ロウソクノキ 蝋燭の木
Parmentiera cereifere Seem. (1853)
科 名 : ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae
属 名 : ローソクノキ属 Parmentiera DC. (1838)
原産地 : パナマ
用 途 : 事典には、熟すと淡黄色になり、リンゴのような香りがして、ウシが食べるという記述がある。

人間は食べないのか..?
撮影地 : ガイアナ協同共和国
日本 温室、沖縄

ガイアナ協同共和国の首都 ジョージ・タウンの植物園の一角にあったもの。

大きくなると高さ 6 ・7mになるらしいが、この木は小さく、高さ3m程度であった。
10月末だったため花はなく、細長い果実がたくさんぶら下がっていた。
 
茂みの中にも30cm近い「ロウソク」が...

地面で二股にわかれていた 葉の様子 (小石川植物園)

葉は3枚の小葉を持つ「三出複葉」で、葉の柄の所には「翼」がある。

沖縄などでは露地植えが可能である。

小石川植物園では温室栽培されているが、夏期に屋外で育てられる鉢は、5月に学生が動員されて運び出されて温室前に並べられる。
ロウソクノキも屋外組である。

事典によるとロウソクノキの花は夜に咲いて、コウモリが花粉を媒介するそうだ。
親戚の植物である、ソーセージの木と同じだ。

夕方、運良く花が咲いているのを見ることができた。
白く、きれいな花である。
花の形や雄しべの状態もソーセージノキに似ているが、幹に付く「幹生花」で、当然、ロウソクも幹に生る。

トップの写真の実の長さは 20cm 強だったが、大きな木では120cmにもなるそうだ。
 
幹に着く花(小石川植物園)
大きさは直径6cm であった。
ソーセージノキ Kigelia pinnata の花

 
名前の由来 ロウソクノキ Parmentiera cereifere

ロウソクノキ :
直径3cm程度の果実を「蝋燭」にたとえたもの。
英語名も candle tree, candle stick tree である。
 
種小名 cereifere : 蝋を有する という意味
形だけでなく、果実の表面が蝋質となっているためである。
 
Parmentiera ロウソクノキ属 :
フランスの農学者で薬剤師となった パルメンティエ(Antonie Augustin Parmentier 1737-1813 ) を冠したもの。

命名したのは、同じ18世紀、パルメンティエより半世紀ほど後にスイスに生まれ、パリ、モンペリエ、ジュネーブで活躍した植物分類学者 ド・カンドル (1778-1841) である。
 
ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae :
主として熱帯、亜熱帯に約120属800種がある。
ほとんどが直立高木、低木あるいはつる性の「樹木」で、左右対称の鐘状・筒状・漏斗状の花が特徴である。

Bignonia の名は、フランス ルイ14世の司書 ビニョン (A. J. P. Bignon 1662-1743) にちなんで名付けられた。

ノウゼンカズラについては、「キバナノウゼンカズラ」の項の記述を参考にしていただきたい。
 
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、
        園芸植物大事典/小学館、
        週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社、
        植物学名辞典/牧野富太郎・清水藤太郎、
        Infomotions, Inc.のホームページ/by Eric Lease Morgan
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