山手線 が 渡る橋 ・ くぐる橋 | 駒込 → 田端 |
− 架道橋 (ガード) ・跨線橋 − |
6. 道灌山 跨線線路橋 |
2010年3月12日掲載、2020年9月小改定 |
北へとカーブする「旧山手貨物線」を越えていく、「新」山手線の跨線橋。開通は 1925(大正14)年3月。 |
それまでの貨物列車は、道灌山トンネルをくぐって田端に出たあと、折り返して東北方面に向かっていた。山手線を複々線化して専用線とするとともに、京浜東北線を赤羽方面に伸長することになったため、京浜東北線との平面交差を避けながら一気に東北本線と繋ぐ、会心の解決策が 「道灌山跨線線路橋」と「中里トンネル」 の組み合わせだった。 |
全 景 (山手線の内側より、2010年2月) |
湘南新宿ラインがくぐる 中里トンネル は橋の陰になっていて、ここからは見えない。 |
近 景 (山手線の内側より) |
中央の橋脚はコンクリート製で 連続アーチのデザイン。 都市計画道路(都道)の建設が認可され、近い将来この上に「大陸橋」が架かることになった。 |
近 景 (山手線の外側より) |
下路プレートガーダ、開床式。3本の主桁で 2線のレールを架けている。両方の電車が同時に通過すると、中央の桁の荷重は倍になるので背が高い。 |
曲線区間であるため、ふたつの桁は中央の橋脚部分で折れ曲がった形で架けられている。 |
両側の背の低い桁は前後で位置がずれている。駒込側と田端側で 桁の幅が違うということではなく、湘南新宿ラインが山手線に対して斜めに交差しており、そこに直線形状の桁を掛けるとこのようにずれてしまう。 |
富士見橋から |
外回り電車から |
桁の高さの違いは、電車から見るとよくわかる。 |
位 置 (戦後の様子) |
1947(昭和22)年8月の空中写真/国土地理院 |
駒込駅 田端駅 |
■ 道灌山 跨線線路橋 データ | |||
位 置: | 北区田端六丁目 品川より 19K 833M | ||
管理番号: | − | ||
線路の数: | 2線:山手線 | ||
橋 長: | 32 m 程度 | ||
支 間: | 駒込側の桁:中央:17m 069、両側:16m 408 田端側:中央:16m 40 か? | ||
竣工年: | 桁の製作年:1925(大正14)年 竣工 :1925(大正14)年 | ||
跨ぐ線路: | 2線:湘南新宿ライン | ||
備 考: | 支間に比べて橋の長さが長いのは、桁が二つに分かれているため | ||
名前の由来: | 道灌山の切り通しに架かる橋 | ||
上野から王子まで続く「上野台」の、日暮里から田端にかけてを「道灌山」と呼んでいる。 現在の感覚では、道灌山は西日暮里あたりの狭いイメージだが、昔の道灌山の概念は広かったようだ。現在は「田端台」という呼び名もある。 |
|||
地名の由来: | |||
谷中感応寺の開基である 関小次郎長耀(ナガテル)入道道閑(13世紀 鎌倉時代)の居所があった、 あるいは、室町時代に江戸城などを築いた太田道灌(1432-1486)の館があった、ということに由来する。 |
周辺の情景 |
中里トンネル |
道灌山跨線橋をくぐった湘南新宿ラインは、すぐに中里トンネルにはいる。 |
中里トンネル 南側坑門 |
見えているのは赤羽方面へ行く 「北行き」用の坑門。「南行き」用のもう一つは写真の上側だが、隠れていて見えない。 |
中里トンネル 北側の出口 |
トンネルを出ると、今度は京浜東北線の「中里跨線線路橋」をくぐる。道灌山跨線橋とは 丁度「線対称」となっており、橋脚のアーチ型デザインもほぼ同じだが細部は異なる。 この、中里跨線線路橋の桁の銘板(桁の製作年)を双眼鏡で見ると、1925(大正14)年に見える。大正十年代である事は間違いない。道灌山跨線橋よりも先にできていた可能性は少ないので、大正14年か 15年である。 京浜東北線のために田端以北に線路を増やして、赤羽まで開通したのは1928(昭和3)年になってからだが、中里トンネルが完成した1925(大正14)年とほぼ同じ時期に、この部分も完成したようだ。 |
新幹線車両基地 新幹線 山手線 |
↑京浜東北線 湘南新宿ライン↑ |
国土画像情報/国土交通省 CKT-89-3/C2-29 1989年(平成元年) |
トンネル上のJRの敷地に並ぶのは、国鉄時代の職員寮。今はリニューアルされて賃貸マンションとなった。トンネルが浅いので建設時に土地を買収したようだ。 中里トンネルは線路は複線でだが、トンネルの形状は「単線断面」×2 である。少しでも 断面の高さを抑えるためであろう。 |
太田道灌 と 舎人ライナー |
日暮里駅前に 1989年(平成元年)に建立された大きな像。 制作者は 橋本活道 氏。 |
Topへ 山手線が渡る橋・くぐる橋 高橋俊一 富士見橋 へ |