山手線が渡る橋・くぐる橋  − 架道橋 (ガード) ・跨線橋 −

秋葉原 → 神田
7. 第2柳町橋 高架橋

高架橋 A部分 と 架道橋 (山手線の内側)
↑柳原通り架道橋          第2柳町橋高架橋        ↑柳橋架道橋
柳原通り架道橋に続く 4つの橋が写っている。  一番奥が平永橋架道橋。

柱スパン 18フィート 約 5.5mの標準的な構造で造られており、高架下は主に倉庫として使われている。


そのうちの3つの橋 「第2柳町橋高架橋・柳橋架道橋・第1柳町橋高架橋」 は、同じ町名「柳町」に由来するものである。

初めに「柳橋架道橋」の名前を見た時には 浅草橋の柳橋のことが頭に浮かんだのだが、直接の関係はなかった。

昔の町名に基づいて名付けられた旧名を、現在の名前にする時に不備があったためだ。   上野-御徒町間 五條橋架道橋の項と重複するが、再度掲載する。


高架橋の名称について

新宿から上野の間では、駅のホームに関連した高架橋などのいくつかを「番外」として取り上げている。
それらの名前は問題のないものであったが、この付近に続く下町の高架橋や架道橋の名前はちょっと変だ。 「橋」が重複している。

  高架橋は、柳町橋 + 高架
  架道橋は、柳 + 架道

『東京市街高架線 東京上野間建設概要/鉄道省』(1925年)の 17〜21 ページには、「陸橋」と「架道橋」の一覧表が載っている。
同書では、明治末や大正期に高架橋が造られ始めた時には「陸橋、架道橋、橋梁」を合わせて「橋梁」と呼んでいるが、高架橋には「町橋」、架道橋には「橋」を付けた名称で統一している。

「架道橋」の一覧表 に加筆 「陸橋」の一覧表(ともに一部)
「延長」や「総経間」の単位は「呎・フィート」である。

橋が重複する原因は、もともとの名称である、「柳町に作られた陸橋 :柳町橋」に、近年になって機械的に「高架橋」を付け足したのが原因である。  これは、
「柳町高架橋」とすべきだった。

ところが すべてがおかしいわけではなく、下谷町橋のようにちゃんと「橋」を外して、【下谷町 高架橋】とする 理にかなった命名もある。
国鉄 あるいはJRの、名称に関する融通の無さ、または無頓着さが出ているように思えてならない。
 
これを裏付ける写真・・・・。

ふたつの名称
神田駅から御茶の水に向かう中央線の「黒門町橋高架橋」の橋脚である。

ペンキで直接書かれた名前は 「黒門町橋」、 これが元々の名称。
近年に貼られたラベルは「黒門町 高架」、現在の名称。




柳町橋高架橋は 大きく 3つのブロックに分かれているので、内側から 仮称 A、 B、 C とする。

A 部分 4線分、架道橋本体 竣工時期:1923年(大正12年)2月

山手線の外側
左側の空いているところが 東北縦貫線工事中のB部分。
架道橋や高架橋が撤去されたために、長い間見えなかった外側部分が出現した。
山手線の内側もそうなのであるが、架道橋に近いひとスパンだけのデザインがほかと違ってアーチ型となっている。 橋台側のデザインに合わせたものだろう。
そこに嵌められている木製ガラス窓。 はたして 85年前のものだろうか・・・。

内部の様子 山手線の内側
低めではあるが2層分の高さがあるので、内部は 木造ので床が組まれている。
壁は コンクリート打ち放し。


B 部分 2線分、 竣工時期:1955年(昭和30年)頃
(柳原通り架道橋の項の写真と重複)
2010.1.30 在りし日の第2柳町橋高架橋 および 柳原通り架道橋
      ↑柳町橋高架橋(2線分)
ホームページを作り始めてまもなく、「とりあえず」歩いた時に撮った1枚。
山手線の外側から神田方向を見たもの。  東北縦貫線で壊されるとは思っていなかったので、1枚しか撮らなかった。 

完全に撤去された架道橋と高架橋  2010.11.5 の状態
新幹線の下から神田方向を見ている。 新しく高い位置に架道橋が架けられる。


撤去途中の高架橋 B部分  2010.10.1 の状態
ワイヤソーで切断・解体中の 第2柳町橋高架橋。 背後には 新設された背の高い高架橋が迫っている
この高架橋は脇に側溝(配線用か?)のある、特殊な形状をしている。



C 部分 建造時期 : 1990年(平成2年)頃
 
山手線の外側 から
           神田ふれあい通り            柳原通り架道橋↑
新幹線部分の桁はコンクリート製である。


位 置 (終戦後の様子)
1947年(昭和22年)の空中写真/国土地理院
      秋葉原駅        中央線   中央通り                神田駅

第2柳町橋高架橋 データ


位 置: 千代田区神田須田町二丁目
管理番号:
道路名:
線路の数: 計 8 本 (下記 A〜C は仮の呼び名)
A: 4本: 京浜東北線、山手線
B: 2本: 東北縦貫線2線 工事中、
C: 2本: 東北上越新幹線
橋 長: 約 27 m
橋脚の数: 6本、 スパン:5.49 m( 6ヤード )
竣工年: A: 1924年(大正12年)2月
B: 1955年(昭和30年)頃
C: 1990年(平成2年)頃
備 考: 竣工時の名称は「第2柳町橋」
A部の桁の銘板は脱落してしまっている。
B部の銘板(桁の製作年)は1924年(大13年)
名前の由来:  旧町名に由来する。
町名の由来: 「柳原」の由来は柳原河岸高架橋の項 参照










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