山手線 が 渡る橋 ・くぐる橋
原 宿 駅
地図については 脚注参照

番外 その1. 構内跨線橋
下町部で電車線が2線増線された 1956年(昭和31年) に架け替えられた跨線橋である。 リベット使用の最終期にあたる。

全 景 (参宮橋の上から)

近 景 (ホームから)

下から見上げる
いずれも 代々木方向を見ている。

改札のアプローチ斜路から (山手線の内側から)
階段部分は、駅舎のハーフティンバー・スタイルを取り入れたデザインで、木製仕上げとなっている。
ほかの駅の跨線橋には無い デザイン・センスがある。

  ・ 階段部分もトラス構造
  ・ そのトラスを階段全体とせず、半分以下にしている
  ・ 最後の手摺り部分はメカニックな構造とデザイン

階段のスラブ(段板)がトラス構造体の内側に納まっていて、下に出っ張っていないので、スマートに見える。

コンクリートの上に乗った 階段の腰壁
下3分の1は コンクリートが主体構造で、メカニックな手摺り壁が付いている。
ステンレスの手摺りは 後からかも知れない。

材質は 鉄のようだ。 リベット風の鋲は 装飾である。

原宿駅 構内跨線橋 データ
位 置: 原宿駅 構内
管理番号:  −
通りの名称:  −
跨ぐ線路: 3本
山手線 内回り、
埼京線・湘南新宿ライン (共用)2本
支 間:
空 頭:
構 造: 鉄骨(古レール)トラス
竣工年: 1956年(昭和31年)頃
備 考:

 

原 宿 駅
古レールによるホームの屋根

1956年(昭和31年)頃に 跨線橋の架け替えと共に作り直されたようだ。

国土交通省の「国土変遷アーカイブ空中写真 閲覧システム」で調べた結果では、1956年(昭和31年)3月10日撮影の写真 USA-M324-391 には、旧跨線橋が写っているが、1957年(昭和32年)10月10日 の USA-M101R1-150 では、新しい跨線橋とホームの屋根が 白く写っている。

現在 当時の古レール屋根があるのは、5両分である。 

1956年当時は6両編成だったと思われ、6両分の上屋があったはずだ。 大正時代ならともかく、この時期の新しい上屋に 屋根がない部分があったとは考えにくい。 
ただし、跨線橋と同時に直された上屋は 一部だけで、古いものを残して使い、後にかけ直された可能性もある。

一本脚の ホーム上屋 (谷型屋根)
部分が、古レールによる上屋の渋谷側の端部で、古い部分は母屋が木製であることがわかる。

柱 と 梁
柱はレール2本を溶接。 梁や桁もレールを2本組み合わせた構造である。

1957年(昭和32年)が、標準設計としてリベットを使用した最後の年で、ここでは 跨線橋と階段がリベット留め、上屋はボルトと溶接の併用、と 過渡期を象徴している。

接合部の詳細
部材はすべて 古レール。

  建 築 年 : 1956年(昭和31年)3月〜1957年(昭和32年)10月 の間
  柱 の 数 : 一本柱 : 4本 〜 階段部分 別構造 〜
                 エスカレータ工事のために撤去 〜 8本
                 計 5 両分

  柱 間 隔 : 約 5 m、   桁つなぎ : レール二段重ね
  谷部高さ : 約 3 . 5 m。
  屋  根 : 谷型、波形スレート、 母屋 : 木製

なお、跨線橋のホーム上部分は、エスカレータや現在工事中のエレベータ用通路のために、柱などが補強されている。


脚注、タイトルの地図について : 地図サイズ 299×93
明治42年(1909年)測図 大正5年(1916年)第一回修正測図 1万分の1地図
「四谷」に加筆               大日本帝国陸地測量部/国土地理院 発行

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