすことなく、すべてのヒモが後ろ側に行っている。
 
キョウチクトウ科 Apocynaceae :
キョウチクトウついては 別項を参照のこと。
 
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、
        園芸植物大事典/小学館
        植物関係出版物データ・ベース/ハーバード大学
        植物採取者データ・ベース/ハーバード大学
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