名前の由来 ベンガルヤハズカズラ Thunbergia grandiflora |
和名 ベンガルヤハズカズラ : 原産地のひとつを表す。 |
ベンガル地方に産するヤハズカズラの意味。 実際の自生地は広い。
命名者の William Roxburgh (1751-1815) はスコットランドの軍医、植物学者で、インド植物の父といわれている。 |
|
William Roxburgh |
Wikipedia より
|
 |
|
1793年にカルカッタ近郊にあった東インド会社植物園の園長となり、1814年には植物園のカタログとして『ベンガルの植物』、正式名称 『Hortus
Bengalensis, or a Catalogue of the Plants Growing in the Hounourable East India Company's Botanicl Garden at Calcutta. Serampore』を刊行した。
それに本種が記載されているのだが、現在の植物命名規約が定めている記載内容に合っていなかったためか、正式名称とはならず、いわゆる「裸名 nomen nudum 」である。
学名はともかくとして、この経緯から英語名に Bengal trumpet や Bengal clockvine があり、和名はそれを参考にしたもとの思われる。 |
|
種小名 grandiflora : 大きな花の の意味 |
命名時の19世紀初めまでに、何種類のヤハズカズラ属が存在したかは不明だが、少なくともヤハズカズラ属の中では 当時一番大きな花だったということだ。
|
|
ヤハズカズラ属 : |
ヤハズカズラ属は熱帯・亜熱帯の植物で、初めて日本に伝えられたのがヤハズカズラ : Thunbergia alata のようだ。
『園芸植物大事典』によると 1879年(明治12年)のことである。
alata は「翼のある」という意味で、長い葉柄(葉の柄)に 翼(膜状に張り出したもの)があることに由来する。 写真には写っていない。 |
|
ヤハズカズラ |
Wikipedia より
|
 |
|
矢筈は「矢を弓につがえる部分」で、簡素なものは矢そのものに溝を付ける。 別途 竹・木・角・金属・水晶などで部品を作り、矢に取り付ける「継筈」もある。
ヤハズカズラの写真は前掲の1枚だけなので、「コダチヤハズカズラ」で代用するが、花を包む2枚の「苞」を 「矢筈」に見立てた命名である。 |
 |
|
キツネノマゴ科 Acanthaceae : |
キツネノマゴ科の「基準属」は ハアザミ属 Acanthus であるが、科の和名はキツネ...。 なぜだろうか...。 アカンツス属の植物は地中海沿岸、熱帯アジア、熱帯アフリカなどの原産で「ハアザミ」と言われても馴染みがない。このため、代わりに数少ない国産の本科のひとつ、キツネノマゴを科名としたものと思われる。 キツネノマゴについては、「ベニサンゴ」の項の記述を参考にしていただきたい。
|
|
|
参考文献 : Index Kewensis Ver.2.0/Oxford University Press、
園芸植物大事典/小学館、 週間朝日百科/植物の世界・朝日新聞社、
Wikipedia |
|
世界の植物 −植物名の由来− 高橋俊一 五十音順索引へ |