山手線が渡る橋・くぐる橋  − 架道橋 (ガード) ・跨線橋 −

神田 → 東京
番外. 呉 服 橋 仮 駅

東京駅ができるまでの短期間だけ営業された駅。 
開業は 1910年(明治43年)9月15日。 同年6月に烏森駅まで開通した東海道線が、呉服橋駅まで延長された。 廃止は 東京駅が開業した 1914年(大正3年)12月20日で、わずか4年少々の仮駅であった。

竣工後間もない時の呉服橋架道橋
『東京市街高架線東京万世橋間建設紀要』鉄道省/1920年 より
山手線の内側から東を見たもの。 右方向が東京駅で、写真の右端に「呉服橋仮駅」が写っている。 

『図説 駅の歴史』交通博物館編(2006) には、山手線の外側から撮影され、駅全体が写っている写真が載っている。 (著作権の関係で掲載はできない)

開業当日あるいはその直後の写真で、駅舎に上っていく土手の階段脇には大きな日の丸、呉服橋架道橋には竿を立て、万国旗がはためいている。 築堤の上に造られたホームは40mほどで、停車している電車は一両編成。 駅舎は20mほどの長さで 中央に改札口があり、架道橋側が事務室となっていた。 

呉服橋架道橋は4線分造られていたので、駅でも4線分 約16mはあったはずだ。 島式ホームを中心に置いて線路は両端を使えば直線のままでよい。 駅舎は4線分使っているように見えるので、線路はホームまでで、呉服橋架道橋は使っていなかった、と想像している。


設置期間が短かった事と、丁度一万分の一地図の端境期に当たってしまい、地図には「呉服橋駅」は存在しない。

1909年(明治42年)測図 1万分の1地図 / 日本帝国陸地測量部・国土地理院
仮駅開業の 約1年前に測量したもの。
1916年(大正5年)修正測図 1万分の1地図 / 大日本帝国陸地測量部・国土地理院
東京駅開業(1914年(大正3年))以後の地図。


新橋 - 東京間の建設工事についてまとめた 『東京市街高架鉄道建築概要/鉄道院東京改良事務所』(1914)にも載っていない。 本書は工事報告書であり、図面は東京駅開業後の竣工図(完成図)である。

『東京市街高架鉄道建築概要』の 市街線金杉橋銭瓶町間 線路平面図 (一部)
終点の記載↑   ↑銭瓶橋高架橋   ↑呉服橋    : 呉服橋仮駅
図の向きは本ホームページの進行方向に合わせて逆転してある。 前掲の地図とは表示範囲が異なる。 線路は呉服橋架道橋まで敷かれている。



位 置 (終戦後の様子)
龍閑川               1947年(昭和22年)7月の空中写真/国土地理院
       神田駅                外濠                               東京駅

呉服橋 仮駅 データ
位 置: 千代田区大手町一丁目
  東京駅より 約 300M
線路の数: 4線分
ホーム長: 約 40m
開業日:
廃止日:
1910年(明治43年)9月15日
1914年(大正3年)12月20日
備 考:







名前の由来:  付近の橋に由来する。

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