バウヒニア・ブラキカルパ
タンカソシンカ
 短果ソシンカ (仮名)
Bauhinia brachycarpa Wall. ex Benth. (1863)
科 名 : ジャケツイバラ科 Caesalpiniaceae
APG分類:  マメ科 Fabaceae
属 名 : ハカマカズラ属 Bauhinia Linn. (1737)
中国名 : 馬鞍叶 ma an ye 、馬鞍叶羊蹄甲
原産地 : 中国雲南省・湖北省、ラオス、対、ミャンマー、インド
用 途 : 観賞樹して栽培される。
根や枝葉をさまざまな薬として使う。
撮影地 : 中国

昆明植物園の煉瓦色の土に植えられていた、ソシンカの一種。
 

 
樹形
斜面に複数の木が植えられていたが、2〜3mの高さであった。
 
幹 と 葉の様子
幹は細く、25mm程度。 枝も細くて葉の重さで垂れてしまう。
 
葉の詳細
 
葉 と 花
ソシンカ特有のふたつに割れた葉、裏面は細かい毛に覆われていて白く見える。 葉がとても大きく見えるが、幅・長さとも 約10cmである。
 
花の様子
たまたま 一つだけの花があったが、普通は左のような「花序」となる。

ジャケツイバラ科の花としてはめずらしく、花びらのサイズ・形状が、5枚ともほぼ完全に同じで、対称形というよりも放射状の花にも見える。
 
実の様子

 
実の付きがとても良いようだが、『雲南天然薬物図鑑』によると、種子の数は2〜4個。
まるで 枝豆のようだ。
 
名前の由来 Bauhinia brachycarpa

和名 : なし
仮名 タンカソシンカ 短果ソシンカ :
種小名 brachycarpa : 短い果実 という意味
『園芸植物大事典』に載っているソシンカ類の豆果のサイズは、
   ソシンカ:7〜15cm
   タイソシンカ:6〜9cm
   コリンボサ:10〜20cm
   ベニバナソシンカ:5〜7cm
   ムラサキソシンカ:15〜30cm
   ハンモンソシンカ:7〜15cm
   フイリソシンカ:約 30cm
   ウンナンソシンカ:約 15cm
となっている。

上の写真の まだ若い果実のサイズは 4〜5cmで、これからもっと大きくなるのかどうかわからないが、とにかく この果実に由来する学名であることは、間違いない。
中国名 馬鞍叶
中国の文字は省略形が多いが、「叶」は 葉のことである。

葉の形を 馬の鞍 (クラ) に例えた名前であるが、バウヒニア類は似たような形をしている種が多いので、種の名前としては適切ではな
Bauhinia ハカマカズラ属 :
日本に産する 唯一のバウヒニア属こそ「ハカマカズラ」である。
  
ハカマカズラ
左の写真は、小石川植物園の温室で育てられているもの。
ハカマの先が尖っており、以前 春日健二氏のホームページ「日本の植物たち」からお借りしたものとよく似ている。

右の写真は、高知県足摺岬にある「足摺亜熱帯植物園」で自然の状態で育っているものである。
目の高さには葉が無く、高いところを見上げている。
葉先が丸いものがある。
 

ハカマカズラ属の もう少し詳しい内容については、「アカバナソシンカ」の項の記述を見ていただきたい。

なお、ハカマカズラ属の中国名は「羊踵甲属」である。

ジャケツイバラ科 :
ジャケツイバラについても 別項を参照のこと。
 
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、
        植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎、
        雲南天然薬物図鑑/雲南科技出版社
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